文字の歴史: ヒエログリフから未来の「世界文字」まで

  • 研究社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784327401412

感想・レビュー・書評

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  • 楔形文字やヒエログリフのような有名どころから、アジア、南米のマイナーな言語/文字体系まで、およそ古今東西の文字として書かれたものについて網羅的に解説しようとした本。
    表語、表意、表音節、表音(子音単音、または組み合わせ、母音)などの文字の話、歴史的な変化から、書体(ローマンとかゴシックとかサンセリフみたいなフォント)の話、書き言葉と話し言葉の乖離まで、あらゆる「書くこと」に関する説明を詰め込んでいる。(原題は’A History of Writing’)
    話題が多岐にわるため、個々のテーマについての掘り下げは少ない。百科事典を端から全部読むような感じ。これを読んで、ふんふんって全部すんなりわかる人居るのかな。
    こっちは、表語、表音節入り乱れて、しかも表音節文字は二種類を文脈によって使い分ける(平仮名/カタカナ)、世界一複雑な日本語を使っている優位があっても、結構読むのが困難なのに、普通レベルの教養しかない英米人には絶対理解不能でしょう。
    子音系の表音文字は、他言語に取り入れられやすい(元々、その文字が作られた際に表現していた言語を超えて、他の言語を表記するために借用されやすい)ため、普及しやすい(例えばローマのアルファベット)ことを指摘する一方で、そのような効率的な表記を目指して文字が「発達」するという言い方は避けている。
    斜め読みでもしんどい。

  • 網羅的で意欲的だが、テクニカルな説明と重要な推論、結論がごっちゃになっていて意図を把握しづらい。特に古代言語は最新研究ではどこまで解読できているのか、知のアップデートができなかったのが惜しい。
    日本語の特異性と素晴らしさが外から分析されるのは嬉しい。ローマ字化とかアホな施策は今後もやめてほしい。

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