オバマに学べ!英文法

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  • 研究社
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  • Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784327452223

作品紹介・あらすじ

河合塾がほこるカリスマ講師がオバマ大統領就任演説をくわしく解説、オバマ演説の価値を何倍にも高めた学習者待望の英語学習書。

感想・レビュー・書評

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  •  オバマが初めて大統領になった2009年に行われた就任演説を、高校の訳読の授業風に1文ずつ、単語と文法を解説したもの。著者は河合塾の先生。3分の2くらいが演説の解説で、後の3分の1で大学受験の基礎的な文法、語法をざっとまとめたものと、「重要短文集」として82の英文が暗記例文として載っている。暗記例文はオバマの演説と直接関係があるものではない。
     はしがきには「単に文法的に解説するだけでなく、語彙や文化的背景にもじゅうぶん配慮し、最高の英語素材を使った最高の英語学習書」(p.iii)とあるが、「最高の英語素材」は合っているとしても、あとは普通の、高校の先生だったらそれくらいのことは解説するだろうという内容で、並の英語学習書の域は出ていない。後の文法説明と重要短文集は、大学受験英文法のド定番を軽くサラッただけのあまりにお粗末すぎる内容で、随所に社会人を意識してか、「TOEIC等の資格試験でも重要です」のように取ってつけたように書くあたりも、やっつけ仕事ですかという感じがする。どうせなら覚えるべき短文集だってオバマの演説からシンプルにしたものを載せるとか、そういう工夫が欲しい。
     おそらく、オバマの演説をそれなりに読める人ならば「目的格関係代名詞のwhichが省略されており云々」とか、「beingの省略された過去分詞の分詞構文で云々」とか言われなくても分かるだろうし、この演説を読めない人は、おそらくそういう説明されてもチンプンカンプンな人だろうと思う。という訳で、この本の適切な読者は現役の受験生、過去に受験をしっかりやって英文法嫌いじゃない人、何らかの理由でオバマの演説を読む必要がある人、くらいじゃないだろうか。
     そして英語を教えているおれも、この英文にはandが何と何を結んでいるか、とかここが省略されている、とか精読のスキルアップに欠かせない要素がたくさん含まれていることが分かり、高2くらいで使える教材じゃないかなと思えた点は有益だった。「先行詞明示のthose」なんて、実際の英文で使われているのを見るのもあんまりないんじゃないかと思い、自分の経験値不足を感じた。(16/08/28)

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著者プロフィール

島田浩史(しまだ・ひろし)
河合塾英語科講師。大阪大学歯学部卒。河合塾での対面授業、河合塾マナビスでの映像授業だけでなく、文法テキストチーフや早慶大テキストチーフを歴任し、教材や模試作成、さらにはE-learningやAI教材の研究開発にも精力的に関わっている。『パラグラフリーディングのストラテジー』(河合出版・共著)、『Dual Effect英文法・語法』(河合出版・共著)など著書も多岐にわたり、『全国入試問題正解』(旺文社)の執筆も長年勤めている。

「2023年 『<大学入試> 英単語 最前線2500』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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