- Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784331615904
作品紹介・あらすじ
江戸の人々は言う、「江戸で人気ののっぺらぼう同心を見て驚くなんざ、とんだ江戸っ子の名折れよ」と。情に篤く正義感の強い柏木千太郎のことだ。しかし、江戸っ子たちにも、のっぺらぼうだからこそ気になることがある。柏木の旦那はどうやって飯を食べている?-実は、腰から下げたひょうたんに、胃の代わりに食べさせるのだが、そのひょうたんがなくなったから一大事!他に使いようもないのに、いったい誰が盗んだのか。同僚の片桐正悟と下っ引きの伊助が江戸中を探し回り…。のっぺらぼう同心の心優しい捕物帳、大好評第二弾!
感想・レビュー・書評
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のっぺらぼうの同心がフツーにいる江戸のお話。タイトル作の理由が!そうだったのか!と思いました(笑)。タイトル作がかなりよかった。普通の時代もの読者も楽しめそうです。
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話が良くできているし、人情があるし、プッと笑えるエッセンスもちりばめられており、本当に面白かったです。
あやかしという傑作選に一話収録されており、面白かったので、読みました。この表紙の絵だし、装丁もライトな感じだし、知らなければ、手に取ることもなかったと思います。
畠中さんのしゃばけシリーズのようなタッチの時代小説です。大好きになりました。一巻を含め、この作者のものをいくらか読み漁る予定。 -
【収録作品】ひょうたん/丑の刻参り
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いやー、面白かった。
絶版になってたので、在庫ある店舗から代引きで取り寄せたので、ずいぶん高い文庫本になってしまったけど、その価値はあったなぁ。
二作の短編が収録されてるのだけど、雰囲気がまるで違いどちらも良かった。
一話の「ひょうたん」は笑ってしまった。
千さんはそーやってご飯食べてるのかと!
ひょうたんにも個性?というか、好みがありそれが可愛くておかしい。
想像するだけでニヤニヤしてしまう。
二話の「丑の刻参り」は打って変わって、ぞくりとさせつつ、ホロリとする。
このシリーズはこれで終わりなのだろうか?
もう新作は出ないのかなぁ。 -
(15-41) 「のっぺら」を読んだ時、千太郎はどうやって食事をしてるんだろう?と思った。だって口が無いから筆談で話すんだから。じゃあ目は?は置いといて・・・。表題作では、それが秘密でもなんでもなくあっさり明かされ、そこから事件という展開だった。人情物の話でとっても良かった。
もう一つの「丑の刻参り」はありがちな設定と展開なのに、ぞっとする恐さとラストのあたたかさでこれまた良かったわ。 -
読みは冴え、腕も立つし、情けもある。
美人の奥方に、かわいい娘、気の利く岡っ引きの見習いと、
向かうところ敵なしに思えたのっぺら同心にも、
そんな弱点があったとは。
思いもよらぬ「ひょうたん」に驚きもし、笑いもした。
いや、口がきけないとか、
だから矢立の墨が切れると筆談もできないとか、
他にも弱点はあるのだろうけど。
それに比べると「丑の刻参り」は桜や丑の刻参りのイメージに意外性がなかったためか、
落ち着いた感じに。
それも悪くはない。
いずれにしても、早く次の作品が読みたい。 -
そうか!そうやって千さんは食事を!!
と新事実にびっくりの「ひょうたん」。
一転して「丑の刻参り」はこわーいお話。まさに人を呪わば穴二つ、ですね。
そして何よりも相変わらず艶様がとっても格好良かった(笑)。