旧約聖書入門: 光と愛を求めて (カッパ・ブックス)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334003135

感想・レビュー・書評

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  • アダムとイブ、カインから始まりホセア・マラキまで、旧約の物語を信仰的な観点でここまで分りやすく、興味深く説明する本は貴重な存在だと思う。ロトの物語は著者が有名になる前に習作として書いていたものだという。聖書の言葉をここまで深い意味を解釈して加えたところは凄い!「わたしはあなたがたの神、主」が一貫したテーマだということが明確に主張されている。旧約解説としてこれ以上の本はないと思う。最後の「預言」の章では明確な著者の信仰の証詞になっているところは見事。あえていうとイサク、ヤコブなどの族長、ヨシュアとカレブなどのカナン定着時代について書き及べなかったことが残念。山室軍平、賀川豊彦の引用が多く、解釈については彼らの影響があったと思う。

  • 文中からこの著書は細川ガラシャ夫人執筆時に書かれたものであることがわかる。

  • 心理学や池上さんの本を読むとどうしてもこの宗教が根底に
    存在する。なまえは知っているが、新約と旧約の差異もよくわからない
    やはり一度目はとうしてみるかと、古本屋で100円で買ったが
    思っている内容ではなかったので、いまいちどもっと分析されている
    本を探してみようと思う。
    ひとつわかったことは、当たり前のことがあたりまえのように実現できないこと
    つらつらと戒めている。とか、新約は旧約とは続きだったんだ とかがわかったぐらいだった。

  • (2012.07.13読了)(2012.03.12購入)
    【7月のテーマ・[キリスト教を読む]その②】
    僕の頭の中で、三浦綾子さんと曽野綾子さんがごっちゃになっています。
    調べてみると、三浦綾子さんの本を読むのは初めてのようです。以前に読んだのは、曽野綾子さんの本でした。
    この本は、旧約聖書の主な内容を教えてくれるのかな、と思って読み始めたのですが、ちょっと違うようです。キリスト教徒は、旧約聖書の内容をどのように解釈して読むべきなのかということを教えているようです。キーワードは、「信仰」です。
    キリスト教徒ではないぼくにとっては、ちょっと戸惑ってしまいましたが、そういう本と割り切って読む分には、参考になるところもあります。

    【目次】
    まえがき
    一 天地創造
    二 アダムとイブ
    三 カインとアベル
    四 ノアの箱舟
    五 バベルの塔
    六 ロトとその娘たち
    七 アブラハムの信仰
    八 ヨセフの物語
    九 律法・十戒
    十 怪力サムソン
    十一 美しき物語ルツ記
    十二 苦難の書ヨブ記
    十三 詩篇とダビデ王の功罪
    十四 箴言
    十五 預言
    十六 断章
    参考文献

    ●アダムとイブ(28頁)
    アダムとイブは惨めであった。人間が善悪を知るということは、こういうことだったのだ。善を知っても、すなわち善をおこなうことができないのだ。悪を知っても、悪をやめることができないのだ。その恥ずかしさが、端的にセックスに象徴されているのを知り、彼らはあわてて、無花果の葉をまとった。
    ●信仰(109頁)
    神のなさることには、絶対に間違いがない。神は人より、絶対に正しいとする、この絶対的信頼、これが「信仰」というものではないだろうか。人間の言い分が正しい、人間の方に理があるというのは、神を不正として、信じていないことになる。わたしたちの人生には、どうも、神のすることはわからないということはある。
    ●神にのみ頼む(129頁)
    信仰者は神にのみ、より頼むべきなのだ。人を信じられないからこそ、わたしたちは神を信じているはずである。
    ●旧約聖書の構成(133頁)
    旧約聖書は、
    歴史(創世記からエステル記まで十七巻)
    詩(ヨブ記から雅歌まで五巻)
    預言(イザヤ書からマラキ書まで十七巻)
    の三つに分かれているとも、また歴史、律法、詩編、預言に分けられるとも言われている。
    ●ダビデ(208頁)
    ダビデは純粋な信仰で神を信じていた。サウル王はダビデに、自分の兜や鎧を身に着けさせたが、ダビデはそれらのものに頼らず、小石五つと石投げ器を持って、ゴリアテに対した。ゴリアテはダビデをあなどったが、一発の石を額に受けて、脆くも大地に倒れた。これはいわば、ダビデの信仰告白である。
    ●預言者(212頁)
    私は実のところ、聖書を読み始めたころは、預言者というのは、予言者のことかと勘違いをしていた。つまり、何月何日、どこそこで地震が起きると予言したり、だれを殺した犯人はどこのどいつであるなどと、易者のように言い当てるものだと思っていた。ところが預言者というのは「神の言葉を預かる者」であることを知らされた。

    ☆関連図書(既読)
    「創世記」旧約聖書、関根正雄訳、岩波文庫、1956.05.06
    「出エジプト記」旧約聖書、関根正雄訳、岩波文庫、1969.01.16
    「モーセ」浅野順一著、岩波新書、1977.12.20
    「聖書物語」山形孝夫著、岩波ジュニア新書、1982.12.17
    「歴史としての聖書」ウェルネル・ケラー著・山本七平訳、山本書店、1958.11.10
    「聖書の常識」山本七平著、講談社、1980.10.01
    「聖書の世界」白川義員著、新潮社、1984.07.25
    「ふしぎなキリスト教」橋爪大三郎・大沢真幸著、講談社現代新書、2011.05.20
    (2012年7月17日・記)

  •  僕はキリスト教徒ではないし、これを読んだからと言ってキリスト教徒になる気もない。しかし聖書という物には興味がある。数多くの西洋の偉人たちに、多大な影響を与えているに違いない。そう信じて、この本を手に取ってみた。
     この本を読んで、これは聖書を読みやすく解説した物だと思っていたが、どうやらこの本は著者の聖書に基づいた随筆のようだ。キリスト教徒の考えていることはよく解らないが、著者自身もあまり解っていないような感じの書き方をしている。解りもしないのに入信していることに違和感を覚えないのか。むしろ、理解し、納得してから入信する物ではないか。そう感じて、宗教の大きな矛盾を痛感した。

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著者プロフィール

1922年4月、北海道旭川市生まれ。1959年、三浦光世と結婚。1964年、朝日新聞の1000万円懸賞小説に『氷点』で入選し作家活動に入る。その後も『塩狩峠』『道ありき』『泥流地帯』『母』『銃口』など数多くの小説、エッセイ等を発表した。1998年、旭川市に三浦綾子記念文学館が開館。1999年10月、逝去。

「2023年 『横書き・総ルビ 氷点(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三浦綾子の作品

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