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- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784316358307
感想・レビュー・書評
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【内容】
・江戸東京花暦
・幸田露伴
・国木田独歩
・徳富蘆花「みみずのたわごと」
・田山花袋
・佐藤春夫「田園の憂鬱」
江戸から明治維新、大正末の大震災を経て昭和初期にいたる時期の、郊外がスプロールしていく過程を、文学作品や当時模索された都市政策の中に追う。
雪や月や花を愛でた江戸時代の人々、しかし人口増に伴い市中からその風流さは郊外へ追いやられていく。
幸田露伴は当時の東京の様子を目の当たりにし、「都会は都会らしく、郊外は郊外らしく、きっちりと隔てるべきだ」と提言した。
人々が郊外へ家をもとめた理由って、たんに自然への憧れだけじゃなく、自分の家を持ちたいっていう欲求にあるんじゃね?
なので郊外に移り住んだ人々はそこにも都会と同等の利便さや娯楽をもとめた。
人々が大家族を捨てる背景には、かつてのムラ社会の封建的な家父長制への嫌悪があるだろう。
「家族」を「消費者」としかみなしていない企業が、ニューファミリー(核家族)の魅力をさかんにPRする。
前述の露伴はまた「誰しも都会に住みたい欲求と田舎に住みたい欲求を持っており、できればその両方を実現させたがっている」とも。それに付け加えるなら、「自分たちだけの家を持ちたい」
ってのもあるのでは?詳細をみるコメント0件をすべて表示
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