ハッピ-バ-スデ-: 命かがやく瞬間 (ときめき文学館 7)

著者 :
  • 金の星社
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784323025278

作品紹介・あらすじ

「おまえ、生まれてこなきゃよかったよな。」十一歳の誕生日、ママと兄のひと言から、あすかは声をなくしてしまう。祖父母の愛と自然の中で回復したあすかは、「自分は自分として生きる」と強く心にちかった。でも、問題はあすかだけではなかった。小さい時の心の傷から、あすかを愛せないママ。両親のいう通りの人生に、疑問を持ちはじめる兄・直人。そして、あすかを待ちうけていたのは、大好きな祖父と、親友めぐみとの永遠の別れだった…。小学校5・6年生から。

感想・レビュー・書評

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  • 小学生の頃学校の図書室で借りて読んだ本。
    あれから年月が経ったけれど、号泣しながら司書の先生に語ったのを未だに覚えている。先生の顔は全く思い出せないが。

    しかし改めて考えると、小学生には重すぎないか?という内容だ。母親からの精神的虐待で声を失った少女、あすかが主人公。
    有難い事にそんな経験はなく育った私だが、少女の気持ちが痛いほど分かった。小学校の図書室にある位だから、小学生でも読みやすい文章ということもあるが、元々感情移入し易い性格の私だ。
    感情移入し過ぎて読みながら号泣し、司書の先生に語りながら号泣し、友達にプレゼンしながらまた号泣する、というプロセスを踏んだことで、私の記憶に大いに残っている大事な本である。

    ブクログを始めて最初の感想は、この作品で書こうと決めていた。読書が苦ではない大人に育ったのも、多感な小学生当時に感情を激しく揺さぶられる経験をしたことで、読書の楽しさを知ったからである。

    多感な学生が読むのは勿論、大人になってから読んでも、本を通して主人公と一緒に成長し、日常や自分自身の存在をかけがえのないものとして捉えることができるだろう。

    今辛い状況に置かれている方、是非この本を手に取って、あすかと共にゆっくり一歩ずつ生きていって欲しいと思う。

  • 世代を超え影響する親子の関係性、精神的虐待の恐ろしさ、存在の否定、いじめ、その報復、助長する教師・・
    重いテーマが途絶えることなく続くストーリーだが、立ち直る心の強さや命の煌めきを随所に見ることができ、生きる希望を持てる作品。

    母親に愛されないあすかの心の痛みに泣き、無条件で受け入れる祖父母の愛に泣き、いじめの凄まじさと、救う勇気に泣き、消えそうな命のゆらめきに泣き、最初から最後まで涙が止まらない場面ばかり。 泣ける本は数あれど、これほど泣ける本はないです。

  • この本を読んだ当時はまだ小学生だった私には衝撃的すぎる内容だったのをよく覚えています。首をつまむ癖はなんとも痛々しかった…
    いま思えば、最後の方のあすかの誕生日会で、母親があんなにすぐに変わるものか?と若干違和感を覚えました。

  • これが流行る前に買って、その後に流行っていることを知って、
    やっぱりいい本だったんだなぁと思った。
    小学校の時に読んで、それから定期的に読んでる。

    主人公のあすかが親から「生まれてこなければ良かった」って言われて
    声をなくして、田舎の祖父母のところに休養しに行く。
    それで段々声を取り戻して家族関係も仲良くなる話。
    今問題になっている家族関係の問題を
    明確にしている本だなぁとしみじみと思ってる。
    きっと当事者たちは自分が虐待をしてる自覚はないけど、
    人の虐待は注意ができる。

    「生まれてこなければ良かった」って絶対に言われたくないよね。
    だからせめて大事な家族、恋人、友人には
    「生まれてきてくれてありがとう」って言いたい。

    この本は本当に私の心の基礎を作った気がする。
    いっぱい本を読んで泣いたし、助けられたかな。

    のぞみちゃんが主演のドラマも見た。

  • 大好きな本です。
    どれほど言葉が、人を励ます力にも、人を傷つける凶器にもなるという事を気付かせてくれるお話です。
    何気ない兄のひと言で、言葉を失ってしまった少女あすか。そんなあすかを、大きな愛情で持って受け入れてくれたじいちゃんとばあちゃんの触れ合いが微笑ましい。「怒るときには怒れ」と言ったじいちゃんの言葉を拠り所に、友達の為にクラスメイト相手に立ち向かうあすかの成長がとてもまぶしかった。
    幼少期のトラウマから、あすかを愛せなかったママへの歩み寄り、そうして、迎えた二度目の誕生日。あの頃とは比べ物にならない成長をしたあすかの、愛情と幸せに満ちた日々に、涙を禁じえません。

  • 読書感想文でふと思い出した一冊。小学生で読み、初めて号泣した本。余りに泣きながら読むので家族皆に見せたら皆で泣いてたという一冊。今思えば年齢的にテーマが重いとか、展開が早いとかあるかもですが、理屈抜きで心に残る名作だと思っています。

  • 若い頃に読んだ作品。
    暗かったけど面白かった

  • この作品を超える本がなかなか出てこない

  •  自分の本棚の頭に置くならこの本だ、とすぐに思い当たった1冊。
     小学生の頃、友達に借りて読んで衝撃を受け、すぐに親にお願いして買ってもらった本。6年生か中学生の課題図書にもなっていて、自分もこの本で読書感想文を書いたはず。

     10年くらいは読み返していないけれど、今でも内容は頭に残っている。言葉の力というのはなんと大きいのだろうと、子どもながらに衝撃を受けた。

     言葉は、薬。
     言葉は、凶器。

     そう書き残した記憶がある。できる限り人を傷付ける言葉は使いたくない、人のためになる言葉を使いたい、と強く思った。その思いは、今になっても自分の中に残っているから、すごい。
     子どものときに吸収したものから影響を受けて、大人になっても当たり前のように自分の中に根ざしている価値観って、意外と多い。わたしを形作る成長過程に間違いなく大きな影響を及ぼした本だ。

  • 主人公あすかの、11歳の誕生日から12歳の誕生日までの1年間の話。読書感想文中学校課題図書にもなったことがある本。
    家族による精神的虐待,親の過去,新しい学校で見たいじめ,それに対する担任の対応,その後のいじめ,養護学校での出会い,家族の喪失。
    そんな中で、心が挫けながらも前へ進む主人公やその周りの人たち。
    その後どうなったのかといった細かい部分が書かれていない部分があるが、そこを考えることで、これらの問題に目を向けることになるのでは。また、そこが感想文を書きやすくしていると思う。

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