「日本人と英語」の社会学 −−なぜ英語教育論は誤解だらけなのか

著者 :
  • 研究社
3.68
  • (7)
  • (5)
  • (7)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 175
感想 : 17
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784327378219

作品紹介・あらすじ

★氾濫する「英語言説」をデータに基づき徹底検証
「日本人は英語下手」「これからの社会人に英語は不可欠」「英語が出来れば収入が増える」は本当か?「日本人と英語」についての様々な通説・俗説を、計量分析の手法を用いて批判的に検証し、英語学習や英語教育の実態を浮き彫りにする。
『「なんで英語やるの?」の戦後史』で英語教育史に新風を吹き込んだ著者による、データに基づいた明晰な英語言説批判。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 日本の英語教育の議論が概して抽象論で、日本社会の実態(≒統計学的に見た日本の平均的な姿)が踏まえられていないことを問題意識として書かれた本。主に2000年代の日本の現状を描こうとしている。以下私が気になったポイントを列挙しているが、どのようなデータに基づいた議論なのかは、本書を参考にされたい。

    ・日本人の英語教育機会格差は存在する
    ・日本人の英語力は、国際比較では、エリート層が比較的できないということであり、労働者階級は平均レベルである
    ・英語はエリート層の国際共通言語である
    ・日本の英語使用者の割合は、比較的多い若年世代でも20%とごく小さい
    ・英語学習者の割合はごく小さいが、主に成人を対象としたデータをベースに述べているので、「親の子への英語教育熱が高いか」は不明
    ・2000年代に仕事で英語を使っていた人々は一割程度と限定的
    ・高学歴&ホワイトカラー&正社員&大企業の社員だと英語の必要性は高くなる
    ・2000年代において、仕事での英語使用のニーズは増加していない
    ・平均的に見れば、英語による収入増の効果は限定的
    ・男女の英語力が同じ場合、男性の方が英語が必要な仕事をあてがわれやすい

  • 日本の英語教育についての批評本。日本人の英語力に関するあらゆる説について統計的に分析している。

    全体に通して言える結論は日本の英語教育は過熱しており、ビジネスの的になりやすいということ。確かにグローバル化が劇的に進むにつれて、英語の必要性は必然的にん高まるが、国によってその必要度合いは違う。発展途上国を筆頭に学問を母語で学ぶことができず、仕方なく英語で代用している国と母語で困ることがほとんどない日本では背景が全く違う。故に日本において英語が堪能であるから「年収が上がる」「学力が上がる」といった相関関係は疑わしい。

  • 著者:寺沢拓敬(社会言語学・応用言語学・英語教育史)
    『「なんで英語やるの?」の戦後史』(研究社、2014年)もチェケラ。
    装丁:常松靖史[TUNE]


    【目次】
    まえがき(2014年12月吉日 寺沢拓敬) [iii-vi]
    目次 [vii-x]
    図表一覧 [xi-xiv]

    序章 はじめに 001
    「日本人」と英語の関係を探る意義 002
    社会統計分析という方法 004
    分析の基本方針 007
    使用データ 008
    用語に関する注記 010
    統計分析に関する注記 012
    本書の構成 014

    ◆第I部 英語力・英語使用◆
    第1章 英語力――「日本人英語話者」とはどのような人か? 020
    1.1 JGSSの英語力設問 020
    1.2 WPS-2000の英語力設問 023
    1.3 「日本人英語話者」の特徴(1)――政治意識 027
    1.4 「日本人英語話者」の特徴(2)――情報への接触 030
    1.5 まとめ 030
    補節 自己評価型設問の使用について 032

    第2章 教育機会――英語話者になれたのはどのような人か? 034
    2.1 英語力の獲得機会 036
    2.2 データ 038
    2.3 英語ができる人の割合、その推移 039
    2.4 英語教育機会のメカニズム 043
    2.5 まとめ 046
    補節 東アジア4地域の場合 049

