- Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334031268
作品紹介・あらすじ
一九五〇年代には未だカメラ専業メーカーであった、キヤノンの奇跡ともいえる六〇年あまりの歴史に、丸島の展開してきたビジネスはどのような役割をになったのか。企業戦略として特許を活用するとは、具体的にどのようなことなのか。昭和九年生まれの日本人が、朝からステーキを喰うアメリカのビジネスマンたちとどのように渡り合ってきたのか。そして私たち日本のビジネスパーソンは、特許あるいは知的財産権をどのように考え、仕事に生かすべきなのだろうか。
感想・レビュー・書評
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キャノンの知財部門を築き上げた丸島儀一に、キャノンの特許戦略を、その歴史的経緯と共に語ってもらい、まとめた本。
著者は丸島儀一となっているものの、予想に反してインタビュー形式となっており、強力なテーマ性に基づいて取材が行われているわけでもないため、内容は「私の履歴書」のそれに近くなっている。
丸島氏は2011年に名著「知的財産戦略」を執筆しているが、その9年前に執筆された本書は、前者の内容を薄めて読み易くしたものに等しく、氏の特許戦略への導入として最適である。逆に、本書の内容は、キャノンの歴史的経緯に纏わる詳細を除いて、全て「知的財産戦略」に(濃度100倍で)記載されているため、先にそちらを読んだ場合、本書を読んでも得るものほぼない。
著者本人が特許マン人生の集大成として、自身の哲学を体系的かつ詳解に記述した「知的財産戦略」には当然及ばないものの、技術部の源流に入り込むことを重視する点や、特許を「攻めの特許」と「守りの特許」に分類しそれぞれの戦略的運用方法が異なる点、交渉の際は相手に「欲しい」と言わせることが重要でありその方法として如何なるものがあるか、など、極めて重要な点がいくつか本書でも触れられている。
丸島流特許論が要領良くまとまっている好著。☆4つ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
キャノンの特許戦略の歴史がわかったが、2002年の本ということもあり、制度関係の記載は古い。
キャノンの特許戦略について詳細に書かれているわけではないので、少し期待外れかな -
読んだ。
今の法制度と比較すると、その後採用されたり改正されたものもあるし、そうでないものもある。この本は2002年2月発行だが、例えば知財高裁発足(2005年4月~)とか、職務発明制度関連(2005年以降何度も)とか。読んでいると自分も諸制度を調べなおそうという気になれたので読んだかいがあった。大学の話はちょっとね…。
この本自体は読みやすく、1時間あれば読める本。失敗談と成功談の両方載っているのは良いですね。この本の詳細版が出ていると他の方のレビューで見かけたので、そちらも読むかもしれない。 -
読んで何年も経ってからの記載だがキヤノンへゼロックスが訪れてきてIJの技術情報を技術者自らリークしてしまったストーリーは衝撃的で今でもよく覚えている。
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キャノンの丸島儀一さんの作り上げた特許戦略。最近はそのとおりやっていないとこぼしていた。
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丸島ドクトリンの教科書。どちらかというと知財マンとしての考え方を説いた本だ。技術から知財の道に移った時に購入し、何度か読み返している。先日、丸島ゼミ最終日に先生にサインをいただいた。
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第1章 巨人ゼロックスとの闘い(キャノン、多角化への野望
シンクロリーダー ほか)
第2章 戦略的特許ビジネスとは(NPシステムの展開
世界初の液乾式PPC ほか)
第3章 交渉(海外体験
屈辱の旅発ち ほか)
第4章 何のためのプロパテントか(プロパテント政策とは
アメリカで始まったプロパテント政策 ほか) -
図書館の除籍本
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組織外に対して交渉をやるには、組織内を固めておかないと分かりやすいが不合理な成果を求められる… それはそうと、後半の諸提言は残念ながら、財界からの提言の悪しき典型例という感じでなんとも。