英単語学習の科学

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  • 研究社
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  • Amazon.co.jp ・本 (156ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784327452896

作品紹介・あらすじ

効果的な英単語学習を徹底解説!
「単語帳で暗記しても実用英語には活用できない」「単語集ではなく文脈で覚えることこそ正しい」「忘れる前に復習しないと覚えられない」「選択問題をやっても語彙学習には役に立たない」などなど、ちまたにはびこる間違った「常識」をばっさり斬って、本当に効果的な英単語学習法・教授法をとことん解説。最新の第二言語習得研究の成果を紹介しながら、本当に役立つ英単語の覚え方を考察。多くの英語学習者・英語教師が待ち望んでいた英単語学習法のエッセンス集。

感想・レビュー・書評

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  • 単語カードアプリってやっぱり良いんだ

  • 英単語を覚え方を効率的にできそう。

  • おすすめ資料 第555回 語彙がなければ、何も伝わらない(2023.06.02)

    第二言語学習者として、
    あらためて語彙知識の大切さをかみしめるているところに、
    この本に出合いました。

    覚えるための仕組みについて知るのは、
    純粋に面白いです。

    自分に合った方法をみつける手がかりになるといいな、
    と思います。


    【神戸市外国語大学 図書館蔵書検索システム(所蔵詳細)へ】
    https://library.kobe-cufs.ac.jp/opac/opac_link/bibid/BK00281023

    【神戸市外国語大学 図書館Twitterページへ】
    https://twitter.com/KCUFS_lib/status/1665588005266964481

  • 【資料ID】97210270
    【請求記号】834/N
    【OPAC URL】https://opac2.lib.oit.ac.jp/webopac/BB50163306

    中学時代から高校、または大学と英単語学習には慣れ親しんだ方がほとんどだと思います。
    ルーズリーフにまとめてみたり単語帳1冊をぼろぼろになるまで使用したり、単語カードを電車の中でめくったり、きっと自分に向いた学習方法で各々勉強されてきたことでしょう。
    単語だけでは頭に入らないから例文も書き写してみたり、何度も同じ単語を覚えるまで書いたり、でもそれは本当に英単語学習で効果のあるやり方なのか・・・。

    今はYoutubeなどの動画でもわたしはこうやって学習しまして合格しました!などの
    学習ノウハウを伝える媒体も多いですが、科学的に研究され、エビデンスに基づいた最新の学習方法とは?

    もうずっと同じやり方で覚えてきたから、という方もいつも勉強はしてるはずなのに頭に入っていない覚えられていない、本当にこの学習方法で合っているのかもやもやしている、という方は「間違っていなかった」と感じるか「このやり方に新しく変えてみよう」となるか、手に取って読んでみられるのも面白いかもしれません。

  • ・単語の「コアミーニング」を掴む
    ・推測して意味を学ぶより、暗記して学ぶ方が学習効果は高い(8倍の差)
    ・付随的学習効果の高め方…同じテキストを何度も読む(目安として12回以上)or narrow reading / narrow viewing

    どうしても単語帳を片っ端から覚えるよう指示しがち。ばーっと流すんじゃなくて、1個ずつコアミーニング、語源、それ付随して派生語も扱うやり方を取り入れるのもありかも。「同じテキストを何度も読む」は自分にも使える。音読効果と併せて謳っていきたいところ。

  • とりあえず「多読よりも単語帳の方が有効」ということはわかった。

  • 第一章:英単語を覚えるとは?
    英単語を覚える=英単語の和訳を覚える・・?ではない。最も重要な最初の一歩。
    他に「発音・品詞・語法・活用・派生型・熟語」等覚えることはたくさんある。
    Barcroftによると
    1.Word Form:語形 (スペリングや発音)
    2.単語の意味
    3.語形と意味を結びつけること
    の3つのプロセスを通じて行われる。母国語話者は3において、0から意味を知るが、第二言語学習者は母国語の概念と結びつけることができるので早い。ただしずれがあるので、意味的発達プロセス(用例に接したり明示的な説明を受けること)を経てマッピングがより精緻に行われる。
    意味的発達プロセスをより容易に行うにあたり、コアミーニングの活用がある。Drawのコアミーニングを概念で理解することで20以上の用法の細部にとらわれなくてすむ。
    https://ejje.weblio.jp/content/Draw

