- Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334012304
感想・レビュー・書評
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気になっていたし、興味もあったのだけれど、狭く浅い知識
かない私には小室直樹は難し過ぎるんじゃなかろうかと
思って作品はひとつも読んでいない。
しかし、先日、実家の本棚を発掘していたら本書が出て来た。
買った覚えはない。だとしたら、友人が置いて行ったものか。
いい機会なので読んでみた。
「昭和天皇に戦争責任があるって言っている人って、おかしい
んじゃないの?」という論調の作品である。
1.15事件や2.26事件は勿論のこと、キリスト教やイスラム教、
中国仏教や韓国儒教。あらゆることを引き合いに出して、
戦争責任どころか、終戦の「聖断」がなかったら日本と
日本人は滅びていたというお話。
これはこれで一理あるのかもなぁ…とも思う。議会を無視して
天皇の意向を押し通したのであれば、それは議会制民主主義
ではなく、天皇独裁の国家になってしまうから。
だから、開戦を決定した議会に昭和天皇は反対を唱えられ
なかった。これが著者の言い分。
著者の言い分を丸呑みする訳じゃないけれど、天皇制が
温存されたのは日本の為であったとは思う。
天皇制を挟んで右と左。方や天皇制を有難く戴き、心の拠り所
とする。方や天皇制があること自体が悪いと、憎悪の対象に
する。
共に天皇制を裡に抱えることで終戦後の日本人はそれを
核にして来たのではないか。な~~~んてね。
「先の大戦に対して、実際どう思われていたのですか?って
昭和天皇に聞いてみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
小室直樹の読みづらさの原因は、本論と補助論と余談・脱線の三者が明瞭な区切りなく相まって叙述が進められるところにある。