- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334034511
感想・レビュー・書評
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[ 内容 ]
真剣-初めてそれを手にした時、老若男女を問わず、みな目を輝かせ、喜びにあふれた表情をするという。
人の心の奥深くにある、最も原始的で純粋なところをぐっと掴んで放さない、「真剣」の魅力とは何か。
試斬居合道の道場を主宰する著者が、その真髄を伝える。
[ 目次 ]
第1章 剣の道
第2章 礼と黙想
第3章 心の眼-「目付」その一
第4章 剣禅一如-「目付」その二
第5章 一刀両断
第6章 すべてに活かす
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おもしろかったポイント:
常に死を忘れない=武士道。死を忘れて油断する心があるから慎みもなく人の気に障るようなことを言う(24)
宮本武蔵。観見の目付。本質をみる観る目(観の目)と表面の現れるあれやこれやを見る(見の目)の二つがある。(122)
自分を客観視/客体化できない人は何かあるとすべてを他人のせいにして、自らを省みることがない。思い込みにとらわれて都合のいい事実をつくりあげ周りも巻き込む。我欲と我執などの我を捨ててまったく自由を得る道が剣の道(134)
武蔵:固定して固まってしまうことを居着くという。たとえば剣を持つ手が常に固定化してる状態。これをもっとも忌み嫌う。(163)
空を識るとは。物事は常に変化している。固定=居ついて対応できるものはない。すべては関係性の中で変化し続ける空を識ることが大事。居ついた自我や太刀捌きで戦うと必ず破れると武蔵はしっていたから空を識るを重視。空を識るとは固定したがる己の身体や心をことごとくぶちこわす行為(164)
一念に徹して斬る。的(仮標)を前に斬ろうとするといろいろなことを考えてしまう。それはしょうがない。が、いざ仮標の前にたった瞬間は斬るの一年に自らを徹すること。斬るになりきること。かといってわき上がる感情や想像を押し込めようとしてもだめ。(169)
剣の道の真剣勝負の究極は誰かと戦うことではなく自分自身との真剣勝負。勝ち負けや斬れた斬れないの二律背反の相対境で迷い苦しむことではない。二律背反の相対境を一刀両断で切断することが剣の先達の境地。(177)
自我は確立していくものか?それとも捨て去るものか?いちいち自己主張して自己を確立するというのは心が自由でない。自我への執着を捨て去ること(186)
己に執着することなかれ。我執がわいてきたら便所に流すがごとくじゃあーっと放下する。この繰り返し(187)
剣においては剣を。禅においては禅をただただやってきた。ただただやってきた、それも身体性をともなってというところが重要。乗りかかったら最後、文句抜きにして捨て身でただただやり抜くこと。己の勝負は己で雌雄を決する=てめえのケツはてめえで拭く。(210ー212)
ただの馬鹿ではなくただただ馬鹿に徹する(216)