    第二章:覚えるべき英単語の見分け方
    単語は頻度に差があるため、高頻度語から学習するのがベスト
    高頻度語:1000~3000語 カバー率94~5%
    中頻度語:4000~9000語 カバー率3~4%
    低頻度語:10000語 カバー率2%
    ・中頻度~低頻度後の学習
    ①単語カード
    研究結果から12回ぐらい出逢えば覚えられると言われているが、そうなると中頻度語や低頻度語にその回数で合うためには莫大な文章量が必要なため、無理。意識的な習得が必要である
    ②語源推測
    ラテン語ギリシア語期限の英単語学習で効果的。中頻度語の66%はラテン・ギリシア起源のため効率的。
    ・便利なサイト一覧
    -自分の語彙を調べる(https://my.vocabularysize.com/
    -日本人向けの難易度を調べる(http://someya-net.com/wlc/index_J.html
    ※アルクの標準語彙水準SVL1200が参照可能

    第三章:語彙の意図的学習と付随的学習
    ・意図的学習(単語アプリなど)
    ・付随的学習(本を読みながら覚える)
    ⇒ネイティブは付随的学習のみで行くが、SLAは無理。研究結果としては意図的学習のみが一番効果的で、文脈から覚えましょう的なものは効果がないことが判明。
    付随学習は未知語よりも既知語に適しており、解釈を広げる時に有効。

    第4章:付随的学習を促進する方法
    既知語が十分ある文脈なら効果があるという研究もあるため、既知語レベルごとに分けられたテキストなどは有効。
    https://www.er-central.com/
    未知語がどうしても多くなってしまう場合は脚注をつける、それのほうが辞書より学習効果がいい。
    https://www.apps4efl.com/
    ・同じテキストを複数回読んだり、特定のトピックに関連した複数のテキストを読むことで同じ語彙を複数回表示され、語彙学習の効果を高められる。
    ・付随学習から、意図学習のネタを抽出してやるのは有効

    第五章:テストが記憶を強化する
    ・テスト効果
    Karpicke&Roediger 2008の研究によると、テストを行うことが学習を行う回数より重要だった。(学習はX=Yを表示すること、テストはX=?の問をすること)
    ・コンセプトマップ実験
    テキストを理解するためには、テキストを読んで理解した内容を記憶しているかどうかテストすることが重要であり、テキストを読んだ回数は関係ない!
    (本のまとめも一章ずつ横に文章を置かずにやって後で確かめるのが良い)

    第6章:正解できるはず無いテストの効果
    学習していない内容についてテストすることすら有効!
    ①間違いを犯すことで正解により注意を払うようになるから。
    ⇒学習には失敗体験が大事。

    第7章:最適な学習スケジュールは?
    ・集中学習
    ・分散学習(間を置いて行う学習)
    ⇒分散であることにより学習中に付加をかけることで、短期的には習得が阻害されているように視えるが長期的に見れば保持されている。興味深いのは、学習者視点だとLearningしてるときに好成績がでる集中学習のほうが手応えを感じてしまうが、実際は忘れてから勉強すればするほどいいという結果。

    ・期間としては、覚えて痛い期間の10~30%で繰り返すのがいいと提唱されてる。

    ・部分学習
    ・全体学習
    ⇒本質的な要因では差がないと言われているが、繰り返す周期が変わることが多く、全体学習のほうが遅延効果が働くため効果があるように見えることが多い。

    結論として学習者は気づかないことが多いが、なるべく1日あたりの学習時間を短くして学習機会を分散することで記憶保持はされる。

    第8章:復習期間を広げたりする拡張学習効果は?
    ⇒効果はないと思われる、復習と復習の間をあける期間は一定でいい

    第9章:単語の最適な学習回数
    ・付随的学習は12回という結果があったが、意図的学習なら5回ぐらいでいいかと。
    ・費用対効果を考えると意外と1回学習が一番効果的
    ・遅延効果まで加味すると、1日に複数回やるよりも1日一回の学習を長期間やるのがいい。

    第10章:関連語の暗記について
    ⇒阻害も促進もされないと思われる

    第11章:語源で覚える単語
    ⇒Wei&Nation 2013で示されたいくつかの接尾語接頭語で主なものが役立つ
    VIS/FOR/SEC,SEQU/PLA/CIS,CID/VOCA/DUCE,DUCT/GEN/GRAPH/TRACT/FORM/CES/DICTATE,DICT/PRES,PRIS/MED,MID/MIS,MIT/STA,STAT/NAM,NOM,NYM/SUPER/CEIVE,CEIPT,CEPT/VENT/VERS,VERS/POSIT,POS/SPECT

