グーグルに勝つ広告モデル (光文社新書 349)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034528

作品紹介・あらすじ

「テレビCM崩壊」「ネットに飲み込まれるテレビ」「新聞の役割は終わった」「広告代理店は生き残れない」など、マスメディアにおけるビジネスモデルの危機が喧伝されている。実際、2007年にはインターネットの広告費が雑誌の広告費を抜いた。加えてテレビ、新聞、雑誌、ラジオのマスコミ4媒体広告費がいずれも前年割れしたのに対して、インターネットの広告費は124・4%の伸びを示した。このような状況で、既存のメディアはどうビジネスモデルを変えればいいのか?またインターネットを有効活用するには?新進気鋭のコンサルタントが、その道筋を明確かつ具体的に提示する。

感想・レビュー・書評

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    グーグルに勝つ広告モデル~マスメディアは必要か~ (光文社新書)
    by 岡本 一郎
    グーグルというのは不思議な会社で、何も新しいコンテンツをクリエイションしません。彼らは、自分たちのミッションを「世の中の情報を整理しつくす」と定義していますが、本当にそのとおり、整理するだけで何も生み出していないのです。  そういう会社の時価総額が 10 兆円を超えているということを、我々はどう考えたらいいのでしょうか?  端的にいえば、社会全体が、膨大になりすぎたコンテンツや情報を整理することに対して、高い付加価値を見出している、ということなの

  • 1章 マスメディアの本質は「注目=アテンション」の卸売業
    2章 アテンションのゼロサムゲームから脱却できるか?
    3章 マスメディアの競合としてのインターネットメディア分析
    4章 4マスメディアvs.インターネット
    5章 テレビvs.インターネット
    6章 オンデマンドポイントキャスト事業の提言
    7章 ターゲットメディアとしてのラジオの確立
    8章 情報のコモディティ商戦から新聞は抜け出せるか
    9章 ネットとの差別化に特化する雑誌
    10章 合従連衡によってプレイヤーの数を減らす
    11章 なぜ、それでもマスメディアは必要なのか
    12章 コンテンツ論
    13章 マーケッターに求められるパラダイムシフト

  • ・メディアに使える時間は、一日5時間。
    ・テレビは一人1台時代。
      2010年は、1世帯あたり2.6人で2.5台
       家計消費の動向 内閣府
    ・視聴者のニーズ=タイムシフトと編成権
    ・ファーストエントリーである必要はない
    ・万人受けより少数に刺さるものがよい。

  • 電通 中興の祖 吉田秀雄 鬼十則
     自ら行動を起こせ、安住するな

    韓国はテレビ局によるオンデマンドポイントキャスト始まっている

    慌てものの誤謬 一回たまたま失敗したのを、そもそもダメと考えてしまうこと 第一種の誤り 帰無仮説が正しいにもかかわらず棄却してしまうこと

  • 久々に良いものを読んだ.
    メディアとマーケティングについて,分かり切っていることも含めて,大変詳しく説明してくれている.
    著者の主張もその根拠も非常に明確である.
    大変参考になった.

  • グーグル云々というより、今後のIT業界の潮流を見据えた上で、現行の国内メディアビジネスの限界を記述した一冊。

    2008年なので、スマートフォンやタブレットなどが普及する前なので、今から見るとその点で多少粗が見えるが、全体的には流れを捉えていて勉強になった。

  • 結局のところ「グーグルに勝つ広告モデル」はあるのかないのかがしっくりこなかった。
    ただ、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌の既存4大メディアがどのような役割を果たし、どのような状況にあるか、非常によくまとまっており、秀逸な本であった。