    第3章 英語力の国際比較――「日本人」は世界一の英語下手か? 054
    3.1 「日本人は英語下手」言説 055
    3.2 データ 059
    3.3 各国の英語力保持者 061
    3.4 年齢構成による差 062
    3.5 教育レベル・職業階層・裕福さ 066
    3.6 「恵まれた」人々の英語力 068
    3.7 TOEFLスコアは実態をとらえているか 070
    3.8 まとめ 072

    第4章 英語使用――どんな人が英語を使っているか? 076
    4.1 英語使用の必要性と英語教育論 077
    4.2 データ 079
    4.3 英語使用と世代 081
    4.4 英語使用とジェンダー 084
    4.5 まとめ 092
    補節 英語使用の必要性から見た英語教育政策論 094

    ◆第II部 語学◆

    第5章 英語学習熱――「語学ブーム」は実際どれだけのものなのか? 100
    5.1 英語学習者の規模 102
    5.2 「女性は英語好き」 言説 104
    5.3 英語学習目的 110
    5.4 他の文化活動との比較 115
    5.5 まとめ 118

    第6章 英語学習者数の推移――どれだけの人が英語を学んできたか? 120
    6.1 英語ブームは昔からあった 120
    6.2 データ 124
    6.3 英語学習者数の推移 126
    6.4 ジェンダーとの対応関係 130
    6.5 どのような女性が英語を学んだか? 133
    6.6 まとめ 136

    第7章 英語以外の外国語の学習に対する態度 137
    7.1 「日本=多言語社会」に対する「日本人」の態度 
    7.2 「あなたは何語を学ぶことに興味がありますか」 
    7.3 基本属性との連関 142
    7.4 外国人との接触 147
    7.5 英語使用・英語学習との関係 152
    7.6 まとめ 155

    ◆第III部 仕事◆

    第8章 必要性(1)――「これからの社会人に英語は不可欠」 は本当か? 158
    8.1 データ 160
    8.2 仕事での英語使用 161
    8.3 英語の必要感 164
    8.4 英語の有用感 166
    8.5 職種・産業との関係 167
    8.6 その他の就労者属性との関係 171
    8.7 まとめ――仕事での英語の必要性 175

    第9章 必要性(2)――英語ニーズは本当に増加しているのか? 178
    9.1 現在の英語使用:2002 → 2008 180
    9.2 過去1年の英語使用:2006 → 2010 181
    9.3 英語使用減少の背景 183
    9.4 まとめ 188

    第10章 賃金――英語ができると収入が増えるのか? 191
    10.1 人的資本としての英語力 192
    10.2 英語力と賃金――2000年、都市部常勤職者の場 195
    10.3 英語力と賃金――2010年、全就労者の場合 198
    10.4 まとめ 201

    第11章 職業機会――英語力はどれだけ「武器」になるのか? 205
    11.1 日本の仕事現場の不平等要因 206
    11.2 英語が必要な業務への配属における男女差 207
    11.3 まとめ 210

    ◆第IV部 早期英語教育◆

    第12章 早期英語教育熱――小学校英語に賛成しているのは誰か? 214
    12.1 小学校英語を支持する世論、3つのタイプ 217
    12.2 「英語教育はいつから始めるのがよいですか?」 220
    12.3 早期英語志向に影響を与える要因 222
    12.4 まとめ 227

    第13章 早期英語学習の効果――早期英語経験者のその後は? 230
    13.1 先行研究 232
    13.2 データ 234
    13.3 早期英語学習経験の効果 236
    13.4 まとめ 240

    終章 データ分析に基づいた英語言説批判 245
    データから見た日本の英語教育政策の問題 247
    英語教育研究と社会科学 251
    「日本人と英語」という思考様式をめぐる誤謬 255
    結び――適確な実態把握、正しい未来像 259

