サバイバル時代の海外旅行術 (光文社新書 419)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334035181

感想・レビュー・書評

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  • スマホがあればそれだけでいい。手ぶらで世界一周が出来る。そんな時代がもう来ている。知らないのは損だ。旅で大切なのはお金でも時間でも無い。人と人とのふれあいであり、それを楽しむ為のコミュニケーションツールもどんどん進化している。ノマドになりたいのなら一読の価値あり。

  •  行きたい国の見つけ方からホテルの探し方、飛行機の探し方、荷物のまとめ方まで手広く教えてくれているものの、旅行初心者にはひとつふたつ真似するのにも苦労しそうです。ですからこの本は海外旅行のマニュアルを伝える本ではありません。著者のハイレベルな旅行術見本を通して、読者自身にオリジナルの旅行術を考えてもらう為の本です。
     学ぶべき所は人によって違うはず。ちなみに私の得た1番の教訓は、「旅行で大事なのは準備と謙虚さ」ってことでした。良い旅を目指して準備を怠らないようにしていきます!

  • これが13年も前に書かれたものとは思えない!高城剛恐るべし。前々からパッキング術や白本、黒本を興味深く拝見していたが、この本もかなり面白かった。最終章に、私たちが旅行を楽しむことができる条件は何より平和な時代であるということが大前提と書いてあった。「疫病が世界的に流行っても…」云々のあたりが、コロナ禍時代を予見しているようで、これまた驚いた。

    旅に出る前に10のやりたいことを書き出すことは是非やってみようと思う。

    最終章にあった文がとても心に残って素晴らしいと思った。「個々人の目指すゴールの1つは、生活を豊かにする、日々を楽しく過ごすことだと思う。それは、人生の「質」を高めることを意味する。そのためのコミニケーション能力や経験値の向上、危機管理能力があり、それらを試され、同時に向上させるきっかけになるのがまさに旅なのだ。したがって、旅の達人になるということは、人生の達人になることを意味する。
    また、旅とは、自分を映す鏡のようなものだ。言葉も地理もわからず、自分とは一体何なのか、自分にできる事は何なのかを考え、行動する機会でもあるからだ。旅を通じて知ることができるのは、接する世界だけではなく、己自身でもある。」

  • 高城剛さんと言えば、「ファンキートマトの司会」と言ってわかる人はどれだけいるのでしょう?(神奈川&世代限定です。)

    ・日本の旅行ガイドは役に立たない!

    海外で、書籍のジャンルとしている旅行本の紹介のほか、海外情報を入手するサイト、旅行の際のパッキングなど、具体的に紹介されており、とても楽しく読める。

    英語を勉強したくなる本でもある。

  • 旅に関する考え方とノウハウ、ハイテク技術が凝縮していて役に立つ本です。著者はノマドを自称し自由に旅行をたのしみバルセロナで生活しているため、浮世離れしているが経験豊富で学ぶところも多い。以下の5項目から構成されている
    1)日本のガイドブックは広告中心で不誠実であること、読書のジャンルとしての旅行のすすめ
    2)ハブ&スポーク型、LCCをつかった格安旅行のノウハウ
    3)情報ソースとしてのCIAサイト利用;まずはここで行きたい国をチェック
    4)日本の携帯電話は海外では高過ぎ;SIMレスのiPhoneの活用
    5)パッキング技術
    その他:Masai Barefoot Technology(MBT)スニーカー、データを分散しSDカード(32G 10枚)へ、printerやサラウンドスピーカも小さく手荷物になる。

  • kindle版読了

  • 著者の旅への情熱を感じる一冊。旅を仰々しくとらえるのをやめて人生を楽しむためにもっとたくさんの世界を知りたいとしみじみ思った。まだまだこれからを楽しむためのきっかけとなる一冊。

    以下レバレッジメモ

    日本では、そもそも旅行雑誌が少ないせいか旅行を読書の一つのジャンルとして楽しむという習慣がありません。だから日本人の旅行はまず目的地を決めるところから始まるというパターンが多くなります。日本人はまず目的地ありきでその国の地球の歩き方やその国を特集している雑誌、ムック本を買い求めます。イギリス人の旅行のプロセスと反対なのです。ファッション誌に関しては、日本人でもイギリス人でも掲載されている服を買うという予定がなくても眺める習慣があります。しかし、旅行雑誌に対する態度は、日本とイギリスでは大きく異なります。イギリス人はファッション誌を眺めるように旅行雑誌を見て楽しみます。まずはそこからで実際に旅行に行くかどうかとはあまり関係がないのです。行先や旅のスタイルにも流行があるし、ファッションと同じく日常的に旅行に関心を抱いているからです。

