命を守る東京都立川市の自治会 (廣済堂新書)

著者 :
  • 廣済堂出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784331515914

感想・レビュー・書評

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  •  我が立川市にある「大山団地」(これは通称で、正式には「都営・上砂町1丁目アパート」)の自治会は、「日本一の自治会」として多くのメディアに取り上げられている。
     自治会加入率、役員の定例会出席率100%。2004年から孤独死ゼロを実現。東日本大震災に際しても、震災直後の安否確認や福島からの避難者受け入れに際して、他の模範となる見事な対応をした。

     本書は、13年前から大山自治会の会長を務める著者が、自治会運営の舞台裏を明かしたもの。

     献身的できめ細かい運営に、頭の下がる思いになる。たとえば、著者は自分の携帯を使い、1300世帯の団地住民からの電話を24時間受け入れているという。

    《24時間体制だからといって、毎晩電話があるというわけではありません。夜中や明け方にかかってくる電話は、年間100本程度。(中略)連日連夜というわけでもないので、人に言われるほど苦に思ったことはありません。》

     ……と、著者はこともなげに言うのだが、いやー、それだけでも十分大変でしょう。

     携帯電話の件はほんの一例で、ほかにも著者は並外れた情熱、知恵と工夫で自治会運営にあたっている。こういう人が会長だからこそ、「日本一の自治会」になったのだ。そして、いうまでもないが、自治会長は基本的にボランティアなのである(年3万円の会長手当が出るだけ)。
     著者のリーダーシップと組織運営術は、まことに素晴らしい。この人なら、中小企業を経営させても成功したことだろう。

     自治会・町内会運営の手本となるのみならず、あらゆる組織のリーダーにとっても参考になる知恵があふれた一書。

  • 立川・大山団地の自治会活動をつづった一冊。同じ立川市に、こんなに自治の進んだ地域もあるんだととても頼もしく思いました。自治会の財政を支えるためのコミュニティビジネスへの取り組みなど、住民にとって直接的な興味をそそるものでなくても必要とあらば取り組む姿勢に「そこまでやれるんだ」とか。また、交流会での座席など住民に参加してもらうための数々の工夫から試行錯誤が伝わってきて、同じようにやってもうまくいかないかもしれないけれど同じスピリッツで取り組むことは必要なんだろうなと思いました。どこかで参加してみたいです。

  • 理想の自治会の運営方法とやっていること。いい意味でも悪い意味でも理想。
    ただ、出来ないと決めつけるのではなくこうでありたいという心持ちで誰もが行動できれば必ず素晴らしい世界は訪れる。そのためにやりたいではなくやってみる気概を持ちたい。
    そして誰しもが気軽に地域に参加してふるさとを共有する世界になれれば。

  • 立川市のマンモス団地、大山団地の自治会会長さんが自治会の活性化を会員の変革を推し進めていった内容。
    ①コミュニティビジネスで財政強化
    公園の清掃管理を都より請け負う、駐車場管理、イベントの収益
     有償ボランティアetc
    ②向こう三軒両隣
     孤独死ゼロを達成
    ③たまり場の作成

  • 参考になった。

  • 世帯数1300、住民数3200人、29棟の大規模都営団地の自治会長さんが書かれた本です。自治会のよさが実例を交えて説得力をもって伝わってきます。活発な自治会活動へのヒントもちりばめられています。
     
    人と人とのつながりがあるコミュニティで生活できることは、「日々生きていることそのもの = 人生」を豊かにすることにつながると思うのは私だけでしょうか。
     
    この一度きりの人生、自分の世界にこもっていたらつまらない。いろいろな人と出会って、知らない世界をたくさん知って、つながりがあふれる中で生きていきたいです。

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著者プロフィール

昭和音楽大学助教。学術博士。専攻は舞台芸術政策論。1982年兵庫県生まれ。京都市立芸術大学音楽学部(ピアノ専攻)、同大学院音楽研究科修士課程(ピアノ専攻)を経て、2010年東京藝術大学大学院音楽研究科博士後期課程(応用音楽学)修了。昭和音楽大学研究員を経て、2012年から現職。論文に、「文化芸術活動への公的支援の枠組み」、「文化施設における人材の育成方策に関する一考察」、「公立文化施設の類型と地域における芸術家育成の可能性」ほか。

「2013年 『公共ホールと劇場・音楽堂法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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