    初出一覧 [261-262]
    文献 [263-279]
    索引 [280-284]



    【目次】
    まえがき(2014年12月吉日 寺沢拓敬) [iii-vi]
    目次 [vii-x]
    図表一覧 [xi-xiv]


    序章 はじめに 001
      データ分析による英語言説の検証
      社会統計
    「日本人」と英語の関係を探る意義 002
    社会統計分析という方法 004
      先行研究の問題点
      ランダム抽出の意義
      社会調査の2次分析
    分析の基本方針 007
      社会階層という視点
      探索的な計量分析
    使用データ 008
      日本版総合的社会調査(JGSS-2002,JGSS-2003,JGSS-2006,JGSS-2010)
      ワーキングパーソン調査(WPS-2000,WPS-2008)
      社会階層と社会移動全国調査(SSM-2005)
      アジア・ヨーロッパ調査(ASES-2000)
    用語に関する注記 010
      基本属性
      「日本人」
    統計分析に関する注記 012
      統計的有意
      原因変数・結果変数
      ソフトウェア
    本書の構成 014


    ◆第I部 英語力・英語使用◆
    第1章 英語力――「日本人英語話者」とはどのような人か? 020
    1.1 JGSSの英語力設問 020
      基本属性「英語ができる人」の割合
    1.2 WPS-2000の英語力設問 023
      基本属性別
    1.3 「日本人英語話者」の特徴(1)――政治意識 027
    1.4 「日本人英語話者」の特徴(2)――情報への接触 030
    1.5 まとめ 030
    補節 自己評価型設問の使用について 032


    第2章 教育機会――英語話者になれたのはどのような人か? 034
      英語達人たちの英語習得機会
      英語達人は士族ばかり?
      戦後の教育機会の開放
    2.1 英語力の獲得機会 036
      格差研究の手法
      教育格差に関する先行研究
      各世代の特徴
    2.2 データ 038
    2.3 英語ができる人の割合、その推移 039
    2.4 英語教育機会のメカニズム 043
    2.5 まとめ 046
      戦前と戦後の連続性
      語学における「努力」の意味
    補節 東アジア4地域の場合 049
      分析方法・変数
      分析結果
      


    第3章 英語力の国際比較――「日本人」は世界一の英語下手か? 054
      「アジアで英語をしゃべれないのは日本人だけ」
    3.1 「日本人は英語下手」言説 055
      「わが国の人々は外国語が得意だ」
      TOEFL・TOEICの国別スコア
    3.2 データ 059
      英語力設問
    3.3 各国の英語力保持者 061
    3.4 年齢構成による差 062
    3.5 教育レベル・職業階層・裕福さ 066
    3.6 「恵まれた」人々の英語力 068
      「日本人は英語下手」イメージの形成される文脈
    3.7 TOEFLスコアは実態をとらえているか 070
    3.8 まとめ 072
      「世界語」の真の意味


    第4章 英語使用――どんな人が英語を使っているか? 076
    4.1 英語使用の必要性と英語教育論 077
    4.2 データ 079
    4.3 英語使用と世代 081
    4.4 英語使用とジェンダー 084
      就労者サンプルの分析
    4.5 まとめ 092
    補節 英語使用の必要性から見た英語教育政策論 094
      日本の英語教育目的論における「必要性」という制約


    ◆第II部 語学◆

    第5章 英語学習熱――「語学ブーム」は実際どれだけのものなのか? 100
      「英語ブームを叱る!」
    5.1 英語学習者の規模 102
    5.2 「女性は英語好き」 言説 104
      英語学習・学習意欲のジェンダー差
      他の変数による相殺?
    5.3 英語学習目的 110
    5.4 他の文化活動との比較 115
      「女性は語学好き」言説の妥当性
    5.5 まとめ 118


