「私」のための現代思想 (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334033569

作品紹介・あらすじ

自殺には、「正しい自殺」と「正しくない自殺」がある-「私」の問題を徹底的に考える。

感想・レビュー・書評

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  • 「私」の問題とは何か:
    本書で考える「大きな問題」
    「世界」と「私」はともに腐っていく
    自由と抑圧
    道具としての「思考」
    教養とは「自由になるための技術」
    束縛から逃れるには
    「思考」する能力

    「私」を縛るものは何か:
    〈言葉〉について
    〈言葉〉という制度
    分類基準の意味
    ルジャンドルの「ドグマ人類学」
    自由に「思考」するには
    〈価値〉について
    道徳はどうやって形成されるのか
    ニーチェの「道徳の系譜」
    正しさの「絶対化」
    ニヒリズムの誕生
    貴族的な価値判断
    〈社会〉について
    フーコーの「生‐政治」
    「生‐権力」
    「大人になったら何になりたいの?」
    自殺を禁止する理由
    〈社会〉は私たちを苦しめるために存在しているのか

    「私」はどこで、どのように生きているのか:
    ハイデガーの「世界劇場」
    私たちは「役割」を演じている
    耽落
    「仮面」の下にある顔
    相互存在と共存在
    「役者を辞めることを決意しつつ、役者を続ける」
    リオタールの「大きな物語への不信」
    人とは、「物語駆動装置」である
    〈物語〉は、社会に生きることによって習得される
    「大きな物語」を信じられなくなった
    ポストモダン社会の物語
    物語を生きる
    「辛さ」と「疲れ」
    絶望はどういうときに起きるのか
    私たちは一回性の現象を生きている
    「時間経過によっては解決されない」ということ
    「捨てられない物語」を生きる幸福
    物語を遂行することの意味

    「私」とは何か:
    〈私〉という概念
    〈私〉と〈身体〉
    「私」は「私の姿」を恥じる
    《私》――「私」という存在の中心にあるもの
    ウィトゲンシュタインの「言語ゲーム論」
    「主体」としての〈私〉
    人は「言語という制度」に従って行動する
    〈私〉という言語ゲーム
    束縛から逃れる
    〈言葉〉と〈価値〉の束縛から逃れる
    〈物語〉と〈世界〉の束縛から逃れる
    〈社会〉の束縛から逃れる
    〈私〉と〈身体〉を所有する

    「私」にとって、「他者」とは何か:
    レヴィナスの〈他者〉
    実存すること
    位相転換
    他者によって「境界」が発生する
    孤独と自由
    《私》による「境界」の維持
    〈他者〉の了解不可能性
    死者を「なでる」という行為が意味するもの
    「ともに生きる」ということ
    なぜ人は顔を露出しているのか
    ゴフマンの「共在」
    「相互関係秩序」という束縛
    アガンベンの「共同性」
    ナンシーの「声の文有」
    自分の「居場所」がないことの意味

    「私」が「生きる/死ぬ」ということの意味:
    「ともに闘う」ということ
    ドゥルーズの「あいだにおける――闘い」
    「外部における闘い」と「内部における闘い」
    〈他者〉とともに闘う
    「正しい」ということ
    「真の正しさ」ではなく、「より正しい」方向へ
    私たちの「正しさ」は「超越確実性言明」が支えている
    《私》の存在を支えているのは〈他者〉である
    「共振」のエネルギー
    「私」が《私》となる瞬間
    弱い「超越確実性言明」
    正しく死ぬ/正しく生きる
    〈私〉は「死」によっては消滅しない
    「死ねば楽になる」は正しいのか
    正しくない自殺
    正しい自殺

  • 図書館で借りて途中まで読んでみたけど、難しすぎてさっぱり分からなくなってきた。読了は極めて難しい。第三章に入ってからもう何にがなんだか…「私」って一体なに???
    自分には哲学という学問は向いていないのだろうか…。

  • 「私」の問題とは何か◆「私」を縛るものは何か◆「私」はどこで、どのように生きているのか◆「私」とは何か◆「私」にとって、「他者」とは何か◆「私」が「生きる/死ぬ」ということの意味

  • 言いたいことはわかるし、論理的な説明で展開されていて分かりやすいが、もっと超越確実性言明について言及するべきだし、説明不十分な気がする。こういう考えもあるのかな、程度。実生活で使えそうな考え方はあったのでそれは良かった。

  • 筆者の読者に対する真摯な姿勢と思いやりが感じられる一冊。世界を生き抜くための武器が欲しい方におすすめ。哲学や思想に馴染みがなくても、丁寧に書かれているので読みづらさはあまり感じないと思われる。

  • とかく分かり難くなりがちな分野の本としては平易な文章で読みやすかったです。が、これを自分の物にするには何度か読み直す必要があるな。

    一つ腑に落ちたのは、「私」が存在する為には「他者」が必要であるということ。
    人嫌いで、出来るだけ人と関わらずにいたい私でも寂しいという感情から逃れられないのは、《私》が発する危険信号だから、か。

  • 自分が本を読み出すきっかけとなった本。
    非常に面白かった。

    「わたし」というものの成り立ち。

  • [ 内容 ]
    自殺には、「正しい自殺」と「正しくない自殺」がある―「私」の問題を徹底的に考える。

    [ 目次 ]
    序章 「私」の問題とは何か
    第1章 「私」を縛るものは何か
    第2章 「私」はどこで、どのように生きているのか
    第3章 「私」とは何か
    第4章 「私」にとって、「他者」とは何か
    第5章 「私」が「生きる/死ぬ」ということの意味

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    [ 参考となる書評 ]

  • 結構もとになってるかも。
    「他者」と「自己」に対する考えとか。

  • <他者>がいないと、論理的に<私>もいないということの説明らしいが・・・。

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著者プロフィール

1961年、東京都生まれ。早稲田大学教育学部教育学科教育学専攻教育心理学専修卒業。早稲田大学大学院文学研究科心理学専攻修士課程修了。早稲田大学大学院理工学研究科電気工学専攻電子通信工学専門分野博士後期課程単位取得満期退学。フェリス女学院大学文学部コミュニケーション学科教授。著書に『現代思想のコミュニケーション的転回』(筑摩書房)『世界をよくする現代思想入門』(ちくま新書)『難解な本を読む技術』『私のための現代思想』(以上、光文社新書)など。

「2022年 『哲学史はじめの一歩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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