「なんで英語やるの?」の戦後史 ——《国民教育》としての英語、その伝統の成立過程

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著者 : 寺沢拓敬
  • 研究社 (2014年2月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784327410889

「なんで英語やるの?」の戦後史 ——《国民教育》としての英語、その伝統の成立過程の感想・レビュー・書評

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  • 日本の教育で英語が扱われるのが当然とされるに至る過程と、要因を細かく分析した本です。ある用語の指す内容が意識的・無意識的にずらされていった経緯を描く、歴史学的研究としての面白さがあります。
    博士論文を元に大幅改稿して出版されたそうで、元の論文からの変更点が気になる。
    終章あたりで筆者自身も書いていますが、「なんで英語やるの?」という問いへの答えを書いた本ではありません。しかし、この本で描かれる、英語教育に携わってきた人たちの歴史は、その問いへの答えを立てるための基礎として踏まえられるべきものだと思います。

  • 書店にて購入(大学は早く入荷してください)。基本的に名著。こんな研究を待っていた!!業界関係者は必読の一冊となること間違いなし、が予想される。 内容については触れないで、ぼかしたレビューを書きます。基本的には大絶賛で、日本における英語教育研究史において、重要な意義ある節目を位置づける研究となることでしょう。この研究テーマを、博論、そして著書という形にまで昇華させた著者に敬意あるのみですほんま。調査の内容に関しても、著者のバックグラウンドが存分に活かされており、そこがオリジナリティとなっています(詳しくはくまなく読み込めばわかります)。よいアプローチです(バックグラウンドを活かすことのできる研究者であることは、それも含めて研究者の限界が決定されてしまうところがあるため、素質をよく活かすことができているかどうかの判断基準となってしまうので覚えておくといいですよ。素質とは、生まれだとか、学問的背景とか、育ってきた環境なども含みます。この定義が理解できない人は、研究者に対する絶対的な観察が足りないので、研究は諦めた方がいいかもしれません…)。但し、謎であるのは著者紹介の記述であろう。著者の専門は「応用言語学(applied linguistics)」と書かれているが、本書の内容に関しては、応用言語学と呼ばれるものではない。応用言語学は言語学の応用であって、本書は言語学も、その応用も関係がないのでこの記述は完璧に誤りです(追記・注:「後書き」を見ると、修士時代に専門とされていたことが記述されている。たいへん失礼しました)。
    このような研究は、英語教育系の大規模学会の射程範囲外となっているのが、現代の日本における英語教育系の学閥をめぐる切実な問題点である(テーマ的に、査読は通りやすいと思います。その点で、学会発表はしやすいはず)。英語を教えることが専門の教員達によって構成される、それらの学会では本書の意義、その研究文脈における適切な評価が果たしてできるのであろうか。答えは「否」であり、英語教育・言語学系の人間が積極的に本書を批判・批評等を行うのは、果たしてバックグラウンド的にできるのであろうか、というのが甚だ疑問である(ただし、評価したがる人が多いであろうという認識をしています。統計を取っていないので定かではありません、要調査。そこまで調査する意義があるかどうかは疑問)。実際に英語教員として教壇に立っている教員(「内から」実務にあたる人々)と、このように英語教育という制度面の研究から分析を行って警笛を鳴らすことのできるような「外から」のアプローチが協同して、構造的な英語教育の問題に携わっていくことができればいいなと切に願っています(ちなみにレビュー者は内側の人間です…!)。ここで書いたような、真の「学際性」なるものが実現されて、やれ「小学校から英語を教えるべき」「TOEFLをみんなで受験しよう!」「日本人が英語で英語を教えるべき(文法訳読は絶対悪)」「イマージョン教育は有効」だの、都市伝説だか事実だか分からない言説が暴力的に振りかざされている世の中が少しでもよくなればいいなと思います。
    このような貴重な意義ある研究をやっている若手を適切に評価し、適切な人員配置できる大学があることを切実に望んでいます。頼むぜまじで。
    そんなわけでレビュー者も触発されたので、とっとと声が届くように、頑張ろうと思います…!!!いつか一緒にお仕事できたらいいな(そのためには自分が頑張りましょう>自分へ)。これレビューじゃなくて単なる日記のような気がしてきた。消そうかな…

  • おもしろかった。勉強になった。書いたのは僕なんだけど。

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「なんで英語やるの?」の戦後史 ——《国民教育》としての英語、その伝統の成立過程の作品紹介

教育社会学的手法による斬新な英語教育論

2002年まで「英語」という教科は必修教科ではなく、必要に応じて履修すればよい選択科目であった。それにもかかわらず、英語は事実上の必修教科として扱われてきた。一体なぜそういう現象が起きたのかを検証しながら、国民教育としての英語教育の成立過程を分析する。
「なんで英語やるの?」を問い続けてきた日本の戦後史を教育社会学的手法によって浮き彫りにして、改めて国民教育としての英語教育の存在理由を問い直す。まったく新しいスタイルの英語教育論の登場!

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