現代アートバブル (光文社新書 369)

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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034726

感想・レビュー・書評

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  • 2024.04.14 著者の現代美術に関する思いが伝わった。難解な現代アートだが、分かる分からないということではなく、単純に親しんだり楽しんだりすれば良いということだと思う。そのアドバイスにシンプルに従おうと思った。

  • 結局、アクチャルで、刺激的なものがアート。激辛、大食い時代。

  • 9.11後のアートから、自身の活動まで、そしてこれからの日本がどうアートに接していくかなど、広く現代アートについて書かれている。若干自慢が多かったが

  • 借りたもの。
    現代アートバブル……タイトルの副題通りで、アートマーケットで何が起きているのか、現代美術とは何か、そのトレンドについて解説している。
    トリエンナーレや西ヨーロッパだけでなく、アジアやロシアへのマーケットの拡大と政治的思惑があることなどを指摘。
    今はグローバリズムが叫ばれて久しいが、その10年以上前(90年代)に美術の世界では多文化主義を掲げていた(西欧の主観に留まっていたとしても)こと、そして今は「統合的な理念」から「断片化した現実」に焦点を当てた作品が主流になっていることを指摘。
    …つまり、万国共通に時代を反映するだけの作品はモダンアートとしての力は無いということだろうか?
    現代のアートマーケットをアメリカが牽引していたことも相まって、911の影響も如実だったようだ……
    秋元雄史『アート思考』( https://booklog.jp/item/1/4833423367 )の「あいちトリエンナーレ」の展示は、その定義で行けば正しいということか…反日オンリーが。

    そして著者の経験を基に“日本の”アートマーケットを世界に通用するものとするための試行錯誤、アーティストの自己研鑽を垣間見る。
    著者はバブル期の日本のコレクターが西洋美術の収集のみに力を入れてきたことに対し、自国のアーティストを育てることを願っているように感じる。
    それは日本のコレクター、ギャラリストだけの力ではなく、政府の政策として文化産業の支援を望むことも。
    世界では「世界に誇れる自国のアーティストを生む」という戦略があることも忘れてはならない。

    後半は現代アートの見方の足掛かりを解説。

    映画『アートのお値段』( http://artonedan.com/ )も参照のこと。

  • 『アート』という言葉は、本当に曖昧だ。
    絵画だけを指す言葉ではないし、何処から何処までという線引きが難しい。なので、読み進めながら、この人の言うアートはどういう定義なんだろう?と考えていたけど、中々難しい、、
    ギャラリーで展示されているアートを見に行ったことは、ないけど、筆者のようなキュレーターポジションには、とても共感できる。

    アートは、お金になりにくい。けど、資産価値をどう見出すかで、アーティストが仕事として生きていける。
    資産価値は、本来、その人が見つけるものだ。だから、明確な根付けができず、バブル期の印象派買い漁ってた日本人みたいなダサい現象が起きるんだろうな〜

    ピカソの 最後の一筆は鑑賞者が入れる みたいな言葉がグッときた。そういう解釈の度量が広い作品は、見てておもしろい

  • 現代アートバブル (光文社新書)

  • タイトルにはバブルと称しているけれど、ネガティブでもシニカルでもない内容。馴染みやすい近代アート(ピカソやシャガールやマティス)に代表されるファイン・アート(古典から系譜する芸術)だけではなく、今々に息吹いている現代アートを、もっと楽しもうという主旨。アート鑑賞法という側面ではなく、マーケットやビジネスの現場から、現代アートやアーティストを紹介している。今まで知らなかった世界が垣間見れたので、著者自身のギャラリーの若干の宣伝は許そう。

  • 前半と後半で別人が書いたようなトーンの違い
    著者がいかに人脈が広く儲かっているかを上から目線で語られる本

  • [ 内容 ]
    アートバブルという言葉がにわかに注目を集めている。
    ここ数年、現代美術を扱うアートマーケットが空前の高騰を続けており、投資資産としても関心の的となっている。
    雑誌メディアでは頻繁にアート特集が組まれ、テレビや新聞紙面でもアートマーケットの話題を目にするようになった。
    いま、現代アートの世界でいったい何が起きているのであろうか。
    著者はこの本を通して、多くの人に現代美術の状況や、選び方、そしてなにより楽しみ方を伝える。

    [ 目次 ]
    第1章 現代アートの潮流(アートは社会と連動する 九〇年代のアート 「統合的な理念」から「断片化した現実」へ ほか)
    第2章 アートマーケットの現状(アートマーケットという劇場 「アート」と「マーケット」の蜜月 世界のトレンドがわかるアートフェア ほか)
    第3章 自分と世界を知るヒント(現代美術は難解? 現代美術を楽しむために知識はいらない 日本人と美術 ほか)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • アートを生みたいヽ(・´∀`・)ノ


    以下個人的メモ。

    第1章 現代アートの潮流
    冷戦後:西欧中心の多文化主義→普遍性、現実性(断片から現実捉えるアレゴリー、私的で身近ななインプライベート)
    9.11後:アフターザリアリティ
    ビジョナリティの措定→インテンシティ志向、世界との交感的関係
    劇場化された現実と日常の混在→もはや同じ現実を共有してはいない
    フェティッシュ化されたイメージの不能状態→ベンヤミンの「アウラ」消失

    第2章 アートマーケットの現状
    プライマリーマーケット
    セカンダリーマーケット:オークションハウス(クリスティーズ、サザビーズ)
    アートフェアで今を感じる:アートフェア東京、101TOKYO
    アーティストをサポートするギャラリスト
    作品がコレクターに売れる→美術関係者の注目→展覧会へ→アーティストは評価を得ていく
    総合アートサイトLOAPS
    ヘブンアーティスト
    エルンスト・バイエラー
    日本の流行の移り変わりの速さ
    ワンストップに多様性を求める日本の国民性

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