ラヴ・フリーク (広済堂文庫―異形コレクション) (廣済堂文庫 い 6-1 異形コレクション 1)

著者 :
  • 廣済堂出版
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (531ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784331606292

感想・レビュー・書評

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  • 異形コレクション第1作目、ということで力作ぞろいなのだけど、岡崎弘明「太陽に恋する布団たち」が、もうダントツ!こういうのが読みたかった。ホラーアンソロジーは、大抵エログロが多少入ってくるのに、エロもグロもなしで「ラヴ・フリーク」の定義にしっかり収まっているのが素晴らしい。そして布団!布団で(ちょっと想像ついちゃうけど)ジャパニーズ・マジックリアリズムの世界ができちゃった。これいいなあ・・・。あと面白かったのは、ひねった吸血鬼ものの奥田哲也「スマイリング・ワイン」、「丘の家のミッキー」でおなじみだった久美沙織「REMISS」、それから津原泰水「約束」、皆川博子「砂嵐」...やっぱり異形コレクション、凄い!

    ところで津原泰水「約束」は、以前「綺譚集」で読んだ時も、最後の2行が腑に落ちなくて、今回もやっぱりよく分からなかった。あれは何なのか、誰か分かる人に説明してほしいなあ。

  • 愛しきフリークがテーマかと思いきや、”恋愛”がテーマのアンソロジーだったとは…井上雅彦先生のホラー編纂への妙を感じる…。
    つまり表紙の韮沢靖氏造形のクリーチャーは、愛に狂った吸血鬼の成れの果てなのかしらん…と恋愛脳全開で堪能。
    中井紀夫先生→おおお…確かに世奇妙で映像化できそうな展開
    加門七海先生→やっぱりロマンティックがあるんだよ、加門先生のホラーは
    早見裕司先生→水はすべて繋がっている…と。夏の日の思い出って感じで、なんか映画みたいだったな…
    朝松健先生→ラストのラストでぞわっとする。上手いな~~!!
    森真沙子→ホモの横恋慕って言うと陳腐なんだけど、現実的に怖いのはこういうのだよな…いや普通に怖いし
    田中文雄→これスッゲエぞ…(脅威)(畏怖)(感動)最初に声に出てた感想が「ハッピーエンドだ…」だったよ。異類婚姻譚の一種なんだと捉えれば…うん…。全世界のホラーと恋愛小説が好きな読者必読
    倉阪鬼一郎先生→これもハッピーエンドじゃないか!!?異形の老夫婦隠居END
    井上雅彦先生→幻想と狂気と淫靡の融合具合いが凄まじい
    奥田哲也先生→この発想には脱帽だなあ…怖いうえにこの…人間の野蛮で身勝手な感じが…グロテスク…
    竹河聖先生→ホラー風味ラブコメ系ラノベ始まりそうやんけ
    友成純一先生→インターネット世代胸クソ野郎の末路的恐怖って感じだ…
    久美沙織先生→改造ふたなりヒロイン狂乱純愛ENDとはたまげたなあ…
    高井信先生→ちょっと前の世奇妙なら映像化できそうだ…
    岡崎弘明先生→タイトルにたがわぬほのぼの枠でびっくりした…
    飯野文彦先生→ロマンティックやんけ…
    矢崎存美先生→現実の人間が一番…オチなんだけど、結局あんたもかーいオチでぞぞぞとなる
    津原泰水先生→こういうオチはずるいよなあ…男性流永遠のロマンス的な…そんな気がする
    皆川博子先生→初期の皆川博子幻想小説だ…幻視する肉体…耽美な空気感…彼女の青い騎士は誰だったのか…
    菊地秀行先生→SFっぽいんだけど、こんな大量虐殺怖すぎやんけ…究極のファムファタル…国を傾け世界を焼いた女…

  • 凍りつく恐怖、戦慄の愛(裏表紙)

    現在50巻を数える『異形コレクション』の第一巻。20年以上続いているシリーズってのも凄いなぁ…。作家陣も現役がちらほらといて面白い。

    よかったのは、以下。
    『スマイリング・ワイン』(奥田哲也)
    『REMISS』(久美沙織)
    『貢ぎもの』(菊地秀行

  • 再読。

    久しぶりに読み返した、異形コレクションの第一弾。
    この頃はまだ前口上が仰々しくなく割とあっさりしてたんだなぁ。
    まだ、朝松健氏のキャラクター短編も始まってなく純粋にストーリーだけを楽しめる短編集。

    「太陽に恋する布団たち」は初読の時はえらいメルヘンな話を放り込んできたなぐらいの感想だったが、20年経って読み返すと途中で泣きそうに!今回、読んだ中で1番のお気に入りになった。

  • ホラー・アンソロジーの第一作。
    テーマは「愛」。
    そのためか、ホラー色は薄い作品もあると思った。
    ピンとくる作品。良く分からない作品。色々。
    この本であえて選ぶとすると
    飯野文彦の「東京悲恋奇譚」かな。
    矢野在美の「人殺しでもかまわない」はこの後が怖そう。
    岡崎弘明の「太陽に恋する布団たち」は明るい話だった。
    これらの作品を読むと男が怖いのか、女が怖いのかわからなくなりました。

  • おもろい。

  • テレパス / 中井紀夫
    女切り / 加門七海
    逃げ水姫 / 早見裕司
    地下のマドンナ / 朝松健
    ニューヨークの休日 / 森真沙子
    怪魚が行く / 田中文雄
    老年 / 倉阪鬼一郎
    赤とグリーンの夜 / 井上雅彦
    スマイリング・ワイン / 奥田哲也
    猫女 / 竹河聖
    アドレス不明 / 友成純一
    REMISS〔リミス〕 / 久美沙織
    加害妄想 / 高井信
    太陽に恋する布団たち / 岡崎弘明
    東京悲恋奇譚 / 飯野文彦
    人殺しでもかまわない / 矢崎在美
    約束 / 津原泰水
    砂嵐 / 皆川博子
    貢ぎもの / 菊池秀行

    恋愛ホラーアンソロジーということで、恋愛がテーマ。
    恋愛テーマのほうに注目してしまったからか、あまりホラーを読んでいるという気分ではなかった。
    「太陽に恋する布団たち」はほのぼの。
    「砂嵐」は抽象的すぎてちょっとわからなかった。
    「貢ぎもの」がいちばんぞっとしたかも。

  • 2009年4月24日の感想。

    異形コレクションの第一巻。

    平成10年初版。

    今から10年くらい前です。


    書き手の皆さんの名前を見ると、今でもコレクションに書かれてる方、

    そうでない方、色々です。


    「恋愛ホラー」と言う事で、
    最近、ストーカーと言う言葉が
    こんなにも大手を振って闊歩している現在において読むには
    たいした期待もなかったのですが、、、、

    いいじゃん!!


    ホラーの読み返しはほとんどしない私なのですが、
    田中文雄氏の「怪魚が行く」は三度読み。。。

    純粋恋愛小説としても、充分まかり通る一品。

    もう、憧れですよ。
    ウットリ・・・。

    最近の恋愛モノでは、
    萌えも萎えもしなかったけど、
    これは非常に燃えました。

    来世に心の中で持ち越したいのです。

  • ホラーアンソロジー。作家陣がかなり豪華です。
    一冊ごとにテーマが決まっています。
    廣済堂からコンビニ発売専用で出たホラー短編集。現在36巻まで所有しています。
    16巻から光文社に移り、普通の書店でも手に入るようになりました。

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著者プロフィール

鳥取大学大学院 医学系研究科

「2019年 『公認心理師 実践ガイダンス 2.心理支援』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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