    第12章:記憶術の活用
    ⇒どんな手法でもいいから、英単語と和訳のリンクを増やすのは記憶保持に役立つ

    第13章:カタカナ語利用した記憶術
    第14章:文脈からの英単語学習
    ・例文から暗記するのがいいと言うのは迷信、しかし和訳では捉えられないようなニュアンスがあるときは別。
    ・意味推測がしやすい文脈よりしにくい文脈のほうが語彙習得は促進される

    第15章:単語カードを使用した英単語学習
    単語カードの作り方
    1.単語の意味は日本語で書く
    2.コアミーニングを掴む
    3.記憶術と併用する

    単語カードの使い方
    1.英単語や和訳を思い出す練習をする
    2.単語カードをシャッフルする
    3.短時間でいいので毎日する
    4.苦手な英単語は重点的に復習する
    5.英単語の意味を瞬間的に思い出すトレーニングをする
    ⇒時間制限を設けて早期スピードを上げる
    6.英語から日本語だけでなく、逆もやる
    7.紛らわしい英単語は識別トレーニングを

    第16章:学習テスト一致の原則(転移適切性処理説)
    学習の状況とテストの状況が近ければ近いほど学習効果が高くなる
    スペリングが必要となるなら書き取りを、読書でいるなら和訳暗記となるべき。

    第17章:多肢選択問題の効果
    16章で述べたとおりスペリングをやりたいなら記述式にすべきだが、単語と意味のマッピングだと大差ないし、時間あたりだと多数選択肢問題のほうがBetter

    第18:英語書き取り練習の効果
    ⇒書き取りはスペリングにはいいが意味理解には阻害要因となることも

    第19章:新出語を用いた英作文
    ⇒認知資源が作文にとられてしまい、語彙の学習を阻害する結果も

    第20章:適切な表現を探す方法
    単語の使用方法を調べるには、Just the Word
    http://www.just-the-word.com/

  • よく纏まってる。だいたい体感通り。

    効果的な英単語の覚え方
    ●覚える姿勢
    コアミーニング+和訳はいくつか
    高頻出語彙から覚える
    単語帳をメインに+文脈推測をサブに
    ●テストで覚えるのが効果的
    単語カードが効果的
    テスト(思い出し)が記憶を強化(日→英、英→日)
    テスト(選択)も良い
    テスト(記述)はスペリングに有効だが、効率が悪い
    未学習の単語のテストも有効
    ●長時間集中学習より短時間分散学習
    1日複数回より1日1回を長期間
    学習間隔の長さ=記憶保持の長さ
    反復は、読書なら12回、単語帳なら5回必要
    ●ネットワーキングが効果的
    等位語、類義語、反意語の同時学習は"悪くはない"
    コロケーションで類義語との差異を覚える
    カタカナ語利用で高頻度語を1500/3000覚えられる(発音は注意)
    語源学習は以下に有効。
    中頻度〜低頻度単語向け
    既知語・カタカナ語を手がかりにする
    語呂合わせも有効
    ●文章で覚える場合
    基本的に文章でついでに単語を覚えるのは非効率である
    知ってる単語が95-98%=知らない語彙が2-5%の文の繰り返しで覚える
    文脈推測は推測しにくい文の方が有効(=テスト効果)

  • 英単語の学習だけに限らず、他の学習にも活かせる方法が書いてある。特に「テスト効果」は、日常生活のあらゆる場面において活用できるだろう。

  • 万能な覚え方はないということがわかってほっとした。

    自身の直感とは異なる実験結果が出ていて大変勉強になった。特に現場では、意図的学習が軽視されていると感じる。どんどん読ませて文脈で自然と語彙を習得させるためには、大量の英文を読みこなさなくてはならないが、そこは議論されないのがもやもやしていたところであった。読んでいてとても背中を押され部分も多くあり、現場への教育示唆も多く感じた。

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著者プロフィール

神戸大学大学院海事科学研究科附属国際海事研究センター国際海事政策科学研究部門准教授

「2022年 『現代に生きる国際法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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