お笑いジェンダー論

著者 :
  • 勁草書房
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本棚登録 : 173
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326652624

作品紹介・あらすじ

「ライブ」の活気を再現する!女と男の「社会的性差」をめぐるお話の数々。笑って笑ってその先は、しっかり考えよう。

感想・レビュー・書評

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  • 駒場の教室の中で最も広いキャパ400人以上の教室がぎっしりと埋まり、立ち見がでるほどの名物講義がこの著者の瀬地山さんの「ジェンダー論」です。
    この本はそんな大人気講義をまとめた本で、ジェンダー論を専攻する訳ではない人々にも、これから生きていく上で必ず知っておいてほしいと教授が考えるトピックが詰まっています。
    「なんとなく時代的に騒がれているテーマだし、そうした動きに賛同はするけど、実際詳しく勉強をしたことがない…」という人はこの本でケリをつけましょう。差別は良くないから、というレベルに留まらない意見を持てるようになります。

  • ジェンダー論に関する本を初めて読んだ。
    フェミニズムとの区別もついてなく、女性の権利の主張かと思っていたがさにあらず。
    社会制度、労働のあり方、税制のあり方、これからの少子高齢化社会に対する処方せんなど、論理的な実際的な提言がなされていることに驚いた。
    社会的な性差を考えることは、すなわち社会を考えることにつながるのである。

  • 将来結婚したら自分が養ったる的な気持ちでいたし、離婚、浮気は完全な悪とか、性は非公然であるべきとか、思っていたけど、いかにそういう考えが近代の社会背景とかに規定されたもので、存在しうる一つの価値観にすぎないことに気づかされた。

    腹を抱えて笑うというよりは、たしかに〜って感じの話が多かった。

    これからは女性の時代だなって最近よく思う。

    • ともひでさん
      せっちーとの出会いは俺も考え方の面でかなり大きいかった、大学入ってからトップレベル。
      せっちーとの出会いは俺も考え方の面でかなり大きいかった、大学入ってからトップレベル。
      2019/11/11
  • 【メモ】
    著者:瀬地山 角(せちやま かく)
     〈http://homepage3.nifty.com/sechy/
    装幀:右澤 康之(うざわ やすゆき)
     〈https://www.yasuyukiuzawa.com/
    カット:佐々木 小世理(ささき こより)
     〈http://koyori.shop-pro.jp/

    【感想以前】
     四年以上寝かせてあったこの本を読了。そのせいか、ブクログでも自宅でも本棚の奥にあった。
     メモは取ったけど、ちゃんとした感想はしばらく書けなさそう。とりあえず、『バックラッシュ!(双風舎)』(の面白い部分)の次くらいに面白かったことは書いときます。
     (そういえば、難波48と鎌鼬の番組で、瀬地山先生がジェンダーについて講義してんの観ました。 時期は去年(2014年)の秋だったはず。)


    【目次】
    はしがき [i-ii]
    目次 [iii-vii]
    文献表示について [viii]

    I お笑いジェンダー論 001
     1 ジェンダーとは――「男はこうだ、女はこうだ」 003
     2 主婦はいつ生まれたのか 009
     3 家事の男女比較と日本の地域差 018
     4 ひどい「男性差別」――男女共同参画社会は男にとっても楽な社会だ 025
     5 主婦という制度は曲がり角――配偶者控除は必要か 037


    II ジェンダー随笑録 059
     1 メッセージ 男から 061
     2 世間のからくり 111
     3 子育ては愉快だ 133
     4 男女共同参画社会時代のフェミニズム 153


    III セックスワーク論――売春は禁止できない 163
     1 何を何のために論じるのか 165
     2 非公然性の原則 11
     3 性=人格 175
     4 性差別批判 181
     5 資本主義批判 187
     6 近代社会の構造として 189
     7 現場の問題・性犯罪 191
     8 道徳主義的アプローチをこえて 195
     9 自己決定を妨げるもの――強制と抵抗 197
     10 自己決定が成立する条件 201
     11 性の意味づけの変化 205
     12 性的弱者 209
     13 自己決定にもとづく棲み分け――性規範による規制から手続きへ 211
     14 われわれにできること 214
     注 217


    IV 主婦保護撤廃論 219
     脱・専業主婦時代の家族政策――家族の戦後 体制を越えて 221
     はじめに――新しい政策のセットへ 221
     1 家族の戦後体制と専業主婦保護 222
     2 専業主婦の階層的位置 229
     3 保護撤廃の方向性 232
     4 高齢社会と新たなライフスタイル 251
     注 258

     主婦の階層的位置 259
     1 比較における主婦の位置 259
     2 日本における主婦の位置 260
     3 主婦の保護をはずす方向へ 271
     注 272

    あとがき [273-275]
    文献 [II-III]
    初出一覧 [I]

  • 社会的性差をジェンダーと呼び、性的、生物学的な性差とは別のもの。主婦保護撤廃論など興味深い。

  • 婚姻届に異議あり!に書いてあること、わかる〜〜!と思いながら読んだ。

  • 東大で今めちゃめちゃ人気の瀬地山先生のジェンダー論。2000年初期の段階で、これだけロジカルにジェンダー論じているのが凄い。

    「伝統」を絶対視してジェンダーに関する議論を蔑ろにしたり、形だけで中身のない権利の主張ではダメなんだなあと。

    型にはめてしまうと生きづらい世の中になるし、当事者さえ型にはめようとしているケースすらあるから物の捉えたかには気をつけねば。


    p208
    つまり何をもって性的なものであるかというコードは、ある社会のなかで、ある空間なかで共有されているにすぎなくて、それは時代によって変わりうるようなものなのです。そして何かが性的であるか、が決められていると同時に、何が「正しい性」であるかが決められます。そうすると特定の性欲のあり方が変態として差別されるということが必ず行われる。同性愛にたいする根強い差別は、素朴に性規範を共有しようとすつ圧力がいかに恐ろしいことかを生み出すかを例証しています。

    ジェンダーとは直接関係ないが、↓はすごい印象に残った箇所(p147)

    あなたが「みえ」ではなく「みよん」なのは、きっとそうするとで日本社会の中で在日が抱える問題にずっと敏感になれるから。そしてそのことかを社会の矛盾としてきちんと捉えてほしいから。あなたに三つの国籍を与えたのは、国籍という近代の制度滑稽さを自分の生き方の中で実感してほしいから。そして国境などという狭い枠から、少しでも自由に生きてほしいから。あなた一人が生まれたことでたぶん世界の人口は三人増えたはず。日本と韓国とアメリカにいる三人の「みよん」が力を合わせて、世界に立ち向かっていく様を、これから私はずっと応援しています。

  • 東2法経図・6F開架:KW/2021//K

  • 主婦優遇政策について興味を持った。

    ジェンダーを心や意識の問題とか、女性だけの問題とするんじゃなくて
    社会全体の問題として、具体的な制度と絡めていたのが良い。

    しかし、自由主義w
    ここまではいけないです。

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著者プロフィール

1963年 奈良県生まれ.
[現職]東京大学大学院総合文化研究科助教授.[専門]社会学,ジンダー論,東アジア研究.
『東アジアの家父長制』勁草書房,1996.『フェミニズム・コレクション』Ⅰ~Ⅲ巻(共編著)勁草書房,1993.「よりよい性の商品化へ向けて」『フェミニズムの主張』江原由美子編,勁草書房,1995.「ジェンダー研究の現状と課題」『現代社会学11・ジェンダーの社会学』岩波書店,1995.

「1997年 『原理論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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