バール、コーヒー、イタリア人―グローバル化もなんのその (光文社新書)

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著者 : 島村菜津
  • 光文社 (2007年3月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334033965

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バール、コーヒー、イタリア人―グローバル化もなんのその (光文社新書)の感想・レビュー・書評

  • イタリア・バールマン協会 アンジェロ広報部長のことばが印象的。

    「僕はね、バールマンというのは、とてつもなく大切な仕事じゃないかと思ってるんです。客の立場になってみれば、バールというのは、街の入り口、覗き窓ですよ。どんな街なのかな、ということを知るための要所なんですよ。つまり、たまたま立ち寄った一軒のバールで、街の印象はがらりと変わってしまう。そうじゃないですか」

    「店が人を惹きつける力は、結局、バールマンと言う人間にあるんです。その観察力、目と目で交わす会話、そこから生まれる小さな信頼関係です。それがなければ、僕らは、カフェを入れるだけのただのマシーンと変わりありません。日に何百杯もエスプレッソを淹れて、注文通りのカクテルを作り、その間に皿とカップを洗う。こんな重労働はないですからね。客が自分を信頼して通ってくれるという張り合いが、この仕事の本当の面白さでもあるんです」

    店づくりは、まちづくり、なんだよなぁ。やっぱり。

  • ◆バール(BAR) はどんな場所かというと、じつはなんともいえない。字のとおり酒を提供するバーかと思いきや、コーヒーやパニーニを提供するカフェやコーヒーハウスともいえるし、生活必需品を提供するコンビニでもある。なにより、その地域の人はもちろん観光客も集まる情報の拠点(本書の言葉を借りれば、”共同体への入り口”)。そこにいるバールマン(バリスタ)は、コーヒーやお酒に関する知識を備えたスペシャリストというだけではなく、共同体の入り口を守る番人というべきかもしれない。

    ◆他方で、バールをモデルにしたスターバックス(おそらく、ドトールも)との違いも明らかになる。それは、徹底してマニュアルと画一化を嫌うイタリアの気風だ。その地域にはその地域のメニューがあるし、客が気まぐれに注文したものも出来る限り対応する。一般には「全国どこでも同じ品質」で「素早く提供される」ことは便利なことだけれど、イタリアはそれを徹底して拒否する。この点でバールは「グローバル化」とは異なる信念に根付いているし、バールをモデルにしたこれらのチェーン店とバールは大きく違うのだと思う。なんとも面白い。

    ◆それにしても、イタリアではチルコロなどの社会的な活動が活発なのに、どうしてフェアトレードは下火なのか。気になる。

  • 読みやすい。パラパラとイタリア行の飛行機で読み終わった。
    フェアトレードに全く興味が無かったけど、知らないふりして安い商品を買うのってやっぱ悪いことだよな…
    実情を知りつつも商品化して利益がっぽりのメーカーにお勤めの方の心中を聞いてみたい。

  • イタリアのバールのことをもっと知りたくて読んだ一冊。バールの奥深さを知ると共に食と伝統を重んじるイタリアの頑なな姿勢とこだわりに改めて敬意を示したくなった。バールマンになることは狭き門のエリートというのも驚き。バールって本当に面白い。

  • 硬軟織り交ぜてBARとイタリアのコーヒーを眺められます。
    エスプレッソとは?
    BARの発祥は?
    素朴な疑問の答えから始まります。

    その先はBARの複雑な横顔を紹介してくれます。
    カフェを飲む場所としての顔と一杯飲み屋としての顔。
    さまざまなバールの紹介。コーヒーにまつわる名言集。
    イタリア人がコーヒーを飲むようになった歴史。
    世界的商品としてのコーヒー豆。

    BARを支えてきたのは、溜まり場感覚だと思います。
    仕事の合間に、仕事帰りでも、ふらりと立ち寄ると、気心しれた BAR Man がいて、客にも顔見知りできて、自然と言葉を交わすような。
    それでいて、一見でも敷居の高さを感じない気安さ。

    この「仕事の合間に」が案外BARの肝のような気がします。

    立地によって、BAR Manによって、客によって、生き残る店のタイプが自然淘汰されて、さまざま。

    エスプレッソのように小ぶりながら意外とコクのある1冊です。

  • イタリアにはスタバは入らない。。

  • コーヒー好き。イタリア好き限定本です。
    両方好きなら、何度も読みたくなり、挙句の果てにイタリアまで
    行ってしまうでしょう。
    それくらい、情報盛りだくさん。
    カフェも文字だけで勧められているので、
    想像力をかき立て、旅情を誘います。

  • スローフード発祥の地イタリア独特の店『バール』をスローフードを日本に紹介した著者が語る本。
    カウンターのある飲み屋でもなく喫茶店でもない、その土地に馴染んだ独特の空間は読んでいて「行って見たい」と思わせられるほど魅力的でした。
    仕事に誇りを持つバールマンの話や歴史からコラムでのこまごまとした情報、世界の情勢とコーヒーの関係と幅広く扱われていました。

    余裕のある人が1杯のエスプレッソを注文して2杯分の代金を支払い、窮した人がその1杯分の代金でエスプレッソを口にできる『カフェ・ソスペーゾ』がとても素敵でした。
    リーマンショック、通貨危機とこの本が書かれてから起きたけれどこの素敵なシステムが残っているといいなぁ、と思います。

