「生きづらさ」について (光文社新書)

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  • 光文社 (2008年7月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034610

「生きづらさ」について (光文社新書)の感想・レビュー・書評

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  • 「生きづらさ」というタイトルに惹かれて購入した本です。
    新しい貧困問題について,当事者の視点に触れています。福祉事務所等がこれらの貧困問題に対して対応できていないことについても書かれています。生きづらい状況について,心理的なことと社会的なことが関連していることについては分かりますが,ナショナリズムとは強引に結びつけているという印象です。確かに,社会システムや国の施策と大きな環境があるのですけど。

  • 貧困、アイデンティティ、ナショナリズム
    http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334034610

  • S368-コウ-358 300026812
    (光文社新書 358)

  • この本を読んで思ったのは、自分は恵まれているんだと思った。私は新入社員の頃それほどコミュニケーション能力もなかったので、時代が違えば、非正規でワーキングプアをやっていたかもしれない。そうなってしまうと這い上がることは難しく、今のような生活を送れていなかったかもしれないと思った。あと、非正規だと代わりはいくらでいると言われ、自分のアイデンティティを確立できないので、いきなり国家に所属するという思考に飛躍するというのも、今日の右傾化と相関がありそうなのは納得した。

  • 雨宮処凛・萱野稔人"「生きづらさ」について"を読む。

    労働者の貧困についての言説で知られるジャーナリスト雨宮氏と津田塾大で権力構造の研究を行う萱野准教授との対談。

    雨宮さんといえば、いじめ経験、居場所を求めての右翼団体入り、のちの労働問題から左翼への転向という経歴で、なにやら薄っぺらいサヨくささを感じるイメージでしたがあにはからんや!少女時代のいじめ経験を振り返り、そこに構造的分析を行う目線は冷静そのもの。

    いじめ経験を振り返り語る、クラス内での過剰な同調圧力、生きづらさの根源。不機嫌な職場に通じるものがあります。

    【引用】
    ◯空気を読んでいるときが一番きつかったともいえますね。…教室内や部活内のいじめがいつ自分に来るんだろう、と日々ビクビクして過ごしてあましたから。いつか自分にくることはわかっていて、そこから逃れるために一日中神経を使うという状況のほうが、いじめられているときよりもある意味できつかったかもしれない。

    ◯(萱野准教授)いじめは、子供や若者たちのコミュニケーション能力が下がって、人間関係が希薄になったから起こっているのではありません。逆に、コミュニケーション能力がここまで要求されて、何らかの緊張緩和がなされないと場を維持することができないから起こっている。そこで実践されているのは、空気を読んで、相手の出方を先回りし、まわりに配慮しながら場を壊さないようにする、という高度なコミュニケーションです。

  • んー、自己責任で自殺するくらいなら他に責任を転嫁させるべきってのは賛成。
    みんなが生きていけるような社会にするべきってのも賛成。

    ただ、本を読んでいて気持ち悪くなっちゃうのは、社会のせいにしすぎて、努力をするっていうことを一切書いていない。妬み・僻みに見えてしまう。


    読みやすい本ですよ!

  • 所属というのは社会的なものですから、それをひとつひとつ切り取られていくとすると、ナショナリズムに行き着くというのは、想像は難しいもののそういうものなのかな、と納得する面もあるわけで……。そして貧困のスパイラルについて、萱野さん(初めて名前知りました)という哲学者の方が非常に分かりやすくその構造を解析してらっしゃる。特に、ホントかどうか分からんけど郵政選挙の際の巧妙な仕組みですね。これをもっと浅い手段として使っているのが大阪のアレです。

  • リスカはいじめにあってるときにじゃなくて、それが終わったあとにやってた、っていう感じがすごいわかる。

    いとこは車に衝突された時に、痛みがないと思って大丈夫ですよって警察呼ばずにふつうにそこを去ったら、そのあとに痛みがでてきたってゆってたな

    体の傷は自然に治ることあるけど心の傷はほっといても治らなくて、いつが終わりなの?ってゆー底なし沼があるねえ
    いつリスカせんでふつうに生きれる心になるの?
    いつみんなと同じってなれるのか?

