- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334035594
感想・レビュー・書評
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・高齢になると、脳の回路の配線がへってくることも知られていますが、配線がへって新しいものを学習する柔軟性がなくなったかわりに、経験につちかわれた的確な判断が、すみやかにくだせるのでしょう(これは「結晶知能」と呼ばれています)。
・心地よいと感じることが、脳の配線を変えてしまうのであれば、ときには「だまされて(勘違いして)までも」心地よいと感じることに意義がでてきます。
・買い物かごをもつときの姿勢は、赤ん坊を抱き続ける姿勢に相当し、子育てを担当してきた女性は、この肘を曲げたまま長時間支える動作がふつう得意なのでしょう。アタッシュケースを握って持ち運ぶのは、おそらく遠くから獲物を握って持ち帰る体勢に相当し、狩猟を担当していた男性が平均して得意としているのだ、と思われます。
・しかし、協力行動には裏切りがつきものです。そのため、それを防止する仕組みもあわせて進化しています。裏切り者は排除され、結果として、取り決めを信じる心情をもった「だまされやすい人々」がおもに、生き残ってきたのです。
・もし、身のまわりの細かいことに目くじらを立てて糾弾する人がいたら、それは、憤りをちゃんと報復行動にうつす人です。社会集団にとっては、タダ乗り防止のための貴重な存在ですので、「うるさい」などと言わずに大切にしてあげてください。その人は自分の損失を省みず、はからずも社会のために働いてしまっているのです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初めて手に取った進化心理学の本だったが、この本で進化心理学の面白さに引き込まれた。
究極要因からのアプローチは、物事の本質を捉えることができるようになるだろう。 -
現代の社会で、ポジティブシンキングに一定の効力がある。
うつになるのは女性が男性よりも多い。男性の方はプライドを維持する傾向が強いので、自己防衛が強固でうつになりにくい。 -
進化心理学から読み解くと だまされ上手が生き残って請っていくというお話。
なかなかおもしろい。 -
進化心理学の入門書として著者の講義でも使用できるように書いた本になります。
進化心理学とはあまり聞きなれませんが、人の心の働きを進化の仕組みに照らし合わせて理解するという学問です。
諸説の一つでありますが、読んでいて目新しく面白かったです。
現在の人類の歴史は1万年ほど。
たった500世代という内容を読んで、現在の急速な社会変化に人間がついていくのが大変なのもわかる気がしました。 -
進化心理学 入門用
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各章の最初にあるエピソードからは興味が湧くが、内容は如何に進化してきたかに重点が置かれているので、「生き残り」「心理学」というキーワードに引っかかって現実的な手法を求めると肩透かしをくらう。確かに心理学なんだけど進化学の方が色が強い。■「狩猟民族だから」という表現に、そんな大昔のこと関係なくないか?と思っていたけど、進化の歴史を考えると本能的な思考回路という部分でやっぱり残っているのか、と納得できた。でも農耕が始ったのはわりと最近のことなので、「狩猟民族」「農耕民族」という切り分け方は遺伝子的にちょっと違う気がするなぁ。
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[ 内容 ]
なぜ「だまされる」ように心は進化したのか。
「おろか」な行動は、実は生き残りための「賢い」戦略かもしれない。
人間の心の働きを、生物進化の仕組みに照らし理解しようとする新しい学問、進化心理学。
そのエッセンスを詳しく解説。
進化の仕組みをもとにした、その成果から現代を生き抜く賢い戦略が見えてくる。
[ 目次 ]
序章 恐怖を手なずける
第1章 人生をうみだした進化の原理
第2章 遺伝子の生存競争
第3章 わかりあえないオスとメス
第4章 狩猟採集民の脳と心
第5章 人間は「協力するサル」である
第6章 文明社会への適応戦略―信頼の転換
第7章 現代社会の生きにくさにせまる
終章 だまされ上手の極意
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