    余談になりますが産業地域研究所編20代若者の消費異変(2007年調査実施)によると、日本人の20代の70%が自由に使えるお金をまず衣料品に使うと回答。この70%という数字は世界ダントツであり、少し異常だと言えます。またUBSが3年ごとに発表しているレポートによると、2006年の東京の時給をビックマックの個数で換算すると、東京は6個、ロンドンは3.8個、世界で最も平均時給の高いコペンハーゲンでは3.3個になります。したがって日本は物価がそれほど高くなく、比較的可処分所得も高いといえるのにもかかわらず、趣味のためにお金を見た目に関するものばかりに使って旅行は二の次というのでは、いつまでたっても経験値や国際感覚は上がりません。それは、今の日本人が自分の内面の問題と向き合うことを避けているともいえるのではないでしょうか。海外から来たゲイの友人が東京を初めてみて「なんでゲイばかりいるんだ」と若き日本男児のファッション性に狂喜していたことがありますが、日本の男子は今や世界的にそう見えるのでしょう。いかに日本人の関心が、ファッションに偏っているのかがよくわかります。ファッションに限らず、今の日本には、見た目重視、デザイン重視、更にはわかりやすさ重視の傾向がありますが、これは将来的に日本の国際競争力に深刻な影響を及ぼすことは明らかでしょう。

    自動車世界一周で一番有名なのは、投資家のジムロジャーズで、バイクの大陸横断で有名なのは俳優のユアンマクレガーです。イギリスではユアンマクレガーのユーラシア大陸を横断するドキュメンタリーが数年前に放送されて話題になり、続編のアフリカバイク旅行も話題です。LCCの登場により、かつての金持ち旅行の代名詞と言える飛行機にバックパッカーが乗り、逆に金持ちは自動車やバイク旅行を楽しんでいるのが21世紀なのです。20年前の常識が今の非常識なのは、旅行業界とて同じはずなのですが。。日本の旧態依然とした旅行ガイドは例えばはるばるロンドンまで来て時間が余ればそこからバルセロナのような他のヨーロッパの国の都市へ行くなどというルートは提案せず、ロンドンならロンドン、スペインならスペインと決めて旅をすることを推奨しているように見えます。しかし実際はEU圏を車で移動するとパスポートを見るどころか国境に検問すらなく国をまたぐことは本当に簡単になりました。

    ぼくはケイトモスに会う的なやりたいことを、旅の前に必ず10個書き出すようにしています。自分でやりたいことトップ10を作るのです。もし2人以上で行くならばお互いのトップテンを持ち寄ってすり合わせる。そして絞り込んだ10のやりたいことを徹底的に調べる。これだけで、実際の旅行が全く違うものになってきます。旅に出る前に10のやりたいことを書き出すという行為は漠然としている興味をはっきりさせる行為です。自分は何をしたいのか、己とゆっくり向かい合うというとても貴重な時間でもあるのです。やりたいことは初めは抽象的でもいい。そしてそれはそこに行かなければできないことであるほうが重要です。安いからという理由でショッピングが最上位にくる人は再考したほうがいいでしょう。旅先でショッピングをする方が安くつくとは思えません。旅費や宿泊費を払って訪れたその地にいられるわずかな時間を、日本で買えるものにあてる代償は決して安くはないはずです。欲しいものを自分の目で確かめるという行為は意味があると思いますが、今やショッピングはネットでもできます。そこでしかできないことをいくつ持っているか、それが今のあなたの旅のレベルを表しているのです。

    日本の電子辞書と並んで僕が素晴らしいと思っているのが旅の指さし会話帳シリーズです。これは日本が世界に誇る文化であるカラオケとマンガの要素が詰まっている本であり、海外で見知らぬ人とのコミュニケーションには抜群の威力を発揮します。通りすがりの人に紙に書いた文字を見せられても今一つ読む気にはなれませんが、何か面白そうな画が書いてあれば思わず見てしまうのは世界中どこでも一緒でしょう。昨年もシベリアの奥地に行った際に誰も英語を話せる人がおらず野宿すらも考えた際にロシア語版指さし会話帳には随分と助けられました。

    終わりに―21世紀に旅をするということ
    時代はSOHOと呼ばれたスモールオフィスからモバイルオフィス、そしてついにトラベルオフィスの時代へと変わりつつあります。その背景には、インターネットやサーバーなどのバックオフィスの高度化、情報機器の多機能化といった技術革新と、他方で不安定な社会情勢があります。何が起こるかわからない不確実なこの時代に、最後に必要となるものは、どこでも仕事してやる!という根性だと思います、デザインされたきれいなオフィスでないと仕事ができないという発想は、きわめて20世紀的でオールドファッションです。あらゆる問題が世界と連動する時代、いくら自分の守備範囲の物事が整理できても、多くの本質的な問題は解決できないでしょう。自分自身で動き、自分の目で見た現実を受け入れ、自分自身が変わること。そこにしか突破口はありません。ブログが花開く21世紀の新しいメディア社会はいわば自らをメディア化する事が、次へとつながる最良の道でもあるのだと思います。会社などの巨大組織が、その拠点を動かすのは物理的にも時間的にも無理がありますが、個人はいつでもどこでも動ける時代です。次の時代を生き抜くために巨大組織がすぐにできないことを個人がやればいいのです。

