世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書)

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著者 : 菅原琢
  • 光文社 (2009年12月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334035372

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世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書)の感想・レビュー・書評

  • 2011 1/5読了。Amazonで購入。
    データを自分の考えに合致するように都合良く解釈してしまう「確証バイアス」による世論の曲解を避けるために、多角的にデータを集めて「読む」ことが重要である例として、2005年の郵政解散から2009年の自民党大敗に至るまでの自民党政治の失敗を取り扱った本。
    要はデータリテラシーの本か、と思って読み進めてたら終章にまさに「政治の専門家や在野の床屋政談家のみなさまの、世論や選挙の数字に対するリテラシーを高められればと、この本を出した次第」とあった。
    自分のフィールドでは注意していても日常生活ではなかなか多角的にデータを集めて・・・ってのは厳しいところもあるが、政治の専門家であるところの人には本来、当たり前にやっていなければいけないことのようにも思う。
    もっとも、その前提としてデータを読む能力が浸透している必要があるのだろうが・・・冒頭で図表を多用することに断り書きがあって驚いたが、図表が多い本に馴染みがないって言われてしまうともうその時点でかなり辛いものがあるものな・・・

  • 以前より、政治家やマスコミや評論家?の「小泉改革の反動」との言説に大きな疑問を感じていた。そして、自民党がますます一部既得権益者の声に傾斜していくさまを見ていると、落日とはまさにわき目もふらず坂を転げていくことだと思わざるを得なかった。
    本著はデータにもとづく論証であり、わが意を得たりとの感を強くできた本であった。

  • 2009年自民党から民主党に政権が交代した。自民党が大敗したのは自分たちの支持低下の原因を見誤ったことにある。特に麻生太郎が国民に人気が有ると勘違いして総理にしたのが大失敗。元から人気が無かったのに加え、総理になってしまったことでその無能ぶりが広く知れ渡ることになり、とことん落ち込んでいった。しかしなぜそのような勘違いをしたのか。それが世論の曲解であるのだが、そのからくりは本書を読むとわかる。それにしても小泉・安部・福田・麻生はひどかった。それぞれの父や祖父はなかなか良かったのだが・・・

  • 新書にしてはあり得ないほど濃密な内容
    著者のブログやTwitterとも合わせて、小泉氏以来の国政選挙に関して多くの知見を得ることができると思います
    社会学関係の物書きの人たちが自業自得とはいえ完膚なきまでにやられていますが多少同情しないでもない

  • 麻生さんが人気があったのは、産経新聞がそういう報道をしたから。それによって麻生さんは国民に人気がある、選挙に強いという言説が広まっていった。

  • 話題になっていたのは知っていたけれど、もう古いことだしなあと思って読まなかった本。
    読んでみたら、たしかに扱っている事項は古いんだけど、充分に普遍的なリテラシーのすすめが書かれていた。タイトルが悪いなあ。

    あの名著『社会調査のウソ』のバリエーションって感じ。

  • 世論というのは曲解されるらしい。
    かばしまさんのお弟子さんだってね。

  • データを検証して政治状況を適切に分析していくという内容には共感。けれど、「小泉政治が不人気だから自民党は政権交代した」のではなく、「小泉以降の総理大臣が古い自民党に戻る政策を推し進めたので有権者は離れた」という分析には半分納得・半分腑に落ちない。たしかに小泉以後の総理大臣にそういう側面はあったかもしれないが、やはり小泉の進めた(と言われる)構造改革路線・規制緩和路線による格差社会の進行は評価されたなかったのではないか。そのことが政権交代の要因になったのではないだろうか。そのことに触れられてないのが残念。

  • これを読んだ上で、2013参院選をどう分析するか。→『Voice』2013 9月号

  • 2007年の参院選及び2009年の衆院選での自民党敗北を受けて、なぜ自民党は世論調査とは異なった政策を打ち出したのかを考えている。この時期の自民党の敗北は、小泉改革(=ネオリベ的市場原理主義)政策を推し進めたことによる負担を国民が嫌がったことが原因であるというのが通説である。が、本書で著者が行った分析によるとこのような改革路線が嫌われたのではなく、改革路線をぶれさせ愛国的な懐古路線(「戦後レジームからの脱却」に象徴されるを嫌がったものによることが原因であるという。その他社会調査によって色々なこと(若者が右傾化している傾向は見られないetc...)がわかる。
     が先日の選挙(2012年12月の衆院選)は一体何だったのだろうか。自民党が前に出したのは、2007年時点の総裁である安倍である。もちろん愛国的な懐古路線である。この路線が支持されたという事であろうか。