  • この本が出版されたのは2008年で、読み終わったのは2012年である。いわゆるICTの世界は様変わりしている。どれだけ著者の言っていたことが実際のものになっているだろうか。ICTの世界での一つの技術革新が世の流れを大きく変えてしまうことを強く感じる。
    題名に「グーグル」がはいっているが、これはグーグルという一つの企業をさしているのではなく、グーグルのようなビジネスモデルで商売をしている企業一般をさしていると考えた方が良い。12年現在では、ほとんどのインターネットをツールとして事業を行っているい企業は当てはまるのではないだろうか。そういった企業に対して、旧来から存在しているマスメディア企業がどのように立ち向かっていけばいいのかを論じているように思えた。提案されている対策も、今後10年程度は通用するが、30年以上は到底通用しないのはないだろうか。現在、いわゆる団塊の世代をマーケットとして捉え直そうとい話が多い。しかし人間は必ず死ぬ。団塊の世代もこの運命からは逃れられない。ということはこれから20年程度は彼らをマーケットとして考えることができるが、その後は存在しなくなる。その層を当てにした話は、単に時間稼ぎの話でしかない。今後の10年ほどはそれで食いつなぎ、その間に対策をきちんと考えるということをしない企業(業種)は、結局は衰退してしまうと思う。そういうことを考えながら読むと、かなり物足りない内容であると言わざるを得ない。
    また本書の論調は、どうも新しい社会基盤にどう向き合っていくかという姿勢が乏しいように感じた。新しくて、便利な仕組みが考案されれば、それを取り入れなければ、必ず競争に負けてしまう。その新しいものを積極的に取り入れようという姿勢が見えず、「インターネット」というなんとなく良くわからないものがいろいろと社会をかき回しているので困るという考えを少し感じた。
    私の読んだ版では、誤字・脱字があったように思う。それと「インターネット」」と書いているかと思えば「ネット」と書いているという用語の不統一が非常に気になった。言葉を粗末にしているような印象を持ってしまったのが残念である。

  • 広告代理店出身で、現在はメディア関連の研究所を主宰している岡本氏の著作。インターネット、とりわけグーグルを筆頭にしたネットメディアの普及と、それに伴う四大メディアへの影響等につき、著者独自の視点から考察をしている。特にテレビの今後については非常に興味深い持論が展開されており、テレビコンテンツが消費者のタイムシフトと編集権のニーズに対応するかたちで部分的に消費されるようになるだろうという予測は非常に優れている。一方、マスメディア崩壊と民主主義の崩壊の関係性や、ネットにおける共感的メディアの欠如といった指摘は、必ずしもそうではないと思われた。いずれにせよ、今後のマスメディアの展開について多くのヒントを与えてくれる良著であることは間違いない。一読をおすすめする。

  • 「メディアの戦略が詰まった一冊」
    ・インタレスト(能動的な興味関心)ビジネスモデル←→アテンション
    ・マスメディアの売り上げはアテンションの数に比例する
    ・視聴者のニーズは、タイムシフト(好きなときに見たい)編成権(好きな部分だけみたい)
    ・プロダクトプレースメント=番組内で商品の紹介 これはコストが高くなる。
    ・一般週刊誌→ちょっとした時に読む物 だから携帯でのゲームやネットで喰われる
    ・雑誌にはモビリィティがある→すぐに読める しかし携帯ではモビリティも持ち合わせる
    ・週刊誌の速報は、ネットよりどうしても速報性が劣る

    ・その中でもビジネス誌は好調である
    ①ネットでは手に入らない情報があるから
     「LEON」高年収男性がターゲット 0.1%の層になる
     しかし実際は、その層へ憧れる層が雑誌を購買している。
    ②拡大しつつある格差幻想を刺激する

    ・ウィキ みんなが代価を払って育んだ知恵の塊である。
    ・民主主義の基本→自由な言論と集会
    ・マスメディアはこの二つを生む。ネットだけであると知識が偏り議論に消極的になる。
    ・議論には、偶発接触性が求められる。

    マスメディアに対しての情報が多く、マーケティングの実例を知りたい時に読む一冊。

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著者プロフィール

東京都生まれ。放送作家・童話作家として活躍中。絵本作品には『くろねこめいたんてい』(学研)、『おともだちになってね』(金の星社)、『ワニーさんのおまけつきレストラン』(ひかりのくに)など多数ある。

「2020年 『イソップのおはなし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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