なわばりの数理モデル -ボロノイ図からの数理工学入門-

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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784320018785

作品紹介・あらすじ

生物が餌場を争ってできる縄張り、コンビニが顧客を囲い込んでできる商圏、結晶が核から成長してできる単結晶領域、河川が雨水を受け持つ流域、救急病院や公立図書館などの公共施設がサービスを受け持つ地区など、いくつかの個体が勢力を競い合ったり分担し合ったりして空間を分け合う姿は、身の回りのいたるところで観察できる。この姿を、「なわばり」を表す空間分割図形として捉えることによって、自然界や人間社会における多くの現象が統一的視点から解析できるとともに、さまざまなものづくりに役立つことを紹介する。
 これは、数学を道具に用いて現実の諸問題を解決する方法論の確立を目指す「数理工学」という学問の一例でもある。数理工学では、現実世界の複雑な現象からその中心部分を取り出して単純化し、数学の言葉で記述して、数学という道具が使える舞台に乗せる。この作業は、現象の数理モデリングとよばれる。これによって、多様な現象に潜む共通の構造を浮き彫りにでき、それらを統一的に眺めることのできる汎用的な手法を手に入れることができる。本書は、「なわばり」というものの見方を手がかりとして、身の回りの現象を抽象化する数理モデリングのおもしろさと有用性を、わかりやすく解説した。

感想・レビュー・書評

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  • 2320円購入2010-01-26

  • 事前に知識があるのがベターだが、無くてもググりながらどうにか理解出来る程度に分かりやすく書いてある。
    ボロノイ図について知りたければ、これを読めばだいたいを把握するコトができる。

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著者プロフィール

1948年生まれ。名古屋大学大学院工学研究科情報工学専攻助教授、東京大学大学院情報理工学系研究科数理情報学専攻教授などを経て,09年より明治大学研究・知財戦略機構特任教授、東京大学名誉教授。専門は数理工学。主著に『理科系のための英文作法』(中公新書)『形と動きの数理』(東京大学出版会)『だまし絵のトリック』(同人選書)『大学教授という仕事』(水曜社)など。

「2011年 『夢をかなえるレッスン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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