  • 目の前に間違いのない情報、データがあったにもかかわらず自らの考え方に合致する都合の良いものだけを選び取ってしまった。07年参院選の大敗を正しく総括できず09年総選挙において大惨敗を喫した自民党。データ、図表を客観的冷静に眺めながら大敗の真相に迫る。データ一つを読み取るにも身勝手な先入観で見たり、単眼でしか見なかったりで、真実を大きく見誤ってしまった。得られる教訓は少なくない。

  • 本書は詳細なデータと統計を使って自民党が世論を読み間違えた過程を浮き彫りにする。
    はっきり言って簡単に読めるものではないし、読み進めるのに苦労した。図やデータがこれでもか、と出てくる。でも一読の価値あり。



    09年、自民党はなぜ大敗したのか。
    簡単にいえば、自民党自身が小泉構造改革を否定したからだ、と著者はいう。(というかデータはそう語る)
    本来自民党の支持基盤でなかった都市部の若年・中年層の票を掘り起こしたのが小泉だった。これが05年の郵政選挙の大勝につながった。しかし、その後の安部・福田・麻生は「構造改革で地方が疲弊し格差が広がった」という誤った認識から(逆小泉効果)小泉以前へ戻るコースをたどり世論の支持を次第に失っていった。09年の大敗は負けるべくして負けたらしい。

    ・・ってなことをデータと統計を使って少々上目線から実証していく。


    個人的に一番おもしろかったのは報道機関がよくやる世論調査についての分析。
    世論調査は案外いい加減なんだな、と思った。
    質問の方法によって答えなんて変化する。質問が記述式・選択式だけでも回答分布の違いがでる。こういった数字の違いを解釈し、利用できるかということが重要らしい。



    ただ一点、注文というか気になったこと。
    自民党が負けたのは、小泉構造改革を否定し都市部の有権者の支持をなくしたからだという。けど、09年に圧勝した民主党は小泉構造改革を否定するマニフェストを掲げていた。彼らが選挙に勝った理由はなんだろうか。なんで??政策より単なる自民党への嫌気??
    そこのところのデータ分析があればいいなぁと思う。というか読んでみたいところではある。

  • データの読みほぐし方がよくわかる。世論は簡単に誘導される。でも、自力でここまで真偽を見分けるのは大変そう。

  • 小泉純一郎という美酒に酔った自民党が、ねじれ国会の中でだんだんと世論を曲解していき、その後の衆院選で大敗を喫したということが、詳細なデータを元に語られていく。

    要するに自民党は未だに小泉人気とはなんだったのかを理解できていないのだと思う。最初の齟齬はすでに安倍政権での郵政造反組の復党ではじまっていて、あの高支持率が靖国参拝やタカ派の政治スタンスによって醸成されたのだと。それを好む人もいるけれども、実際には政権を支えるほどの人数はいなかったことが、政権交代に結びついてしまった。

    でも、それは自民党どころか民主党もメディアも見誤っていることだと思う。自民党は相変わらずタカ派で保守回帰路線を突き進んでいるし、民主党は小泉純一郎の否定というところから先に進んでいない。で、目を転じると、その辺りを把握していそうな橋下徹が一大勢力になってきている。

    そういう意味では、なぜか停滞している日本政治を読み解く一冊だと思う。でも、書いている内容は相当難しい。

  • 読むのに疲れたが面白かった。先の政権交代を世論の読み違えという観点から多くの世論調査・選挙データを分析して謎解きをするように解説する本。質問事項がひとつ増減するだけで大きく結果が変わってしまう世論調査など目からウロコ。

  • 人は自分の主義・主張においては本質を逃しがちである事、自分勝手な編集を行っている事を受け手は意識する必要があります。

    本書では自民党大敗の原因を始め、当時の政治状況を統計的データを用いてあらゆる角度から検証して解説しています。
    その内容の濃さと説得力は圧巻です。

  • 2010/2/15
    小泉政権後の自民党はどちらへ進むべきだったのか、なぜ自民党は昨年の総選挙で壊滅的な敗北をしたのか、データを基に極めて緻密かつ説得的に論証される様は圧巻と言ってよい。

    ただし、全編通じて徹底的に客観的な筆者が、麻生太郎を論ずるときだけは、極めて主観的になっていると感じるのは私だけだろうか。評者は、それこそ何のデータにも基づかない「主観的な」意見としては、麻生太郎は時宜を得ればなかなか立派な宰相となっていたのではないかと思っているのだが・・・。

