女はなぜキャバクラ嬢になりたいのか? (光文社新書 376)

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034795

感想・レビュー・書評

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  • キャバクラと経済と、女の子の事情を書いた本

    目次
    <blockquote>
    第1章 キャバクラ嬢になりたいのはこんな女子(15~22歳の女子の2割がキャバクラ嬢になりたい!
    人気職業ベスト3は、女優・モデル、ミュージシャン、タレントなど芸能系
    好きなことを仕事にしたいのは下流化か? ほか)
    第2章 キャバクラ嬢の好みと生活(キャバクラ嬢の出身地―女の子たちは北からやってくる
    キャバクラ嬢になった理由―給料アップや学費のため
    将来キャバクラ嬢になりたい理由―家庭や学校に居場所がない ほか)
    第3章 キャバクラ嬢になりたい女子はなぜ増えたのか?(キャバクラ嬢になりたい女子増加の基礎はギャル文化の拡大
    性意識の解放の影響
    バブル崩壊の影響 ほか)
    </blockquote>
    なかなか興味深い内容。

    ・メディアにキャバ嬢が露出してきた
    ・ケータイで手軽に職を探せる(キャバの仕事もある)
    という入り口、

    ・バブル崩壊による社会不安、既存職の忌避
    という社会の変化、

    ・現状享楽主義
    ・自由の渇望
    ・自分らしさの渇望
    といった、生き方の変容
    という三点がカギだとしてる。

    まぁ、ちょっと調査すれば誰でも辿り着ける内容だが、だからこその新書なんだよな。
    ただ、間違いではなく、傾向があるってだけだ。

    統計は多少取った程度だが、ある程度有意なデータではある。また、確かに女性のふるまいがそちらに向きがちだとは、昨今周りを見ていて思う。

    女性は割と外に向けて思考せずに内向きになるといえる。女性が政治の話をあまりしないのは、なんとなくでも合わないと思うからなんだろう。まぁ、例外的に政治に出てくる方はいらっしゃいますから、これもやっぱり傾向。

    内向きであれば、身近なことで楽しめることがあればいいわけで、これが現状享楽主義につながる。まぁ、女なら直結してると言い切ってもいいのかもしれないなぁ。
    だって、そうでなければどのような仕事にでも女性ってある程度居るはずなんだけど、男ばっかりの職場って多いから。
    合わないんだろうな……って思う。

  • 三浦さんの『下流社会』が面白かったので、読んでみた
    のがコレ。

    正直、期待外れ。内容は想像した範囲からほとんど出る
    ことがなかったし、論理展開も今ひとつ。
    全国規模のアンケート調査と、50人のキャバクラ嬢とその
    予備軍へのインタビューが、この本の元になっているんだ
    けれど、50人はサンプルとしてちょっと不十分だし、しかも
    その50人の分布が関東中心というのも偏りが大きい。

    へ〜、こんなのがあるんだ、と唯一思ったのは、人材派遣
    会社が始めた「美職」というビジネスのこと。
    モデルやコンパニオンやキャビンアテンダントだった女性に
    企業で働くための教育を施して、新たに企業に派遣しようと
    いうビジネスだそう。容姿はいい、だけど年齢を重ねると
    仕事がなくなる、でも企業に勤めた経験がない…という女性
    を教育して派遣するというシステム。

    発想は面白いけど、どこかのフェミニスト団体?とかから
    クレームが来るんでは。(この著書とは関係ないか。)

  • 『下流社会』で有名になった三浦氏による、キャバクラ嬢の分析。
    2008年なので若干古い。

    背景は格差社会によって雇用が奪われたというのは納得できるけれど、承認欲求を得たいがためというのは?

  • ちやほやされるのはいいのかもしれない。

  • 三浦展さん、社会の様子・変容を眺める視点が面白いなと感じます。「女はなぜキャバクラ嬢になりたいのか?」(承認されたい自分の時代)、2008.11発行です。15~22歳の女子の2割以上がキャバクラ嬢になりたいとのことです。なりたい職業では、歌手、パティシエ、ネイルアーチスト、カフェ店員、美容師などに次いで9位にキャバクラ嬢・ホステスがランクインしてます。正社員が難しい時代、かといって女優・モデルや歌手・芸能人はかなりの才能と努力が必要。ある程度の容姿の良さと社交性があればキャバクラ嬢が浮上。平均年収600万

  • 想定内の話。もっと予想外なことや、調査結果を基にした分析でも書いてあるかと期待したが、残念。後半は体験談。作り話との差が見極めにくい。

  • キャバクラという職業は男が生み出した職業ではないのか。
    勉強が好きでない、てっとりばやく稼げるということから、この職業を選択するしかできない、という社会背景もどうかいているし、地域経済の悪化、非正規雇用の増加、高齢化、ジェンダーフリー化、離婚の増加、職業観や性意識の変化等要因は様々であることはわかったが、まとまっていなかったように感じる。

    高学歴女子が、キャバクラという選択や、その他色々な背景が紹介されていたが、その紹介だけで、前置きが長く感じた。

  • <内容>
    日本女性で「キャバクラ嬢」になりたがる女性が増えているという。筆者は、アンケート調査に基づきこうした変化の一つとして、日本社会の社会経済上の構造的変化にその要因を求める。
     長期的トレンドとしては、現状享楽的な価値観の変化(他者からの承認に価値を求める、承認欲求の強さ)
    しかしながら、経済状況が劣悪であるため、やむなくキャバクラで働くという選択を取ることも考えられる。

    <感想>
    方法論的には問題があるかもしれないが、キャバクラ嬢志向が拡大した要因として3つの要素(長期トレンド:価値観の変化/中期トレンド:バブル崩壊、経済状況の悪化/短期トレンド:情報伝達のあり方)などを指摘しておりあながち間違っていない。

    こうしたセンシティブな問題は、しばしば個人だけに責任を矮小化したがる(保守派)が多いが、こうした社会構造に着目するのは面白い。

  • なぜキャバ嬢になりたいのか?

    →自己承認欲求を満たせる仕事、つまり人から喜んでもらえる仕事
    キャバ嬢予備軍にとっては、キャバクラで働き始めた自分の姿が想像でき、逆にキャバ嬢にとっては、辞めた後の自分も想像できることが重要

  • タイトルとおりの本。
    女性の自己肯定欲求の結果がキャバクラ嬢であり
    認められたい、自立したい要素が強く、低所得世帯の人間がそうなりやすいという。
    ごもっともで、現実を直視している一冊。
    それがいいとか悪いとかでなく、淡々と分析しているだけのところがさらっと読みやすい。

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著者プロフィール

三浦展(みうら・あつし)
1958年生まれ。社会デザイン研究者。カルチャースタディーズ研究所代表。家族、若者、消費、都市、郊外などを研究。著書に『 「家族」と「幸福」の戦後史――郊外の夢と現実』 (講談社現代新書) 、 『ファスト風土化する日本――郊外化とその病理』 (洋泉社新書) 、 『東京は郊外から消えていく!』 『首都圏大予測』 (光文社新書) 、 『愛される街』 (而立書房)などがある。

「2022年 『中央線がなかったら 見えてくる東京の古層』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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