    第6章 英語学習者数の推移――どれだけの人が英語を学んできたか? 120
    6.1 英語ブームは昔からあった 120
      英語と女性の戦後史
    6.2 データ 124
    6.3 英語学習者数の推移 126
    6.4 ジェンダーとの対応関係 130
      外国語学習とジェンダー・世代・学歴
    6.5 どのような女性が英語を学んだか? 133
    6.6 まとめ 136


    第7章 英語以外の外国語の学習に対する態度 137
      日本は単一言語の国【ではない】
    7.1 「日本=多言語社会」に対する「日本人」の態度 138
      先行研究
    7.2 「あなたは何語を学ぶことに興味がありますか」 140
    7.3 基本属性との連関 142
      属性別の言語選択パタン
      対応分析
    7.4 外国人との接触 147
      接触頻度別「関心のある外国語」
      外国人との接触は外国語学習への関心を生むか
    7.5 英語使用・英語学習との関係 152
      英語関連の設問
      英語に関する行動・態度・能力は、英語以外の外国語への関心を生むか
    7.6 まとめ 155


    ◆第III部 仕事◆

    第8章 必要性(1)――「これからの社会人に英語は不可欠」 は本当か? 158
      「日本人」の9割に英語はいらない?
    8.1 データ 160
    8.2 仕事での英語使用 161
    8.3 英語の必要感 164
    8.4 英語の有用感 166
    8.5 職種・産業との関係 167
      職種
      産業
    8.6 その他の就労者属性との関係 171
      産業・企業規模
    8.7 まとめ――仕事での英語の必要性 175


    第9章 必要性(2)――英語ニーズは本当に増加しているのか? 178
      「英語の必要性が増えている」?
      「推移」を分析可能なデータ
    9.1 現在の英語使用:2002 → 2008 180
    9.2 過去1年の英語使用:2006 → 2010 181
      2010年に英語使用は減少
    9.3 英語使用減少の背景 183
      基本属性別
      産業別
      企業規模別
      グローバル化で英語の使用は減る
    9.4 まとめ 188
      今後の英語ニーズのゆくえ
      「英語使用ニーズ増加」言説のイデオロギー的機能


    第10章 賃金――英語ができると収入が増えるのか? 191
      英語力と賃金
    10.1 人的資本としての英語力 192
      ラテン語ができると収入が増える?
      「人的資本」の取り出し方
      「英語力はあるが必要ではない人」
    10.2 英語力と賃金――2000年、都市部常勤職者の場 195
      変数
      年収の規定要因
    10.3 英語力と賃金――2010年、全就労者の場合 198
      変数
      時間給の規定要因
    10.4 まとめ 201


    第11章 職業機会――英語力はどれだけ「武器」になるのか? 205
      「武器」としての英語
    11.1 日本の仕事現場の不平等要因 206
    11.2 英語が必要な業務への配属における男女差 207
      「英語力があれば英語が必要な仕事につけるのか?」
      データ
      分析結果
    11.3 まとめ 210


    ◆第IV部 早期英語教育◆

    第12章 早期英語教育熱――小学校英語に賛成しているのは誰か? 214
      2011年、小学校英語必修化
      小学校英語の背景
      小学校英語と世論
    12.1 小学校英語を支持する世論、3つのタイプ 217
      公教育の質向上への期待
      英語力への自信のなさ
      仕事における英語の重要性に対する認識
    12.2 「英語教育はいつから始めるのがよいですか?」 220
    12.3 早期英語志向に影響を与える要因 222
      分析に用いる変数
      分析結果
      英語力と早期英語教育志向
      仕事での英語の重要性と早期英語教育志向
    12.4 まとめ 227


    第13章 早期英語学習の効果――早期英語経験者のその後は? 230
    13.1 先行研究 232
      第2言語習得研究
      「日本人」児童の追跡調査研究
    13.2 データ 234
    13.3 早期英語学習経験の効果 236
      傾向スコアによる共変量調整
      どのような人が早期英語を経験しやすかったのか
      早期英語学習経験の因果効果
    13.4 まとめ 240
      早期英語教育プログラムの効果?
      言語習得上の効果?
      今後の課題