  • 世論と正確に捉えるということは実に難しい。私たちはステレオタイプ的思考に陥らぬよう、偏った情報に振り回されない訓練が必要だ。

  • 小泉政権での隆盛(?)から麻生政権での没落に至るまでの自民党の流れと世論との関係を分析している。

    正直、あまり日常的に政治に関わっていないので、興味深いテーマであるとは言えなかったが、タイトルからメディア社会の脆弱性についても書いてあるのでは?と思い読み始めた。

    読んでみたら、読みは的中。
    ソースとしては自民党の政治であるが、その根底にあるのは、曲解された世論と、どうしてそのような事柄が起こるのかというのは、データ分析によって詳細に解説している。

    総じて興奮するようなストーリーではないが、著者自身の感情を抑えて、冷静に記述しているのがすばらしい。


    著者の言葉を借りれば、
    「たまたまテレビに捉えられた(テレビ局側が放映したい)人物の挙動・発言が日本を代表している」
    という勘違いは、自分でも無意識に感じてしまっているほど、日常性が高い。

    自戒を込めて、このような世論の曲解に挑んでいける冷静で強い情報リテラシーが広がってほしいものだ。

  •  読み方としては、各章にあるまとめを読んでから、その章を読むと理解が早い。

     ・得票率と若年層の投票率は上がっているというデータほ目から鱗。
     ・民主党の躍進の主原動力は、野党同士の選挙協力。
     ・麻生人気を支えたのはフジサンケイグループ。同グループが最保守であると認識していたが、読者層も同様であると言うデータ。

     結論としては、自民党が墓穴を掘りまくって、どうしようもなくなったから民主党への消極的投票になったというところ。きちんと元のデータとその注意点をしつこいくらいに提示していたのは好印象。

  • 世論の曲解が、政権からの滑り落ちのきっかけとなった。

  • データを駆使して、世論の解釈よりも、実際の有権者の動きを追っている。また、選挙などのデータの集め方の問題点も指摘している。

  • 麻生総理が国民的人気だと思われていたのはネットに書いてあった少数意見をあたかも国民の意見のようにメディアが報じたからだ、というのは興味深かったが逆に麻生総理の人気という幻想にとらわれ過ぎてる感もあった。そんなに人気あったっけ?

  •  2007年参院選、2009年衆院選と立て続けに自民党が大敗した理由について、公的機関などのデータに基づく世論の変動やネット上の言説から分析した本。この本で述べられているのは、主に以下の通り。

     ・自民党が2007年参院選で大敗したのは小泉構造改革を支持していた世論を読めなかったため。それは安倍内閣による郵政造反組の復党が、自民党支持者の間でも評価されていなかったことからもわかる。社会保険庁の不正発覚や従軍慰安婦問題の認識も同様に失点となった。

     ・自民党が2009年衆院選で辛うじて100議席を確保できたのは、農村部での支持が目立ったため。昔ながらの自民党支持者や都市部の無党派層の多くは民主党に流れてしまった。

     ・「若者の右傾化」という言説は嘘。ネットでは保守的、右翼的な発言をする若者が多いように思えるが、これは人口比から見れば0.5%にも満たない。

    ・「国民的な麻生人気」という幻想を生んだのは2ちゃんねるの「麻生太郎研究スレッド」の書き込みを熱心に取り上げたフジサンケイグループのマスメディアであった。このスレッドは発言率上位者10%が全書き込みの半数を占めるというごく少数の人間によるもの。

     ・「ネット世論」という言葉は全く的を射ておらず、「ネット小言」と言うほうが実態をよく表している。政治家やマスメディアが相手にすべきなのは、少数の熱心なコピペ作業員の意見ではなく、全国的な世論である。

     ・「メディアの世論調査は嘘で、ネット世論が正しい」という妄言を吐くような専門家や評論家は淘汰されるべきである。

     全体を通して、自民党の政治家やマスメディアがネット界隈や自民党本部前で熱烈にエールを贈ったごく一部の「自民党ファン」を過大評価し、それまでの国民全体の世論に配慮しなかったことが自民党の敗因として述べられています。

     民主主義国家においては声を挙げることが不可欠ですが、声を挙げないサイレントマジョリティを軽視してノイジーマイノリティを重視しすぎるのは民意に反するということが身に染みてわかった。

     全体的にはよく分析された良書。あえて苦言するなら、ネットでの政治的発言を調査するのだったら、2ちゃんねるや一部のブログ以外のサイト(mixiなり他の掲示板やブログ)も参照にするべきだった。

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世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書)の作品紹介

新進気鋭の政治学者が、印象論を排したデータ分析を駆使して、マスコミ報道の問題点や、世論調査を曲解して惨敗した自民党の迷走を描き出す。

世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書)はこんな本です

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