    雨宮さんは今も実家に帰ると、外に出づらいとわかって、驚いた。

  • 「反貧困」活動家の雨宮処凛氏と哲学者・萱野稔人氏による朝カル他における対談を収録した本です。「弱い人は生きていなくてもいい」「邪魔なだけだ」という空気が蔓延する社会(P.15)、わたし自身も悩み続けてきた問題に、正面から切り込んでいく対談でした。

    いろいろな話題が次々に出てきます。いじめ、ナショナリズム、フランスとの比較、最低賃金、赤木論文、ブラック企業、新しい団結の事例などなど。逆に言うと対談という形式の制約もあり、ひとつの問題を深く考えるという内容にはなっていない、また少々議論が荒っぽいという印象もあります。

    "いまは学校でも職場でも、誰かと出会うとき、「最悪の出会い方」をしていると思うんです。どこかで人と会っても、それは競争相手であり敵でありライバルであり、そいつを蹴落として自分が上に行かなくてはいけないというのが、人間関係のベースとしてたたきこまれています"(P.163)という雨宮氏のコメントは本質をついているように思いました。

    あくまで個人的な印象ですが、最近はサラリーマンの多くが以前より余裕を失っているようにみえます。「ナメたやつは許せん!」という奇妙なモラルを抱えて生きている人が多すぎるような。かくいうわたしも、甘えた人を見ていると、こういうドロッとした感情を抑えきることは難しいのですが。

    さらに私見を言わせて頂くと、お金や地位をもっている人たちまでが、「ナメたやつは許せん!」という狭量でさもしいモラルにしつこくこだわっているのは不思議でなりません。上にいる人間がこういう考えでいる以上、下にいる人間もそれに従わざるを得ない、そしてそれが末端同士の無益な争いにまでつながっているように感じます。

    「否定する言葉」が溢れ、「肯定する言葉」があまりに少ない(P.165)、そんな社会がうまく回っているのだとしたら、それこそ世も末でしょう。「残念な人」云々というタイトルのビジネス書が書店に並んでいるのを見て、ひどくうんざりしたことを、本書読了後にふと思い出しました。

    (2014/3/24)

  • ○津田塾大学准教授の萱野氏と作家の雨宮氏の著作。
    ○非正規雇用者の労働状況や思想(右翼左翼)関係をテーマに、現代社会の労働のあり方についての対談をまとめたもの。
    ○雨宮氏の非正規雇用(フリーター)やメンヘラーについての考察や指摘は、自身の経験に裏打ちされたものでもあり、大変分かりやすく、また、実態をリアルに伝えてくれるもの。
    ○本書で提示された問題点や課題については、大変本書の発行から5年たった今でも、変わらずに存在し続けており、むしろ、「貧困」への流れなどは加速しているように感じる。
    ○思想云々ではなく、このような現場が間近にあるということについて知るには、大変良い本だと思う。

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「生きづらさ」について (光文社新書)の作品紹介

いま多くの人が「生きづらさ」を感じている。一九九八年以降、自殺者数は毎年三万人を超え、毎日のように練炭自殺や硫化水素自殺のニュースが報じられている。鬱病など、心を病む人も増える一方だ。これらの現象は、現代社会に特有の「生きづらさ」と無縁ではない。その背景には、もちろん経済のグローバル化に伴う労働市場の流動化が生んだ、使い捨て労働や貧困、格差の問題もあるだろう。他方で、そういう経済的な問題とは直接関係のない「純粋な生きづらさ」もあるだろう。本書では、さまざまな「生きづらさ」の要因を解きほぐしながら、それを生き延びていくためのヒントを探っていく。

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