    終章 データ分析に基づいた英語言説批判 245
      各章のまとめ
    データから見た日本の英語教育政策の問題 247
      社会の英語ニーズをめぐって
      歴史的に見れば「英語のニーズは多い」はごく最近の言説
      「ニーズの低さ」を黙殺する現代
    英語教育研究と社会科学 251
      社会科学的視点が重要な理由
      社会科学的視点の取り入れ方
      データの整備
    「日本人と英語」という思考様式をめぐる誤謬 255
      なぜ英語熱や英語ニーズは過大に見積もられるのか
      「日本人」論的な思考様式
      「日本人と英語」をめぐる誤謬に陥らないために
    結び――適確な実態把握、正しい未来像 259


    初出一覧 [261-262]
    文献 [263-279]
    索引 [280-284]


    【図・表一覧】
    表序-1 ライフスタイル変数のコーディング
    表序-2 使用データ(調査)の概要
    表序-3 基本属性の記述統計 17

    表1.1 英会話力設問(JGSS) 22
    表1.2 英語読解力設問(JGSS) 22
    図1.1 基本属性別「英語ができる人」の割合 23
    表1.3 WPS-2000英語力設問の選択肢 24
    図1.2 WPS-2000英語力の分布 24
    表1.4 基本属性別・WPS-2000英語力 26
    表1.5 政治意識 29
    表1.6 情報への接触 31

    表2.1 機会格差の考え方 36
    表2.2 分析に使用する変数 38
    表2.3 各世代の特徴 39
    表2.4 「英会話力あり」の割合の推移 40
    表2.5 「英語読解力あり」の割合の推移 41
    図2.1 英会話力の推移(前後2年で平滑化した割合) 42
    図2.2 出身階層・英語力・本人の学力/学歴 43
    図2.3 格差の推移 45
    図2.4 格差の推移(ジェンダー) 46
    図2.5 対照的な社会背景を持つ2人 47
    図2.6 父教育年数の英語力への影響 52
    表2.6 父教育年数の英語力への影響(回帰分析) 53

    表3.1 「わが国の人々は外国語が得意だ」に対する同意度 56
    図3.1 国別TOEFLスコア 58
    表3.2 再コード方法 60
    図3.2 英語力保持者の割合 61
    表3.3 年齢と「英語力あり」の人の割合 63
    図3.3 平均年齢を40歳とした場合の英語力 64
    図3.4 年齢別・英語ができる人(IIa +IIb)(前後2歳で平滑化) 65
    図3.5 分析モデル 66
    図3.6 英語力の規定要因 67
    表3.4 社会要因別に見た日本の英語力と順位 68
    図3.7 TOEFLスコアの説明力 71
    表3.5 英語力の規定要因(国別) 75

    図4.1 英語使用者の割合(JGSS-2002/2003) 80
    図4.2 過去1年間の英語使用経験者の割合(JGSS-2006/2010) 81
    図4.3 世代別・英語使用者(JGSS-2002/2003) 82
    図4.4 世代別・過去1年間の英語使用経験者(JGSS-2006/2010) 83
    図4.5 ジェンダー別・英語使用者の割合 85
    表4.1 現在の英語使用、ジェンダー·基本属性別(JGSS-2002/2003) 86
    表4.2 過去1年の英語使用、ジェンダー・基本属性別(JGSS-2006/2010) 87
    図4.6 英語使用の対応分析 88
    表4.3 就労者の英語使用(上段:JGSS-2002/2003,下段:JGSS-2006/2010) 90
    図4.7 英語使用の対応分析(就労者) 91
    図4.8 英語教育目的におけるトリレンマ 94

