- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334035518
作品紹介・あらすじ
1学年あたり約200名という少数精鋭主義を考慮すると、東大合格者率や国公立医学部や京大への進学実績において、灘校は「日本一」といえる。本書は、創立から現在にいたる歴史をひもときながら、数多くのOBにインタヴューをしたり、現役灘高生にアンケート調査を行ったりして、その秘密に迫った。格差社会論の代表的論客が、中・高一貫校やエリート教育の功罪を徹底検証する。
感想・レビュー・書評
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読みたいところだけ拾い読み。進学理由が、より偏差値の高い大学進学率ではなく、校風、自由を求める生徒が多かったデータは意外だった。また、国語の学習より、数学、外国語の勉強が多かったことも意外だった。ここからは憶測だが、灘高に入る時点で論理的思考力は完成されているため、数学、外国語にあてる学習の割合が高かったのではないかと推測される。日本がフランスに似ていて、イギリスの階級とは違い、テストの実力主義で評価されていることを初めて知った。
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気がつかずに、二回読んでた笑、灘校の実態がよくわかって興味深い
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著者は灘の本流とは違い、高校からの入学で落ちこぼれ(本人が書いている)
多少、強引なところもあるが
灘校生のアンケートなどはデータとして面白い
これは灘卒業だから協力してもらえたこと
実像という意味で★4つ -
灘校OB(14回生)の著者が書いた灘校の秘密。1968年の東大入試で日比谷を抜いて合格者ナンバーワン132名を記録し、日本全国をびっくりさせた20回生。(神戸高校の2年先輩も20回生でした)彼らの現在を追う分析は迫力がありました。灘では2桁キープが目的だったという秀才ぞろいの物凄い学校だと感じましたが、その灘の中でも最優秀な学生は?数学者の藤田隆夫と弁護士の河野玄逸という2人だそうです。藤田は数学者として有名だとのことですが、要するに最優秀でなくても灘という世界の中で、八ヶ岳のように優秀な峰が競い合いお互いに成長していっているということがわかります。6年持ち上がりでの教育が特徴であり、素晴らしい教師が多かったようです。一方、灘校紛争で灘を去った人物をも追っており、灘が教師として迎え入れいる話には、奥の深い学校だと感じました。単なる受験校ではなく、日本における知的階級の子弟の余裕ある学校という印象を持ちました。灘の生徒の特長をアンケートなどから把握し、父親の職業は医師が多く、公務員が少ないことが際立っているとか!また入学した理由として、大学入試実績より、自由な校風を選んだことが高いというのは、面白いです。そして灘から東大へ行って政治家になった人も少ないということもうなずける現象です。
後半ではイギリスのパブリック・スクール、そしてグラマー・スクールと比較したり、教育論のような内容になりますが、前半ほどの迫力はありませんでした。 -
たまたま気になって手に取った本。日本でのエリート校のイメージをつかむにはイイかも。後半では海外のエリート校の紹介もあり、個人的には今後エリート校を研究対象にするかもしれないので非常に面白かった。
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学歴社会が崩壊しつつあるとはいえ、国家試験のあるところに、灘閥あり。東大理IIIでの標準語は関西弁だと聞いたことがあるが、あながち嘘ではないのであろう。
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現同志社大学経済学部教授、京都大学名誉教授(労働経済学)の橘木俊詔(1943-)による灘中・灘高の学校紹介。
【構成】
第1部 内側から覗いた灘校
第1章 灘校はいかにして名門校となったか
第2章 華麗な人材輩出と異色な卒業生
第3章 現代灘高生気質
第2部 灘校と名門校のこれから
第4章 世界のエリート校、日本の名門校
第5章 中・高一貫教育の将来を予測する
灘高と言えば、関西では進学校の中の進学校として、また灘中は中学受験のシンボル的存在として知られている。とりわけ、東大・国公立医学部の進学数・進学率は他の進学校とは懸絶した実績である。
そんな中高一貫の受験エリート養成の進学校である灘校とはいかなる学校かということが本書を一読すればわかる。
しかし、こんな母校自慢に薄っぺらい西欧と日本の名門校をくっつけた内容を、新書にして世に出す必要がどこにあるのか? -
「灘高がいかにしてナンバーワンになったか」ではなく「灘高の沿革」といった感じ。
期待したものとは違ったので何とも。
灘高の卒業生が読むと懐かしくていいかも?