- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784323073590
作品紹介・あらすじ
もうすぐ楽しい夏休み。でも、しげちゃんには心配なことが三つある。身体検査、家庭訪問、成績表だ。身体検査の日。蒸し暑いのに、しげちゃんだけ厚着で、首からお守りを下げている。「お守りをとったらバチがあたる」ってバアちゃんが言うので、とれないのだ。家庭訪問の日。先生は「しげちゃんだけがお守り、二個も。クラスで浮いちゃってます」とお母さんに言う。お母さんは「すみません、うちの子、バアちゃんっ子なもので」だって。終業式の日。成績表を見たお母さんは「きょうからバアちゃんと一緒に寝るのは禁止!」と言った。成績表には「自立を!」って書いてある。自立って何?
その夜、しげちゃんは自分の部屋で一人で寝た。すると、天井に二つの目が現れた…。「そうか、あれが自立さんだ!」 しげちゃんは部屋を飛び出す。「バアちゃん、出た?」
次の日の朝。夏休みの一日目なのに、しげちゃんはラジオ体操に遅刻して、六年生の先輩に叱られた。バアちゃんから桃太郎の昔話を聞いて、遅くまで起きていたせいだ。
その夜、一人で寝ると、また、自立さんたちが天井に現れた。しかも、仲間が増えている。怖くなったしげちゃんは、バアちゃんを起こし、お便所に行く。バアちゃんは待っている間、数を数え、途中から口笛を吹いた。バアちゃんが庭の木を指差すと、木から白いヘビがダラ?ンと垂れてきた…。しげちゃんは自分の部屋に一目散で逃げ帰った。
次の朝。しげちゃんはまた、ラジオ体操に遅刻した。ゆうべ、眠れなかったからだ。
その夜、「バアちゃん、今夜は口笛はやめてね。さるかに合戦の話が聞きたいな」と、しげちゃんはお願いした。次の朝、目覚めると、ほっぺのところに冷たいものが…。
「ギョ?!! バアちゃんの入れ歯?!?」 しげちゃんは飛び起きて、パジャマのまま走って、ラジオ体操に出た。きょうは間に合った。自立さんたちは怖いけれど、しげちゃんは今夜からは自分の部屋で、一人で寝ることにした。バアちゃん、ごめんね。
感想・レビュー・書評
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甘えん坊でおばあちゃんこのしげちゃん。そろそろ自立が必要な時期なのでは…と家族も思い始めます。なんとか手を打たないと。
読みながら室井滋の声で再生される。どうしても。 -
私も幼い頃、夜寝るときに天井の木の模様が怖く感じたことがあります。今の子はこんな経験少ないでしょうね。
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私も今、小学生の 娘と 一緒の布団で寝ている。いざ 別々に 寝ることになったら やはり 寂しいだろうな(涙)
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そこまで頑張って自立させなきゃならないだろうか…。
というかそれは自立なの?
誰かに頼りきりなのも困るけど、誰かに頼っていられるのはそう長い間じゃないのだから、しっかり頼らせてあげてもいいような気がする。
それにしても、なかなかの荒療治。
自立さん怖い。 -
「しげちゃん」を小学校の読み聞かせで何度か読んだので、こちらはどうかな、と借りてみました。
室井さんの幼い頃の実話。
読み聞かせには使わないかな。
お話はくすりと笑えて郷愁も感じ、好きです。 -
自立するため、一人寝の試練。
おばあちゃんは、寂しいけれど、突き放し、
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すこしむずかしいかな