- Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
- / ISBN・EAN: 9784326098286
作品紹介・あらすじ
ベストセラーを複数揃える、いわゆる「複本」問題をきっかけに起こった図書館と作家・出版界との対立を調停し、共存の道を探る。
感想・レビュー・書評
-
最近私の読書は、電子書籍と図書館が中心である。それでも捨てられない本は沢山ある。本を読むことと所有することは同じに見えても微妙に異なる。如何に情報の電子化が進もうと本はおそらくなくならない。
図書館で借りられるから売り上げが減るような本は、所詮はそれだけの本ではなかろうか。
ベストセラーになるような本は図書館に複本を用意してもそれなりに売れると思うし、部数がでないが良質な本を考えると、公共図書館にある程度の予算を与えもらえて、各地の図書館が1冊ずつ購入することで相当の販売部数を確保出来るのである。
もちろん、皆が納得する補償金制度が導入できればベストではある。
1. 著作権は基本的人権である
2.ヨーロッパでは補償金制度が実現している
3.日本でも公共貸与権はすでに実現している
4.良質の図書館が数多くあれば問題は解決する
5.読者の読書スタイルが変わってしまった
6.著作権にはさまざまな権利がある
7.権利制限は人権の剥奪である
8.教育機関と図書館における権利制限
9.図書館をめぐる議論の進展
10.補償金制度の実現に向けて詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著作権のことが大元にある本です。図書館側にしたら、耳の痛いことかもしれませんが、やはり、著作権と図書館は、うまく付き合っていかないといけませんよね。
-
この作家さんの小説は読んだことがない。「いちご同盟」の映画版を見たぐらいのもの。だが、この本は良かった。ベストセラー大量購入問題など、作家にとっては死活問題を招く図書館運営についての苦言と対策プラン。それらを具体的に出しているが、図書館を敵視しているわけではない。図書館に、時代の文化の担い手であるという自覚を促すことが目的なのだ。図書館利用者としてもこの本から学ぶところは大きい。公共貸与権について学ぶ入り口としても持ってこいの本。