- Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
- / ISBN・EAN: 9784324090817
感想・レビュー・書評
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■概論
流山市長の井崎義治さんの本。米国帰りの市長が日本の非常識な常識に挑み、まるで企業を経営するかのように、流山市を経営している様が描かれている。
市職員1人がかかえている市人口が日本1位、それでいて市役所ユーザーの満足度調査の結果が高く、日本で初めて市にマーケティング課を設立したり、最近では千代田線に広告を出し、都心から一番近い森の街をうたう流山市。市という旧態依然とした組織を改革する井崎市長。
■感想
私は小1から高1までの10年間を流山市で過ごしたが(今は松戸市)、当時の流山市はホントに何にもない市で、本に書いてあるように、どこに住んでるの?と聞かれたら、「柏の近く」と答えていた。
そして、当時の市長がよくないという話は、子どもながらに覚えている。「市長とコネがないと流山市には就職できない」と聞いたこともあった。
しかし、最近の流山市は、かなり変わった。つくばエクスプレスが通り、おおたかの森ショッピングセンターもできたし、怪しい森しかなかったところに高層マンションが建った。これらの進化・改革が偶然ではなく、その多くが井崎市長によるものだとは知らなかった。
”市を経営”する。このフレーズを最初に聞いたときはかなり違和感があったが、企業でも自治体でも、いま求められているのは経営ができて強いリーダーシップを発揮できる人材であると感じた。
■メモ
・10人を9人にすると残業が増えるが、7人にすると残業では間に合わず、仕事のやり方が抜本的に変わる
・全国の自治体、特に都道府県は、税金のほとんどが職員の給与になっている場合が多い。:いつ倒産してもおかしくない状況
・キャノンの工場でやっていた立ち会議を導入。答弁書の確認作業時間が1/3に。
・任期が4年なら、、マニフェストは4年計画。すなわち中期計画。これを実行計画に落とし込む必要がある。中期計画と実行計画ははっきり区別するひ必要がある by キッコーマンCEO茂木友三郎
・昔は大卒者は3%。リーダーは組織の中に5%いればよいと言われている。そのリーダー育成のために人事ローテーションがあったが、プロを育てるために、大卒者全てに人事ローテーションは必要ない。by キッコーマンCEO茂木友三郎
・霞ヶ関にいたころは、情報は自分たちが握っているから、それを自治体に教えなければ、と思っていた。ところが実際は、現場に一番近い基礎自治体が重要。そのベストプラクティスを吸い上げて、全体に伝える必要がある。
2010年11月17日 読了64(57)