    個々人の目指すゴールの一つは生活を豊かにする、日々を楽しく過ごすことだと思います。それは人生の質を高めることを意味します。そのためのコミュニケーション能力や経験値の向上、危機管理能力があり、それらを試され同時に向上させるきっかけとなるのがまさに旅なのです。したがって、旅の達人になるということは、人生の達人になることを意味するのです。また旅とは自分を映す鏡のようなものだと思います。言葉も地理もわからず、自分とはいったいなんなのか、自分にできることが何かを考え、行動する機会でもあるからです。

    旅を通じて知ることができるのは、接する世界だけではなく己自身でもあるのです。20世紀までは海外旅行とはほとんどが新規市場開拓を意味しました。それを通じて日本も世界中に多くのものを届けました。しかし21世紀は物を届ける時代ではなく、サービスや文化や知恵を届け、行った先で何をするのか、それがどんな社会的意義があるのかといった独自のスタイルが求められる時代だと思います。自分のスタイルを探し求め、多くの日本人が優れた旅人になることを期待しています。何より世界が日本人を待っています。寿司職人やアニメーターだけが世界で求められているのでは決してありません。現実は世界の期待を集めていることを知らないのは日本人自身というあまりにもったいない状況です。21世紀の日本人像はパック旅行から離れた新しい旅のスタイルの延長にあると僕は思っています。

    最後に私たちが旅行を楽しむことができる条件とはなんでしょうか。もちろん旅行者の時間的・金銭的余裕もあるでしょうが、何より平和な時代であるということが大前提です。9.11同時多発テロの時に僕は何日もヨーロッパで足止めを食わされました。その後数か月にわたって以前のように気軽に海外旅行へ出ることはできなくなりました。今も続く飛行機に乗る際の気が滅入るほどの手荷物検査の徹底ぶりは、9.11によるものです。疫病が世界的に流行っても同じことです。自由な旅行ができるということは平和な時代を満喫していることでもあるのです。Travel and Peace!いつもよい旅を!

  • ノマド(遊牧民)がWebに携わる人間に浸透するようになってきましたが、いちはやく行動されていたのは高城剛さんです。著者は「移動への欲求」に対する自分なりの解答を求めるために世界を旅し、体感しその気持ちを届けてくれています。特に旅のナビゲーターとしての7つ道具とバックパッキング術は見る価値ありです。

  • 全部が役に立つ訳では無いが、知らなかった情報が、かなりある。 2011/02/02 せんちえBlogでご紹介→ http://goo.gl/XOagX

  • 200911/人口比で考えるとバルセロナはパリをはるかに凌ぐ世界最大の観光都市だが、日本のガイドは20年前の内容/日本からスペインへの定期直行便は1便もない/総務省情報通信審議会で着メロをダウンロードしたこともない人たちが、着メロの著作権などを討議している現状と同じ構造/海外の主要旅行ガイドは公平性を保つためにも広告は一切入っていない/LCCなどの新興ラインが台頭してきている現代は、航空会社が集結するハブ都市のホテルで全ての荷物を預け、その後は手荷物だけで旅行するというスタイルが主流になっている(LCCは荷物を預けると別料金をとられる)/ライアンエアーなどの新興LCCは年間数百万隻を無料でプレゼントしており、ロンドンなどへ行くなら燃料費だけでローマやベルリンに旅行できる/海外情報はCIAのサイトが最も更新スピードが早く、情報がきめ細かい/ウィキトラベル英語版も便利/地図は買うよりもらえ、もらうよりつくれ/リアルタイム気象情報と日没時間は必ずチェックしよう/「ケイト・モスに会う」的な「やりたいことトップ10」を旅の前に必ず書き出す/携帯は現地でプリペイド購入/iPhoneをスカイプ通話で利用/服は全て圧縮パック/スーツはコナカの「シャワークリーンスーツ」がアイロン要らず/防寒用にNASAの「スペースブランケット」/電子辞書は身を守る助けになる/歩くときにはメディキュット(ドクターショール):足にかかる圧力で血行促進/手首回りを計る巻尺:体重の変化は手首に一番顕著に現れる/日常の靴はスイスの「MBTスニーカー」:足腰を鍛えて腰痛を防ぐ/ポケット七つ道具(カードケース内):①クレジットカード②小額紙幣の束③絆創膏・折りたたみガムテープ④名刺⑤スケジュール紙⑥大容量SDカード(個人情報データを入れておく)⑦ペンとポストイット/

著者プロフィール

高城 剛(たかしろ つよし)
1964年東京都葛飾区柴又生まれ。
日本大学芸術学部在学中に、「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。自身も数多くのメディアに登場し、NIKE、NTT、パナソニック、ソニー・プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。2008年より、拠点を欧州へ移し活動。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。著書に『世界はすでに破綻しているのか?』『空飛ぶロボットは黒猫の夢を見るか?』『カジノとIR。日本の未来を決めるのはどっちだっ!?』(集英社)、『ヤバいぜっ! デジタル日本』『オーガニック革命』(集英社新書)、『2035年の世界』(PHP研究所)、『人生を変える南の島々』『LIFE PACKING2.1 未来を生きるためのモノと知恵』(パブラボ)などがある。

「2017年 『不老超寿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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