わたしと小鳥とすずと (金子みすゞ詩の絵本みすゞこれくしょん)

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  • 金の星社
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  • Amazon.co.jp ・本 (24ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784323034515

感想・レビュー・書評

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  • 自分を肯定でき、癒され、やさしく、深い思いやりがあり、感動する詩です。

    わたしと小鳥とすずと (金子みすゞ詩の絵本 みすゞこれくしょん)
    2005.04発行。字の大きさは…大。

    金子みすゞさんを初めて知りました。金子さんは、1903年(明治36年)に生まれ、「若き童話詩人の中の巨星」と称賛されながらも、26才の若さで世を去りました。読み終って、大変惜しい人を亡くしたと思います。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    最初の詩「私と小鳥とすずと」は、詩に添えられている挿絵も、ほんわかして、笑顔が出て、癒されるものです。猫が「だれにもみんな よいところが あるんだニャ」と言っている挿絵は、詩と相まって、自分は、自分。人と違っていても、それが当たり前だよと言っているように聞こえます。つい、つい人と比べてしまう自分(笑)
    自分を肯定でき、自信が湧いてきます。あたりまえの言葉ですが、その言葉が、胸にストーンと入って来ます(笑顔)

    【私と小鳥とすずと】
    わたしが両手をひろげても、お空をちっとも飛べないが、とべる小鳥はわたしのように、地面を早くは走れない。

    わたしがからだをゆすっても、きれいな音はでないけど、あの鳴るすずはわたしのように、たくさんなうたは知らないよ。

    すずと、小鳥と、それからわたし、みんなちがって、みんないい。

    (可愛い猫の挿絵)
    「だれでもみんな よいところが あるんだニャ」

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    二番目の詩「日の光」は、お仕事には、どれがいい、悪いはないのよ、それぞれ大事な役割があるよと聞こえます。そうです、その人、その人の役割があり、それが社会を支えて、世の中を動かしています。だれ一人かけても、困るのです。それをやさしく言っている「日の光」は、いいですね。

    【日の光】
    おてんと様のお使いが そろって空をたちました。
    みちで出逢ったみなみ風、(何しに、どこへ。)とききました。

    ひとりは答えていいました。
    (この「明るさ」を地にまくの、みんながお仕事できるよう。)

    ひとりはさもさもうれしそう。
    (わたしはお花をさかせるの、世界をたのしくするために。)

    ひとりはやさしく、おとなしく、
    (わたしはきよいたましいの、のぼるそり橋かけるのよ。)

    のこったひとりはさみしそう。
    (わたしは「かげ」をつくるため、やっぱりいっしょにまいります。)

    (可愛らしい花の挿絵)
    「それぞれ だいじな やくわりが あるのね」
    2021.05.16読了
    2021.05.19「日の光」を追記

  • 金子みすゞ

    みえぬけれどもあるんだよ、
    みえぬものでもあるんだよ。

    わたしは子どもでいちさいけれど、
    ちいさいわたしのこころは大きい。

    みすゞの作品は、心にひびくやさしさがある。とても小さなノミの涙みたいなものを描きながら、ふとそれがすごく膨大なものに感じられる。小さいからこそ大きいのだ。そのようなサクヒンガみすゞであり、これこそが詩だと思う。

    それでわたしのさみしいは、
    何をもろうたらなおるでしょう。

    なぞ

    青い海の青い水、それはすくえば青かない。

    夏の昼の小さい風、それは、うちわですくえるよ

    みすゞの視点は、とても穏やかで温かい。そして、ワクワクさせる。

  • ぼくが1番すきだった詩は、「夜ふけの空」です。この詩を読むだけで、いろいろそうぞうできて、それがゆめみたいでよかったです。「草木のねむるとき」とか、木は、昼間はピンと立ってるけど、夜は首をくにゃっとしてるんじゃないかとか考えました。(小3)

  • みすずさんの詩はリズム感があって、子どもにも読みやすいと思うのですが、あまり活字ばかりだと興味を示さないので、子どもにもわかりやすい本はないかなあと思っていたところ、図書館でこの本に出会いました。
    この本はイラストも可愛く、ふきだしのコメントが楽しくて、子どもにぴったりです。
    全部で5冊あるようなので、全部読みたいです。

  • それぞれの個性の素晴らしさをうたった「わたしと小鳥とすずと」、ACで有名になった「こだまでしょうか」を含め11篇。身近な自然や小さな生き物に対する優しい視線の先に、社会との向き合い方が盛り込まれている。『命みな 個性が生きる 場所がある』といったところでしょうか?

  • 詩のえほんです。
    小2の冬休みの音読に読ませました。
    …こだまでしょうか…は
    震災を思い出しますね。

  • 電子

    若干イラストが気を削ぐが、やっぱりみすゞのセンスが素晴らしくて好き

  • 金子みすずさんの詩がかわいい絵と共に紹介されていて、小さい子にもよみやすく、親しみやすい。

  • 2002/10/9 かずちゃん

  • 挿絵もかわいくて、金子みすずさんの詩が覚えられて、長く使える絵本。

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著者プロフィール


山口県生まれの童謡詩人(1903~1930)


「2018年 『混声合唱組曲 みんなを好きに』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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