問題は、躁なんです 正常と異常のあいだ (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 330
感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034429

作品紹介・あらすじ

奇妙な言動、不可解な事件の裏に…。躁を知ると人間理解が深まる。"国民病"の「うつ」と比べて、知られざる「躁」。その奥深い世界を、初めて解き明かした一般書。

感想・レビュー・書評

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  • 躁鬱病というが、躁の方が治りにくい。それというのも躁になった人は楽しくて仕方ないらしい。自分はなんでも出来るのだという全能感で、欲しいものはすぐに購入する。金など気にしない。気に入らないと怒鳴り散らす。自分は病気だとはちっとも思わない。
     病院にも行かないし人の忠告も聞かない。薬は飲まないとやりたい放題だ。困るのは家族やそれに巻き込まれた人である。

  • 著者が診察で診断した患者や見聞した話や芸能人有名人たちの躁の症状を上げている。実例や事件を起こした人物の生き方など、狂気を匂わす言動の数々が薄ら寒く感じさせる。有吉佐和子よ… 映画無責任男のモデルと言われる人物の生き様に驚き呆れる。  文中にあるが「俗物さ加減露呈させる」「チープな欲望を剥き出しにする」という典型的な例ばかりで精神病というのは類型的だとつくづく思う。。  著者の語りは自分としては表現や言い回しに感心する部分があり好んで読むが、時々強烈な底意地の悪さを見せるので人によっては嫌うだろう。

  • 「うつ」に対しあまり話題にならない「躁」について書かれた本。
    「躁」について精神科医の視点で書かれており、リアルな感じが伝わってくる。
    「躁」についての一定の知識は得られる。
    ただ、犯罪などを例に「躁」と関連付けて書かれている部分は、著者の推論であり、しっかりした根拠のあるものではないことに注意は必要である。
    「躁」といっても軽度〜重度と幅が広く、軽い「躁」は健常者でも当てはまる部分が多い。
    どこまでといった線引きの難しさを改めて感じる。
    しかし、読んだ後に不安感が増すような感じがして後読感は良くない。

  • 2022/05/31

  • 医学側の人物が書いた本ということで読みはじめるといささか虚をつかれる。タイトルにある「問題は、躁なんです」とはともすると作者自身への自己言及なのでは、と訝しんでしまう。正常と異常の極の間を行き来しているのは、患者として認識されている者ばかりではないのだとでも言うようだ。しかしそれが、この本をただの医学書ではないスリリングな読み物たらしめる魅力となっている。面白い。

  • 鬱についての本は多いが、躁に関しては表立って言えないタブー的なものでもあるのか(ありそうな気はする)、その辺りも含めとても明解で歯切れのいい気持ちになれた。(近親者に該当者がいたので他人事ではない)思ったまま、事実のままを知人などの第三者に言うと「酷いかぞくだ」「そんな風に言うものじゃない」と窘められる。20年前の自分に読ませてあげたかった。

  • 著者の躁にまつわるエッセイとでもいうべき本。躁への対処方法など期待する人は読まない方がよいです。,著者は、精神科医の割には、躁状態を露骨に嫌悪しているようで、救済しようという気持ちが感じられず、非常に読後感が悪いですね。,,図書館で借りました。

  • DVTで小田原の病院に入院した時、縄ちゃんが差し入れてくれた本。読んでいなかったが、某クレージー野郎の事件で読んでみる。「うつ」は先が読めるし自覚症状もあるので治療しやすいが、「躁」と「人格障害」は自覚がないので治療に難渋するというのは、最近とても感じていたこと。プロである精神科医にとっても同じことなのだと納得。

  • うつ病に対して取り沙汰されることの少ない躁病について書かれた本。
    過去に起こった事件の犯人を躁病という観点から紹介する項目は、それはちょっとこじつけなのでは…?と思ったところもあったけど、中島らもや有吉佐和子のエピソードは面白かった。あとゴリラ少女については思春期の黒歴史の一幕としてほっといてやれよwと思った。
    確かにうつ病に比べ躁病は病気なのか個性なのか判断がしづらいし、本人が病気と感じていないところが治療の難しいところだと思う。

  • 2014年6月25日読了。

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著者プロフィール

1951年生まれ。産婦人科医を経て精神科医に。現在も臨床に携わりながら執筆活動を続ける。

「2021年 『鬱屈精神科医、怪物人間とひきこもる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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