世界こわい話ふしぎな話傑作集 1 フランケンシュタイン (世界こわい話ふしぎな話傑作集 1 イギリス編)

  • 金の星社
3.33
  • (0)
  • (1)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 8
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784323006512

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 極寒の氷河の海を漂う衰弱した青年を救い上げた、北極探査船。その青年は、ビクター・フランケンシュタインという男だった。船員の懸命な看病により、回復しつつある彼はやがて、恐ろしく、そして悲しい怪物の話を始める。 怪物といったらフランケンシュタインといっても過言ではないぐらい有名な怪物の物語。だが、恥ずかしながらフランケンシュタインは初。 そもそもこの表紙にいる怪物がフランケンシュタインという名前だと思っていたが、作った人の名前だと言うことに、まず驚いた。更に怪物には名前がない。
    読了後胸に残ったのはただひたすらな悲しさと寂しさだった。科学者を志すビクターが生命について考え始め、やがてその考えに囚われたときから、この悲しい運命たちは決定付けられていたのだろうか。どちらの気持ちもわからなくはない(身内を殺されれば誰でも相手を憎むだろう)、どちらかといえば私は怪物に同情する。勝手に作り出されその後の責任を放棄され、一人ぼっちの怪物は、どうに仲間を作ろうと、幾度となく人間に親切にしていた。しかし一度正体を現せば、悲鳴をあげられ、拒絶される彼の心境を思うとやりきれない。ビクターも怪物の手によって奪われた多くのものを考えると不幸ではあるが、自業自得ではあるだろう。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

Mary Wollstonecraft Godwin Shelley.
(1797-1851)
政治思想家で作家のウィリアム・ゴドウィンと
女権拡張論者で作家であるメアリー・ウルストンクラフト
の間にロンドンで生まれる。
急進的思想を持ってゴドウィンの思想に共鳴した
ロマン主義詩人パーシー・ビッシュ・シェリーと
駆け落ちの末、結婚。
1818年に初の小説『フランケンシュタイン』を出版して
一躍有名になる。
その後、ゴシックな作品のみならず、歴史小説や
ヴィクトリア時代風の家族的なテーマを扱った小説、
さらには人物伝、旅行記など、多彩な執筆活動を行った。
そこでは西洋古典から同時代のヨーロッパ文芸にまで
至る該博な知識と、欧州様々な土地での体験が
ふんだんに発揮されている。
また、夫亡き後はその作品を整理して
詩集の編集・出版にも尽力した。

「2018年 『マチルダ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

メアリー・シェリーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×