    図5.1 英語学習意欲(JGSS-2003/2006) 102
    図5.2 英語力の有用感(JGSS-2010) 104
    図5.3 語学・学習意欲のジェンダー差 106
    図5.4 英語学習意欲の分布・属性別(JGSS-2003/2006) 107
    表5.1 学習意欲の規定要因 109
    表5.2 学習目的(JGSS-2003) 111
    表5.5 学習目的のジェンダー差 111
    図5.6 学習目的の対応分析(ジェンダー×世代) 113
    図5.7 学習目的の対応分析(ジェンダー×ライフスタイル) 114
    図5.8 「過去5,6年に行った活動」(SSM-2005) 116
    図5.9 「過去5,6年に経験した文化活動」(SSM-2005)の対応分析 117

    表6.1 英語・外国語関係の設問を含む世論調査(戦後) 125
    表6.2 外国語学習をしている人の割合 127
    表6.3 外国語学習の予定・意欲がある人の割合 128
    図6.1 若年層の外国語学習・意欲 129
    図6.2 「この1年間に学習したこと」(1981年)の対応分析 132
    図6.3 「現在の学習活動」(1972年、女性)の対応分析 135

    図7.1 「英語以外の外国語の学習に対する関心」設問 141
    表7.1 興味のある言語と基本属性の関係 143
    図7.2 対応分析(関心のある外国語×基本属性) 145
    図7.3 外国人との接触頻度別 148
    表7.2 外国人接触の影響 151
    表7.3 英語関連の変数との連関 153
    表7.4 英語使用・英語力・英語学習意欲の影響 154

    表8.1 検討対象の変数 160
    図8.1 英語使用者の割合 162
    図8.2 世代別・英語使用者の割合 163
    図8.3 WPS-2000「英語の必要感」 164
    図8.4 世代別・英語必要感 165
    図8.5 JGSS-2010「仕事での英語の有用感」 166
    図8.6 世代別・英語有用感 167
    図8.7 WPS-2000:職種別 169
    図8.8 WPS-2000:産業別 170
    図8.9 産業別の英語ニーズ 173
    図8.10 企業規模(従業員規模)別の英語ニーズ 174
    表8.2 英語の必要感の規定要因 177

    図9.1 英語使用者数の推移2002-2008(首都圏の20歳〜59歳の就労者) 180
    図9.2 英語使用者数の推移(2006 → 2010) 182
    図9.3 英語使用者数の推移(世代別・ジェンダー別) 184
    図9.4 英語使用者数の推移(産業別) 185
    図9.5 英語使用者数の推移(企業規模別) 186
    図9.6 金融危機のグローバル化と英語使用の減少 187
    表9.1 近年の出入国者数・貿易額 189

    図10.1 擬似相関と人的資本としての効果 193
    図10.2 賃金と英語力の関係 195
    表10.1 必要性×英会話力(WPS-2000) 196
    図10.3 英語力の人的資本としての効果(基準:「不要・日常会話ができる」) 197
    図10.4 英語力の人的資本としての効果(基準:「不要・仕事上の交渉or通訳ができる」) 198
    表10.2 必要性×英語力(JGSS-2010) 199
    図10.5 英語力の人的資本としての効果(JGSS- 010)  200
    表10.3 正社員・正職員の年収額(百万円、対数値)の規定要因(WPS-2000) 203
    表10.4 1時間当たりの収入額(千円、対数値)の規定要因(JGSS-2010) 204
    図11.1 関連のパタン 207
    図11.2 英語力別「英語が必要な仕事」従事者 209
    表11.1 「英語が必要な仕事に従事」の規定要因 211

    表12.1 小学校英語に関する世論調査 217
    図12.1 学校英語教育の開始時期に関する意見 220
    表12.2 基本属性別・英語教育開始時期への意見 221
    表12.3 分析に用いる変数 222
    図12.2 「希望する英語教育の開始時期」の規定要因 224
    図12.3 英語力と早期英語志向の関係 225
    表12.4 「希望する英語教育の開始時期」の規定要因(多項ロジスティック回帰) 229

