東京総合指令室―東京圏1400万人の足を支える指令員たち (交通新聞社新書)

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著者 : 川辺謙一
  • 交通新聞社 (2014年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784330507149

東京総合指令室―東京圏1400万人の足を支える指令員たち (交通新聞社新書)の感想・レビュー・書評

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  • 東京圏の鉄道輸送を電力、信号、転轍機から車両、人員の運用まで一手に引き受ける指令室。稠密運行が当たり前のJRの裏方として奮闘する司令員の皆さんは尊敬に値する。スジ屋と言われるダイヤ編成のプロがいることは知っていたが、それだけでは様々な障害に対応するできないことが本書を読むと良く判る。これだから鉄道は面白い!

  • 「(指令室の仕事は)営業職のように個人の成果は問われず、みんなで一丸となって取り組む必要があるので、とくにチームワークが求められる」(p.52)

     異常時の対応では「初動」が重要なので、計画の担当者も、運転整理の判断をじっくり考えている余裕はなく、即決しなければならない。だから異常がないときは、計画担当の指令員は「◯時◯分に◯駅で人身事故が起きたらどうするか」などという課題を自分でつくり、頭でシミュレーションする練習をひたすら繰り返す。こうした練習がなければ、慌ただしい異常時に対策を即決して指令計画書を書くことはできないという。(pp.68-69)

     輸送力のような「量」の問題が解決すると、次は輸送の「質」が求められてくる。とはいえ、通勤電車が頻繁に行き交う朝のラッシュ時に、リクライニングシートを備えた特急列車を走らせるのは難しいので、東京圏の在来線では、基本的に朝のラッシュ時を避けるように運転されている。(p.146)

     鉄道が便利になることは、これまで『鉄道は乗り換えが面倒』と思って鉄道を利用しなかった方が、鉄道を利用するきっかけをつくることになると思うのです。だから、今後は鉄道会社がお互いに切磋琢磨しながらも一緒にできる工夫はどんどん協力し合って、東京圏全体の鉄道が便利になればと思うのです。鉄道会社はお互いに競争と協調の関係なのです。(p.176)

  • 電車の運行を管理する司令室に関する本。
    今まで知らなかったことも多く、単純に面白かった。
    全体的にはインタビューが中心にまとめられているが、解説に関しても過不足なく入っていて読みやすかった。
    私たちが普段何気なく利用している裏で、様々な人の努力と機器の進歩があることに驚いた。

  • ○巨大鉄道企業・JR東日本の秘密が詰まっている
    実際にJR東日本の「東京総合指令室」へ訪問し、関係者へインタビューしたルポである。
    関東地区でATOSという管理システムが導入されてから、通常時もさることながら遅れが発生したりしたときに情報の発信が頻繁になったり遅れを解消するスピードが速くなったのではないか。JRのユーザーエクスペリエンスは格段に向上したはずである。
    それを支える舞台が東京総合指令室。本書では、豊富なインタビューと取材で、いまのJRのあり様と発展してきた経過、ATOSの前のCTCなどの時代から掘り下げて解説している。

    この中で一番驚いたのは「お客様目線で運輸指令も動くようになった」というような記述である。
    確かに、ある一定の時期から全社的にお客様目線を大事にするような風潮が見て取れるような気がしていたが、お客様と直接接しない指令の人たちでも、そういう意識で仕事をしているのだ、と思わず感心させられる。
    少し物足りない面があるとすれば、東京総合指令室以外の指令室、例えば新幹線や大阪などのことも取り上げて比較しても面白かったかもしれない。

  • 4〜5

  • 東京近郊のJR駅の行き先別案内表示や、車内での他社線の遅延情報などは、この東京総合司令室の情報が基になっているとのこと。今ではすべての電車がどこを走っているか一目で分かるようだが、20年前はどの電車がどこを走っているかは分からなかったらしい。でも、その運行状況は今とそれほど変わらないように感じる。現在のシステムでは複数の列車に同一の文字情報をいっせいに送ることで、伝達ミスを防止しているようだ。

  • 都内某所にあるJR東日本の都心部路線の管制を行う「東京総合指令室」を取材したもの。
    内容的には想像の範囲内かな。高度なセキュリティ故に書けることは少なく、何だかJR東日本のPR紙っぽい内容に感じた。
    想像の範囲内と書いた管制システムのATOSがここ10年~20年で整備されてきたことの方が驚き。
    現在はATOSによって管制しているため人員の配置も変わっている訳で、ATOSが大規模なシステムダウンした時に、現在の駅員さんたちがどの程度対応できるのか、そちらの訓練も期待したいところ。

  • 国鉄時代は費用対効果がないとして投資されなかった東京圏の鉄道指令。
    JRになって、総合指令システムATOSになって、様変わりした。
    当初は容量不足など問題も多かったが、次第に改良され、使いこなせるようになり、最近では折り返し運転や別線運転など、柔軟な対応をできるようになった、東京総合指令所のレポート!

  • タイトなダイヤの上に日々予測不可能なトラブルが起こる日本の鉄道運行は、システム化されて効率化できた部分もありつつ、どうしても人の判断が残るのだなあ。人身事故とかで止まってもイラつかないようにしよう。いや、それよりも、駆け込み乗車をしないことかな。

  • 東京の某所では一日約1400万人、約8000本の列車の運行を支えるところがあるとは知らなかった。
    1996年に中央線に導入されたATOS(Autonomous Decentralized Transport Operation Control System)がどんどん進化して広い範囲の路線(2014年4月時点で線路延長1181.3km)をカバーしてるとのこと。
    それでも指令室が管理する1269.7kmすべてをカバーし切れていない。まだまだ進化途中のようだ。

    出版元の交通新聞社という会社は初耳だったが、鉄道関連の書籍を結構出版しているみたいである。

    内容とは関係ないが、「足らない」という記述がどうも古くさい言い回しに感じてしょうがない。(「足りない」も「足らない」も意味は同じなんですが個人的な好き嫌いなもので)

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東京総合指令室―東京圏1400万人の足を支える指令員たち (交通新聞社新書)の作品紹介

われわれが日々利用する電車、そして世界に類を見ない高密度輸送を行なう東京圏の鉄道は、誰がどのように管理し、支えているのか。国内最大規模の指令室であるJR東日本の東京総合指令室を取材し、紹介する。この指令室では、1日約1400万人を運ぶ東京圏の在来線輪送を管理しており、所属する500人余りの社員が、乱れたダイヤを回復させ、トラブルで停まった列車をなんとか動かそうと奮闘している。本書では、これまでほとんど紹介されることがなかった指令室の過去・現在・未来に迫り、東京や日本の鉄道の側面をかいま見る。

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