  • イタリアには電車のホームでフラフラしているような酔っ払いがいないと言います。バールがあまりにも身近にあり、家のすぐそばで引っ掛けるから、なのです。
    趣味の発信も打ち合わせもバール的なところから行われ、飲食なしの会合などそもそもありえないと。そして、スターバックスを小馬鹿にした(あるいは知らない)態度。
    日本のバール風なところや、会合と飲食が組み合わさっているものは、グローバル的視点、経済的視点からの取り組みが多く、歴史あるご近所のお店とはまるで異質で、これからも多分異質なままでしょう。イタリアが、なかなか羨ましい。
    この本の通りなら、まさに「グローバル化もなんのその」ですが、書かれて数年たち、「金融危機もなんのその」になっているのか、気になります。お上が悪いことをしてもなお、お上に期待する我が国とは違い、なんのその、になっている、ような期待をします。

  • イタリアのバールに行ってみたくなった

  • コーヒー文化を取っかかりにイタリアという世界を覗く試み。
    最後の方では
    コーヒー豆のフェアトレードの話題が出てきたりして、
    いろいろタメになりますが、一番唸ってしまったのは、
    ナポリの古いしきたり(?)「カフェ・ソスペーゾ」。
    もう廃れてしまったのでは?と言われているそうですが、
    是非、残っていて欲しい風習ですね。

  • コーヒーとイタリア文化とスローフードが説明された本。筆者がしっかりと足を使って体感してきたことがわかる。旅にでなくてもイタリアの裏路地バルの常連と対話できる。

  • なんだろう。この書の主題を特定できない。
    断っておくが「良い意味」で、だ。

    バール社会学?
    珈琲文化論?
    イタリア文化論?

    あ、タイトルそのものだ…。

    この夏、イタリア旅行に行くので、その予行演習として手にとったこの一冊。
    なにやら考えさせられるやら、肩の力が抜けるやら。
    でも、なんとなくイタリアの空気に浸れた気がする。

  •  最近、DVDで「ヘタリア」を見てます。
    イタリアも面白そうですね。行ってみたいです。

  • 世界進出をはかる北米発祥のコーヒーチェーンを横目に、ひたすら我が道を往くイタリアのバール。

    著者はイタリア各地のバールでのエピソードはさみつつ、その歴史と発展の陰には、他人と違っていることをよしとするイタリア人ならでは価値観、そして人間力があると指摘する。

    ナポリのバールに残る美しき慣習「カフェ・ソスペーゾ」、いまだに地元の樫の木による薪焙煎にこだわるロースター、誇り高きバールマン(バリスタとは異なる)など、この本を通じて知ったことがらも少なくない。

    街がバールをつくりバールが街をつくる。

    きょうもイタリアの街のいたるところで、ちいさなお店が胸を張って生き生きと仕事に励んでいる。なんと清々しい光景だろう。

  • 食の世界史を読み、イタリアでスローフード運動がおこったということを知ってから、イタリアの食文化が気になったので読みました。
    イタリアのバール文化はすばらしいと思いました。
    なによりもイタリアに行きたくなった。

  • [ 内容 ]
    バールとは何か?
    単にお酒を提供するカウンター形式の店でもないし、喫茶店とも少し違う。
    コーヒー(エスプレッソ)に軽食でも大丈夫なら、お酒におつまみでもかまわない。
    気軽に入れる立食中心の店で、時にケーキ屋やジェラート屋、タバコ屋、トトカルチョ屋、コンビニにも化ける。
    そんなバールが、人口五八〇〇万の国に、個人経営の店を中心に一五万五六〇九軒も存在する(二〇〇六年)。
    そして、イタリア人の九八パーセントがバールを利用し、外食費の三分の一をも投じている。
    イタリアの象徴、そして、スタバ化、マクドナルド化に抗う最後の砦としてのバールの魅力を、書き尽くす。

    [ 目次 ]
    第1章 イタリアのバールとは?
    第2章 バールをめぐる大疑問
    第3章 わがままな注文が、ファンタジーを育てる
    第4章 一杯飲み屋としてのバール
    第5章 みんな違って、みんないい、地方色の豊かさ
    第6章 イタリア人がコーヒーを手にするまで
    第7章 コーヒーをめぐるおもしろ名言集
    第8章 コーヒーの経済学
    第9章 イタリアのバールに学ぶ、グローバル時代の航海術

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • コーヒーについてまとめるだけで、こんなに世界の歴史まで知れるとは。
    コーヒーってすごい。

    覚えた事。
    アラビア種:高い
    ロブスタ種:安い
    飲もう。
    cafe coretto:
    グラッパ、ブランデー、ラムなどを入れる。

  • イタリアのバールに行ってみたくなったキッカケの1冊。

  • イタリアについての社会的役割・文化的側面についてバール・コーヒーを通して考察されている、面白い一冊。
    コミュニティが構成される途上でバールが果たしてきた『場』という役割は、その性質に大きく影響していることがわかる。そこは情報交換を行う社交場として、また無意識に文化を継承する器としてイタリアに「ある」のだと思う。
    しかし、それとは反対にアメーバのように柔軟にその空間に対応する側面ももつ。だからこそ長く、かと言って巨大化もせずそれぞれが時間を紡いできたのだと気付かされる。
    いつか、何をするわけでなくフラリとそんな『場』を訪れてみたいものだ。

  • イタリア行きたい!と素直に思わせる本ですね。

    グローバル化企業、ファストフードが勢力を強める中で、そういったものが全然流行らないイタリア。

    彼らのコーヒー(エスプレッソ)に対するこだわりにはただただ驚き、今までコーヒー大好き、スタバ大好きとか言ってた自分が恥ずかしくなりました。

    一方でコーヒーの起源や経済側面からの話もあって、なかなか読み応えがありました。


    コーヒー好きには結構オススメです◎

  • コーヒー、バールという週刊を通じてイタリアの文化の一端に触れることができる。

  • おもしろかったー
    なんだかコーヒー全般のいい知識本になりました。
    ごちそうさまっ

  • 知識として、とても為になった。「新書」って感じ。楽しかった。

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