    表13.1 早期英語学習経験の規定要因 237
    表13.2 英語力の規定要因(ロジスティック回帰) 238
    図13.1 早期英語学習経験の因果効果(共変量調整後) 239
    図13.2 早期英語経験の影響プロセス(その1) 241
    図13.3 早期英語経験の影響プロセス(その2) 242

  • 岡野幸夫先生 おすすめ
    50【専門】830.7-T

    ★ブックリストのコメント
    「日本人と英語」に関するさまざまな言説を、データ分析により検証した本。その結果「これからの社会人に英語は不可欠」「日本人は世界で一番の英語下手」など、根拠のない「都市伝説」を多数解明。「傾向と対策」を述べる。

  • データにもとづいて、日本人と英語に関する夢のない事実を明らかにしている。
    ・高度の英語能力を持った日本人はごく一部しかいない。
    ・英語教育を受けられるか否かは、出身階層によって大きく左右される。
    ・日本人は、全体として、世界的に見て英語力が低いのは事実だが、最低とか、突出して低いということはない。しかし、他国では、高階層の人は英語ができ、低階層の人は英語ができないという格差が大きいが、日本人は、低階層の人でもそれなりに英語がわかるのに、高階層の人でもそれほど英語ができないという格差の乏しさが、日本人の英語ベタを目立たせる結果となっている。
    ・現実に、英語を使っている日本人はごくわずか。
    ・英語学習熱のある人もごくわずか。
    ・英語を使用する必要にかられている人もごくわずか。この本の使っているデータの時点(2000年から2010年)でみると、グローバル化によって英語の必要性が高まっているという事実は見られない。
    ・英語ができると所得が高くなるという傾向も、あまり見られない。
    ・相対的に見て、女性が仕事で英語を使う機会は男性より少ない。
    ・早期英語教育熱は、公教育向上に対する期待、英語の有用性の認知などに支えられている。
    ・早期英語教育を受けた人は、そうでない人よりも英語ができるようになる確率が高い。しかし、小学校での早期英語教育の効果の有無は、未検証。

  • 2017/04/28 再観測

  • 英語

  • 英語に関するイメージ的な言説(英語が話せれば収入が上がるとか、就職の幅が広がるとか)は広く流通しているが、実際には日本社会ではそれほど英語が必要とはされていない。特に女性は仕事に結びついていない。早期英語教育によって英語能力は多少上がるが、それが何?という話。
     2010年までの社会調査データに基づいているので、その後に急増したアジア圏からの旅行者対応などを考えると、接客などで多少でも英語を使う人は増えているかもしれない。「これまでの教育に基づく現在の状況」を分析したものであり、これからどうなるかという議論ではない。とはいえ早期教育や大学における英語オンリー教育などを積極的に導入しなければならないほど英語が求められているかというと、実際にはそうでもないのではないか。むしろエリート層こそ英語能力が求められる。

  • 日本人の英語力は本当に低いのかなど、日本人の英語にまつわる命題を世論調査の結果に基づいて定量的(=統計的)に検証した本。

    例えば、「英語ができる人は年収が高い」という命題は、親の年収とか学習年数等他の条件が同等で、英語だけできる/できないという条件で比較すると、否定されるらしい。

    結論だけ知りたいのであれば、最終章だけで事足りる。

  • 膨大な統計資料をRで分析し、英語に関する俗説をことごとく痛快に論破している.このような社会学的アプローチは政策立案者にとって非常に重要であるのもかかわらず、俗説をペースにことを進めている大ばか者が多い.文部科学省がその典型だ.反省すべきだ.Rを勉強中なので多くの事例があり参考になった.

全17件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

寺沢拓敬(てらさわ・たくのり)
[関西学院大学准教授]

「2021年 『英語教育のエビデンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

寺沢拓敬の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×