アップル、グーグル、マイクロソフト クラウド、携帯端末戦争のゆくえ (光文社新書 449)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334035532

作品紹介・あらすじ

課金を制する企業がインターネットを制す。クラウドと、クラウドの「窓」の役割を持つ携帯端末。その戦場でも日本は"敗戦"を迎えるのか-。

感想・レビュー・書評

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  • 読書時点で少し前の著作になるのだが、このジャンルでは週刊誌レベルの情報でないと追いつかない。多分、書いている人たちも時間に追われてヒーヒーだろう。日々情報が差し替わっていくのだから。

    アップル・グーグル・マイクロソフトを「クラウド御三家」的に書いている。マイクロソフトのクラウド戦略は初めて読んだが、当然、なんの手も打っていない訳がないですわね。
    SaaS PaaS IaaS (SaaSしか変換されない)の基本概念も勉強する必要あり。クラウドへの懐疑も押さえるべきか。

    多少アップル寄りではあるが、アップルの弱点も抑えているので、良い。

    言葉の使い方も適正であり、好感が持てる。ただ、全体的に一般向けではなく、多少難解である。

  • 三社間の争いとは?

    →主な資源がクラウドにあるグーグルとオンプレミス、OSにあるマイクロソフト、アップルはマーケットプレイスを押さえている
    今後はクラウド上を行き来する情報の流れと出入り口に関わることが重要
    そして世界一、つまりルールブレイカーである必要がある

  • 3社のクラウド・コンピューティングに対する考え方を読み解く書。
    ドッグイヤー業界の話題としては、もう古い本だし、そんなに深い話ではないが、3社の色が現れていて素直に頷ける内容になっている。「タブレット」という単語がまだ現れず、「スレートPC」呼んでいるのが懐かしい(笑)

  • 「クラウド」という概念は何となくわかっていたが、クラウドに対する三社および日本の企業の姿勢がわかって、大変興味深かった。
    インターネットの用語などは普段詳しく説明されている書籍も読まないため、勉強になったし、より深く理解できるようになった。
    日本のデーターセンタとグーグルのデータセンタの写真が、両者のスタンスを明確に表していて面白い。
    IT業界に興味はあるけど知識はあまりない、iPhoneをなんとなく持っている人なんかが読んでみるとよいかも。

  • iPod、iPhone購入者はiTunesを自分のパソコンにインストールし、iTunesストアで楽曲を購入する。
    アップルは大多数のパソコンに自社のソフトを導入させ、さらに決済情報も取り込ませた。
    →インターネット上での取引に抵抗をなくさせ、消費者を次のステップへいざなうことができるようになった。

    微々たる金額だし、ポチッとするんでしょう。
    本書の帯にある、「課金を制する企業がインターネットを制す」。
    どの企業が覇権を握るのでしょうか。

  • Microsoft,Google,Appleがクラウドを牽引しようとしている3企業として書かれている。どれも何かで一山当てた企業で、潤沢な資源がある。
    日本が追い付けていないといっても、それは仕方ない話だと思う。
    基盤が無理なら、より上位レイヤーであるSaaSの部分でがんばればよいのではないか、とあったが、こちらもFacebookやInstagramなどなど、個人向けのWebアプリは外国企業に食いつぶされつつある感じがする。企業向けのWebアプリは詳しくないのでわからないが、どうなのだろう。
    本書ではクラウドをめぐる企業間の駆け引きや思惑に言及してあって興味深かった。いつも社会から見て最適解をとっているわけではないことがよくわかる。

  • 業務と直結するテーマだったので手に取りました。
    クラウドという説明に難解な題材でありながら知らない人でも(身近な例をふんだんに使って)とにかく分かりやすく説明してあります。読後には仮想化やクラウドの強み弱み、そしてアマゾン、MS、グーグルといった関連企業の戦略が、まさに「雲が晴れた」ように頭にフレームが出来た満足感が。良著なので他人にもどんどん薦めていきたいなと。

    Memo
    ●クラウドの話
    ・必要なときだけたくさん借りていらなくなったら減らしたいニーズで仮想マシン/クラウドの登場に
     →CPU使用率が80%を超えたから自動でマシンを追加することも出来る
     →電源、通信機器、空冷、災害対策は相手まかせにできる。 
    ・ハードは壊れるものだし長時間使わないこともある(=無駄)。
     真に必要なものはサービスでありサービスの効率化がクラウドに。
    ・クラウド運営側は自社コンピュータ上で顧客が業務を行うので各種統計がダイレクトに取得できる
    ・クラウドのベースはハードウェアの地位低下。ハードを自社で持つ意識も弱まっている。
    ・クラウドモデルとはご指名制をなくす試み。どの水でも良いという考え=位置透過性(どこで処理しても同じ)
    ・といってもネットワークが遮断されれば業務が止まるリスクがある。
    ●アマゾンやMSやグーグル
    ・どの層のサービスか示す言葉としてSaaS PaaS IaaS(イアース=インフラストラクチャアズアサービス)
     IaaSの主要企業はアマゾン(EC2)で小売システムで空きが出るシステムを売っている
    ・無料OSは安いが技術者がいなかったり、技術者の教育費用がかさむケースもある→MSOS残存の理由
    ・クラウドは銀行預金。オンプレミスはたんす預金。
    ・MSは「お金を全て銀行にあずけるのは不安でしょう」とあおり、
     たんす預金の必要性を説いてから銀行が優位な部分もあるのでそこはMSが創業するという。主戦場をずらすやり方。
    ・今まで使っていたMS上のソフトをそのままクラウドでも使える→MSアズールの強み
    ・携帯はMSは苦手。親父くさい。重要な機能の絞込みが下手で機能ゴテゴテになる。
    ・グーグルは情報の収集・整理マニア
    ・自PC業務は応答性が有利。ネット業務はメンテ、世界中から使える、不正コピー心配なしという利点が
    ●出遅れた日本
    ・日本企業が腐心するのは、ルールが与えられたときにその中で最高を目指すこと。ルールを作ろうとは思わない。
    ・日本はモノや規範を大事にする傾向が強い。ハード離れが遅く出遅れに。
    ・コンピュータやネットワークはうろんな産業だという認識がいまだに存在。
     旧ルールからの攻撃も受ける。薬品の通信販売原則禁止が良い例。
    ★旧ルールを墨守することは気持ちがいい。
     何かきちんとしている気分が味わえるし面倒な思考からも逃れられる。
    ・日本はクラウドをあきらめてニッチな市場での戦いをすべき。

    ●話ネタ
    ・日本のデータセンタは高コスト体質.華美で豪華な設備。
     ベルギーのグーグルデータセンタはコンテナにサーバが格納されて野ざらし
     基本的に修理はしないし壊れたものははき。空調設備も無い
    ・ブラックベリー:欧米の代表的なスマホ オバマも愛用
    ・クラウドと接続する3スクリーンは。パソコン、携帯、テレビ。

  • この三社やアマゾン、セールスフォースなどを含めた、各社の強みや思想がわかり、今後の展開が非常に楽しみになった。
    また、最初に「クラウド」やSaaS,PaaS,IaaSの語句の説明があり、読みやすかった。

  • クラウドを消費者目線で解説した本かな。
    目に見える部分で、クラウドがどう進み各社がどのように戦略をとっているのか。
    うーん、読んだ後の私の予想としては、今後は競合するより、住み分けが進むかなと。
    Windows Azureって、今、どうなってるんだろ。

  • 各社の戦略がほどよくまとまっていた。全体動向の把握によかった

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著者プロフィール

中央大学国際情報学部教授

「2021年 『デジタル/コミュニケーション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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