名作の書き出し 漱石から春樹まで (光文社新書 422)

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  • 光文社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334035259

感想・レビュー・書評

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  • ≪県立図書館≫

    筆者の好き嫌いが垣間見れた気がした。
    納得するものあり、ちょっと雑な書き方だなと思うものあり。
    総合的に面白く読めた。
    取り上げられていた作品を、久々に読み返してみたくなった。

  • 新書 S910.26-コウ-422 300107398

  • 読んでいなかった(と思う)。何を読んだか読んでいないか忘れるなあ…。

  • 350 文英堂

  • 目から鱗が落ちる、とはこのことか。今までの自分の「読み方」は、いったいなんだったのだろう⁇ 15冊の冒頭部分から、語り口や構造まで読み解く。言われてみれば、国民的作家・川端康成の「雪国」なんて、まさにポルノ小説。小学生の娘には読ませられないな。もっとも、子供が読んでもわからない(ように書いてある)か…

  • 近代文学から現代文学の「名作」の書き出しに注目した1冊。
    夏目漱石、太宰治、三島由紀夫から吉本ばなな、江國香織、村上春樹まで全部で15作品の書き出しから、著者が「自分なりの読み」を論じています。

    小説を読むときには、読者はその小説に対する自分の態度を決めるためにさまざまなことを読みとろうとする。
    その間に読者は自分を「その小説の理想的な読者」として「調律」していると、著者は述べています。
    ふむふむ、確かに最初に小説の世界に入り込めないと、ずっとふわふわとした浮遊感やストーリーとの距離を感じたまま読むことになってしまうな…と改めて小説を「読む」という行動を考えさせられました。

    恥ずかしながら、取り上げられた15作品のうち読んだことがある作品の方が少ないのですが、「本当にそんな読み方ができるのか?」ということをそれぞれの作品を読んで確認してみたい、と思いました。

  • 構造主義は言語学にヒントを得て成立した学問分野である。そこで、構造主義は世界は言語のように構造化されている、と考える。ところがポスト構造主義の時代になると世界は言語である、と考えられるようになった。

  • 「それから」について書かれていたので読んだ。
    紹介されている本をちゃんと読みたくなりますね!
    結構未読なものが多くて、自分の修行の足りなさを感じる・・・

  • 序文より
    『小説を読むとき、僕は基本的に「作者」を無視する。これは「テクスト論」という立場である。「テクスト論」は、小説を読むときにどんな方法でも用いるし、歴史的なデータも用いるが、「作者」だけには言及しないのである。』

    『小説の書き出しを読むとき、僕たち読者はその小説に対する態度を決めるために、さまざまなことを読みとろうとする。そして、まさにそのときに僕たちが身につけている言葉の意味と小説の言葉の意味との差異にとまどいながらも、書き出しを読んでいるわずかの間に自分をその小説の理想的な読者として「調律」しているのである。もちろん「調律」できないときもある。そのときには、僕たち読者はその小説をおもしろいとは思わないだろう。』

  • よく知っている言葉の、今まで知らなかった意味を小説の中に見出したとき、あなたは「豊かな」読み方を始めている。そしてその豊かな読み方への入り口は、小説の書き出しから既に始まっている。それはいわば、自分の内面とのギャップを埋める調律のような機能を書き出しが果たしている。
    そんな趣旨から、書き出しをまとめてさらに作品の解説や著者自身が調律を進める過程が書かれている。小説のチョイスも面白く、これはなかなか斬新な一冊。

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著者プロフィール

1955年生。早稲田大学教授。著書に『漱石入門』(河出文庫)、『『こころ』で読みなおす漱石文学』(朝日文庫)、『夏目漱石『こころ』をどう読むか』(責任編集、河出書房新社)など。

「2016年 『漱石における〈文学の力〉とは』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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