- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784331059562
作品紹介・あらすじ
40代の勇太は、もう何年も両親の介護をする人生を送ってきた。認知症になった両親のせいで、職にも就けず、ハローワークに趣味のように通い続ける毎日。そして、勇太は両親とともに旅に出て、両親を手にかける……。勇太と勇太を裁くはめになった裁判員の人生が交錯する、ダンカン初の「介護小説」。
感想・レビュー・書評
-
50代、独身、パート暮らし、障害を持つ82歳の母と暮らす私にとっては、なんとも人ごととは思えない辛い物語でした。両親を殺めてしまった主人公と彼を裁く裁判員達の人生を興味深く書かれています。一気に読みました。ただ、私的にはもう少し主人公についての記述が、多くても良いのではと思いました。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
30歳から51歳になるまで認知症の両親の世話をしてきた勇太。
両親の介護のため仕事もままならず、婚約者は去り、親戚にも疎まれ、生活保護も却下され・・孤軍奮闘。
末に両親を殺害してしまう。。
この事件と事件の裁判の話。
こういう現実は誰にでも起こりうるかもしれないワケで怖い(>_<)。
認知症の方の描写もリアル。
自分だったらどうするんだろう。。
とりあえず、任意加入の介護保険は見直した方がいいな、うん。 -
タイトルにもなっている、パブロフの人。ちょっと前までは、世の中に多く居てた気がします。反射的に謝ったりする人たちです。しかし、最近、個性と言うなのもとに、好き勝手やっている人達が多く見られます。それがよいことなのかどうかは分かりませんが、日本人の持つ「わびさび」「おくゆかしさ」みたいなのが、かけている気がします。
本自体は考えさせられるものがありましたが、最初の描写と比べると最後はドタバタで終わった感があり、また、判決が軽い様に感じました。そこは、残念でした。
了承殺人?なのか、まぁ、そこはひとそれぞれの考え方の違いですかね。 -
認知症となった肉親を施設入所させるという手段は、世間体を気にすると薄情だと感じてしまうかもしれない。しかし、そんなことは言ってられない時代になってしまった。・・・という読後感。
勇太のシビアな日常と、事後の裁判員らの場面展開で状況を冷静に考えることができて、非常に読み易かったです。認知症高齢者に関わる事件は今後増えるかもしれません。その度に情状酌量といって事を終わらせてしまっては、認知症高齢者は加害者と言っているようなものです。読後、本来の被害者は誰なのか、多くの時間をかけて悩むべき題材だと思いました。
酷な内容ですが、法律や介護サービスの内容など会話に交えて分かりやすく説明されていたので小~中学生の方にもおススメしたいです。