光は歌い影は躍る: 藤城清治の軌跡

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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784333020072

感想・レビュー・書評

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  • いい俳優は舞台以外の場でも素晴らしい人間でなければいけないのと同じように、人形も舞台を離れてもその美しさがなくてはいけない

  • 先日、銀座でのふと立ち寄った展覧会で購入。銀座教文館ウェインライトホール10周年記念東日本大震災チャリティーEXHIBITION。
    藤城清治さんの影絵は子供の頃父に読んでもらった「暮しの手帖」と思い出が深く結びついている。
    通常の絵画と異なり、紙とカタ刃のカミソリとでつくっていく世界。きり間違えたり、破ってしまったりするというその制作過程から、その失敗こそが逆に面白い効果を出したりするのだと言う。実際には光と影の作品制作には緻密な計算を行っているのだが、時に様々な条件の結果予想どおりに行かないこともあるらしい。それを、「思い通りに行かなかった」と見るか「面白い」と見るかは視点の違いだろう。筆者は、それをこのように言っている。「僕はそういった予定にはないところにいきなり現れたものでも、それに何かを感じれば、見過ごさないで的確に捉える。その感覚が、ふつうの人より敏感かもしれません。
    時はどんどん流れて、日々変化していきます。その中に何かを捉えたり、、感じたりするには、柔軟な気持ちと研ぎすまされた感性を絶えず持って、あらゆることにアンテナを張り巡らしていくことが大切ではないでしょうか。それにもう一つ、失敗を恐れないことです。失敗を恐れて安易な道を選んでいては、いつまでたっても発見のチャンスは訪れません。失敗は多いほどいいのです。失敗は誇りであり、勲章だと僕は思います。」

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著者プロフィール

1924年東京に生まれる。慶應義塾大学経済学部卒業。12歳から油絵を始め、独立美術協会展、新制作派展に入選。名編集者の花森安治に認められ、雑誌「暮しの手帖」に影絵を連載。また影絵劇団・木馬座の上演、展覧会の開催など多彩な活動を続ける。1983年には本作『銀河鉄道の夜』(原作・宮沢賢治 講談社)で、BIB金のりんご賞を受賞。紫綬褒章、勲四等旭日小綬章など多数の受章、受賞歴がある。
著書に『セロ弾きのゴーシュ』『画本 風の又三郎』(ともに原作・宮沢賢治)、『ぶどう酒びんのふしぎな旅』(原作・アンデルセン 訳・町田仁)、『絵本マボロシの鳥』(原作、文・太田光)、『藤城清治の旅する影絵 日本』『ブーちゃん』『藤城清治 影絵の絵本 グリム』『藤城清治 影絵の絵本 アンデルセン』(以上すべて講談社)などがある。

「2022年 『新装版 銀河鉄道の夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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