- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334031992
作品紹介・あらすじ
『会津藩家世実記』『加賀藩史料』などの一級史料に散見される数多の切腹。そこから見えてきたのは、武士社会の特異なあり方と、現在もなお続く、日本人固有の「責任の取り方」であった。本書では、史料に埋もれた多くの"ハラキリ逸話"に光を当て、誇り高く潔い、しかしどこか辛くて切ないサムライの生き様を探索する。
感想・レビュー・書評
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生々しいデータにはぞっとするところもあるが、まさに武士の責任の取り方に関して、「切腹」の意味をとことん追求している。自己の責任というケースは多々あるが、組織のために切腹させられたり、時の事情として切腹を選ばされたりと、組織人として生きるには、やるせない気になる。日本人的な潔さは、日本人にしかわからないような気もする。
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一つ一つの事例は興味深いが、筆が軽いので詰まらない本になっている。歴史小説のネタ本としては有益か。また、ここまで書くのなら大東亜戦争から三島に終焉する切腹の歴史にまで言及してほしい。
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切腹の概念の時代変遷とか、興味深い切腹のエピソードとか。
どれもあまり「痛い」と感じる記述ではなく、痛いのが嫌いな僕にはぴったりの本だった。
痛いのが嫌いなのにこんな本を手に取るなよ、と突っ込みを入れたそこのあなた!あなたは正しい。 -
主命により死を賜る江戸時代の武士たち。制裁的な措置ならばともかく、理不尽な理由であってもプライドをもって命をなげうつ事例が多数あげられています。この時代に生まれついていない幸運を喜びたくなります。
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切腹、切腹、切腹!様々な切腹話。これもこの時代の一部でしかないだろうけど、こういう話を読みつつも、行為責任は必然ではないなというか、秩序や刑罰の在り方について考える。
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切腹の処され方を、一級史料から事例を上げ説いた本。武士の世の「君主絶対論」を根底として上げているが、現代(発行の2003年当時)との結びつけ方はいささか乱暴かな。それでも面白かった。
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武士の責任の取り方について、多くの事例を紹介している。切腹の美意識や哲学のような側面ではなく、「何故、腹を切る羽目になったのか」を、史実の具体例を元に考察する。赤穂浪士のように、有名で分かりやすい例だけではなく、信じられない理由や理屈で、しかも、本人は納得して腹を切る武士がたくさんいた事に驚いてしまう。単純に罪と罰で割り切れるものではなく、名誉・恩情・忠義・責任・策略などが複雑に絡み合う構図が見られ、極刑(処刑)を赦して切腹を認める場合もあれば、暗殺や殺害事件を切腹としておさめるケースもあったという。どんな場合でも主君の切腹の命は絶対だし、時には名誉なことなのだが、やはり武士とて生身の人間。本当は切腹したくないのが本音らしく、臆病者の下級武士は、毒玉も渡す図らいもあったらしい。切腹なる風習を、現代人の目で非文明的と見るのは簡単だが、人権概念の確立以前、武士の命は主君のものという価値観が何百年間も続いていた頃の話だ。
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平成23年6月6日読了。
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[ 内容 ]
『会津藩家世実記』『加賀藩史料』などの一級史料に散見される数多の切腹。
そこから見えてきたのは、武士社会の特異なあり方と、現在もなお続く、日本人固有の「責任の取り方」であった。
本書では、史料に埋もれた多くの“ハラキリ逸話”に光を当て、誇り高く潔い、しかしどこか辛くて切ないサムライの生き様を探索する。
[ 目次 ]
第1章 ハラキリ略史(切腹の来し方;殉死と切腹 ほか)
第2章 罪と罰と切腹(喧嘩両成敗による切腹;刑罰としての切腹 ほか)
第3章 なんとも切ない切腹(藩に見捨てられた武士たち;エリート藩士の大誤算 ほか)
第4章 御家騒動と切腹(加賀藩長家の御家騒動;薩摩藩の御家騒動)
第5章 藩主と家臣―切腹に潜む臣の道(武士の命は主君のもの;飼い馴らされた武士ども)
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