iPhone 衝撃のビジネスモデル (光文社新書 302)

著者 :
  • 光文社
2.83
  • (5)
  • (14)
  • (86)
  • (24)
  • (12)
本棚登録 : 325
感想 : 43
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034023

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • [ 内容 ]
    Web2.0が喧伝されて、かなりの時間が経つ。
    グーグルの影響力は変わらず増大しているし、アマゾンも市場への浸透を拡大している。しかし、オプティミズムに彩られた予測は数を減らしつつある。
    グーグルの収益構造は基本的に広告から離れられず、SNS(Social Networking Service)はどう収益を導くか模索中である。
    収益モデルが確立できずに技術だけが洗練されていくマーケットから、ジョブズはiPhoneによってキャッシュを得ようとしている。
    どういう方法で?携帯電話の居場所を電話機からオーグメントにシフトさせることによってである。

    [ 目次 ]
    第1章 iPhoneの衝撃(アップル概論 iTunesの成功がもたらしたもの ほか)
    第2章 Web2.0の幻(Web2.0の本質は技術ではない セマンティックWeb ほか)
    第3章 ユビキタスの挫折(サービスポイント増加の歴史 メトカーフの法則 ほか)
    第4章 クール!iPhoneのインタフェース(ユビキタスの二つの解釈 分散インタフェースモデル ほか)
    第5章 iPhoneが拓く新しいビジネスモデル(Web2.0的なサービス、技術はある。だが、Web2.0的な収益モデルはない 情報を創造するモチベーション ほか)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • iPhoneで検索して読んだんですが、そう言う本ではなく裏切られた。web2.0, ユビキタス、インターフェース、ビジネスモデルの本。勉強になりました。

  • iPhoneについての本かと思って購入してみたが、インターネットサービスへのインタフェースとしての携帯電話の可能性、そこに関わるキーワード、ビジネスモデルについて書かれていた。

    内容的に特に目新しさはない上、iPhoneを神格化してしまっている感じを受ける。本来、スマートフォン(携帯電話)全般が持つ機能、可能性をiPhoneだけが持つかのような印象を与える書き方をしている。また、実現されるサービスと実現可能性があるサービスがごちゃ混ぜというのも気になるところ。

    タイトルだけ見て買ってしまって、ちょっと後悔。ふと気づけば、やはり書名に惹かれて購入したが期待外れだった「暗証番号はなぜ4桁なのか?」と同じ著者…。

  • 書名は不適当。

    WEB2.0、ユビキタス概論とした方がよかったのではないか?

  • タイトルでiPhoneに限定してしまってるのは勿体無い。Web2.0とユビキタスとガラケーの閉塞感を新しい端末が如何にして破壊するか、という時代のお話。今読むと過去、現在進行形、未達成の部分が重なり合ってて面白い。一度は振り返って置きたい一冊。

  • 情報機器が持つ潜在的な計算能力のすべてを使いこなすのは、それを飯の種にしている専門家かギーク(技術耽溺者)で十分である。

    モバイル2.0は、個人志向を強めるネットワークの中で、より個人的に最適化したネットワーク接続環境とコンテンツの提供を実現する。
    しかし、こうした社会変革や技術革新のモチベーションが、広告を中心とした古い収益モデルに還元されるのであれば、モバイル2.0は本当に個人や新興組織をエンパワーする仕組みにはなりえない。

    「人は、“夢想(ファンタサイズ)したい”と”コミュニケートしたい”という2つの欲求を持っています。重要なのは、ファンタジーとの接触が持てるか否かなのです。」(アラン・ケイ)
    ある製品を成功させようと考えた時、コミュニケーションとファンタジーの増幅装置(アンプ)として機能するものを作るべきだ。

    集合知の功罪−相応しい場面とそうでない場面は、厳然として存在

    ┌ベストエフォート(最善を尽くすが保証はしない…インターネットの根幹思想)
    ├フォールトトレランス(欠陥が生じてもそれをカバーする設計思想)
    └フォールトアボイダンス(欠陥を許さない設計思想)

    求められるシーンは異なる
    リナックス −集合知○
    辞典 −集合知×

    情報や知識の対価をゼロにしてはいけない。
    情報がその付随的価値によってしか対価が得られないシステムでは、情報にバイアスがかかるか、真にクリエイティブな情報を創る人がいなくなる可能性がある。

    日本企業に永遠のβ版は作れるか。

    技術は置き換え可能だが、モチベーションは置き換えできない
    神は技術という細部には宿らない

    ウィンドウズに先駆けてウィンドウズシステムを開発した日本企業
    なぜ先んじて市場に問わなかったか。結局リスクを取らなかったからである。その覚悟もモチベーションもなかったのである。
    それでは世界を引き寄せるような製品は作れない。

    マイクロソフトの製品など何十年も前から永遠のβ版。だがマイクロソフトはβ版を出し続ける。

    モチベーション以上に日本に圧倒的に不足しているのは、技術開発の方向性を示すグランドデザイナーである。
    ジョブズは、経営者としては傲慢で地に足がついておらず行き当たりばったりだし、技術者としての力量は未知数だが、優秀なグランドデザイナーだ。
    技術がどう発展したら楽しくなる(ついでに懐も潤う)のかを的確に突き止め、わかりやすいビジョンとして技術者や利用者に語れるタレントをもっている。
    Think Different

    ケアのもっとも重要な基礎は、その反応にあるのではない。それはむしろ病についてその患者が語る談話にある。
    医者は、疾患を診断するためにその談話に耳を傾けるという(「患者の言うことに耳を傾けよ、患者は診断を語っているのだ」)

    病の内容に注目する代わりに、病の意味の構造を探るべきだろう。

    「心気性」=疾患のない疾患 アイロニックな病い
    ”病気になってどんな気持ちか、と尋ねてくださってうれしいです”

  • 衝撃のビジネスモデルと書いておきながらその内容にあまり触れなかったように感じる。

  •  「電話を再発明する」との有名なジョブズの言葉は知っていたが、本書を読んでもアイフォンの「衝撃的なビジネスモデル」は感じられない。
     一時代前からみれば、確かに「衝撃」なのだろうが、それを現在でも誰の目にも見えるように展開しなければ新書を出す意味がないと思える。
     本書は、残念な本であると思う。

  • WEB2.0ってのが、コンピュータ音痴の自分には分かりづらい。
    概念的なもののことなのか?
    SNSが発達したことで、今まで企業側から一方通行だった宣伝などが、消費者間でも可能になったってこと?

    2007年にここに記されているiPhoneの未来は、現在2013年の世には正に予想通りもしくはそれ以上に流通している。

    どうなっていくんだか。
    いつの日かiPhoneが時代錯誤になる日がくるのかね。

  • メモ
    ・メトカーフの法則(ネット人口が増えるほど便利になる)
    ・携帯電話は通話時間によって課金されても「しょうがない」と思える土壌がある

全43件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

中央大学国際情報学部教授

「2021年 『デジタル/コミュニケーション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岡嶋裕史の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×