- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334035662
作品紹介・あらすじ
世継ぎの混乱と血みどろの宗教戦争に彩られた王朝の誕生から、十九世紀、ヨーロッパ全土に吹き荒れた革命の嵐による消滅まで、その華麗な一族の歴史を、十二枚の絵画が語りだす。『名画で読み解くハプスブルク家12の物語』に続く、ヨーロッパの名家を絵画で読み解く第2弾。
感想・レビュー・書評
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ブルボン家は
イギリス、フランス、スペイン、オーストリアに密接に関係して子孫を形成していく。
近親婚も多く中には発達障害も見られて王は失望た様がある。
華やかな時代から革命の時代そして共和制へ。
生まれた時から政略結婚が決まっている、人質として差し出される、自分で決められることが少ない人たちの葛藤と歴史は奥深い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ハプスブルク家、ロマノフ家、に続いて読んだ。相変わらず面白い。
P185
この時の新聞記事の変遷が、情けないやら可笑しいやらで、「怪物、流刑地を脱出」に始まり、「コルシカの狼、カンヌへ上陸」「王位簒奪者、グルノーブルへ入る」「専制皇帝ボナパルト、リヨンを占拠」「ナポレオン、フォンテーヌブローへ接近」、最後は「皇帝陛下、明日パリへご帰還」ときたものだ。 -
少し前に中野京子さんの『残酷な王と悲しみの王妃』を読んで、面白かったけど頭の中がこんがらがってしまった。
16世紀、17世紀のヨーロッパは国同士で政略結婚していて、王家と王家が親戚になっている。しかも同じような名前が連なり、ますます混乱する。高校生が世界史を避けたくなるのが、わかるような気がした。
本書はフランス、ブルボン王朝にスポットを当てていたので比較的わかりやすかった。
一つの時代を象徴する一枚の絵から物語を展開させるという掴みどころは良かった。
ルイ14世の時代はルイ14世その人、ルイ15世の時代はポンパドゥール伯爵夫人、そしてルイ16世の時代は当然マリー・アントワネット…と思ったら、意外にベンジャミン・フランクリンでした。
血統を重視しているようで、アントワネットはハプスブルク家のほうに書かれているようです。そうするとハプスブルク家のほうも読まなくちゃ。
ブルボン王朝の流れは概ね把握できたものの、フランス革命後の政局は二転三転する流れは、やはりわかりにくい。もう少し個人にスポットを当てた書物を読んで、しつこく勉強するしかなさそうだ。 -
数珠繋ぎでどんどんどんどんハマってしまい、中野京子氏の3冊は図書館で借り、その後4冊購入。
購入した4冊の内では、ハプスブルク家についで本書が2冊目の読了。
じっくり読んでいるので時間がかかる。
家系図を拡大コピーして(個人使用)、他の年表などと照らし合わせて書き込んだりマーカーしたりしている私を見て家族からは「一体何の為にそこまで…?」と呆れられている。
何の目的も無い。
ただただ知ると楽しい。
それにしても、家系図が複雑過ぎて(本のレイアウトのせいではない。そもそもの欧州内複数の国々にまたがる近親的婚姻関係のせいで)、どうしても同じ1枚に書き込む余白も無い為、頭の中で結びつけるのだけれどこんがらがる。
本書あとがきに、うまい具合に興味をそそるように『怖い絵』シリーズの紹介文がある。
いずれそちらも読むことになるだろう。 -
新婚旅行でパリに行ったため、予習のため読んでいた。
ロマノフ、ハプスブルクも読んできており、やっぱり中野さんの文章は読みやすいしとっつきやすい。
ちょうどパリでルーブル美術館に行く予定があったため、本書が大いに役立った。歴史を学ぶという意味でも、絵画が描かれた背景を知るという意味でも。
ルーブル美術館ではルーベンスの『マリー・ド・メディシスの生涯』を見ることができたし、なぜこの絵が描かれたのかという背景も事前知識として持っていたのが良かった。
また、『ナポレオンの戴冠式』はルーブル美術館にもあるがヴェルサイユ宮殿にもある。なんとどちらも本物のようだ。この細かさと大きさの絵を2枚も描いたということ…。 -
ヨーロッパ、特にスペイン、フランス、イギリスの探求が止まりません。
ブルボン家=歴代ルイ(特に14世)による、“これぞ王族”のきらびやかな衣装、宮殿、逸話の数々。
ルーブルにヴェルサイユ、厚みのあるマントを羽織った肖像画。芸術の開花…
そこから生まれた物語「三銃士」「ヴェルサイユのばら」…
末路はともかく、この足跡たるや!! -
名画で読み解くシリーズ。オールカラーで楽しめる。歴代の人物が出てくるし、一つの絵に関して深く知ることができるのでおもしろい。
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12枚の絵画を通してフランス・ブルボン王朝の歴史を紐解く1冊。
ちょこちょこ小説で読んでいる人物が絡んでくると、急に解像度増す気がするから歩楽しい。
こういう自分の中にある知識の点と点が、読書中に線になって繋がってゆく瞬間がたまらなく気持ちいい。おそらくこの瞬間の気持ちよさのために読書をし続けているのだな、と思います。
その瞬間は、読書中だけではなく、ゲームでも映画でもたわいのない会話中でも同じ。
ふとした瞬間に、繋がる気持ちよさ。知識が繋がるのはとてもいいです。
絵画は12枚だけでなく、各章ごとに補足するためにいくつか追加で紹介されています。知っていたのは「ガブリエル・デストロとその妹」乳首摘んでるやつですね。思春期には印象は強いですこの1枚。「ぶらんこ」スカートの中覗いているやつ。あの貴族に気づいてなんちゅう性癖絵画だと思った記憶。
「ナポレオンの戴冠式」「アルプスを超えるナポレオン」「民衆を導く自由の女神」の有名すぎる3枚。
「メデュース号の筏」極限の暗さ。
世界史というかヨーロッパ史の複雑さは、各時代各国の婚姻関係にあると思います。
これに比べたら、日本史の同じ感じ使用している名前(偏諱のせい)が多くて覚えられない、なんて戯言じゃないかと思うんですけどねぇ。まあ、覚えられないと言っている時点で覚える気持ちを半ば放棄していると思うので、死ぬ気で覚えるしかないのですが。テストなら丸暗記でいいのでしょうが、物語として楽しんでいる身としては、するする覚えたい。
なので、点と点が繋がると気持ちがいいのです。あ、この知識がランクアップしたという感覚。他人にはわかりづらいでしょうが、楽しいのです。 -
中野京子さんの本を読むようになってから、絵画に描き込まれてる何気ない一つ一つがそれぞれ重要な意味や暗示をしているということに気付かされ、絵画ってこんなにお喋りなのねーと思えるようになった。絵画鑑賞の面白さを教えてくれた作者さん。なので彼女の出す本は大抵面白い。
絵画を深く見ようとすればするほど、歴史や宗教への理解は不可欠なのだが、ヨーロッパの歴史と宗教は非常に複雑で、なかなか覚えられない(覚えたそばから忘れていく笑)。本書もしっかりと巻頭の系譜を見ながら読んでいったけど、いかんせんヨーロッパ王室は同じような名前の人が男女ともに多くてこんがらがる。極端な話、アンリって名前をつけたいなら長男から順につけていけば良いのにそうじゃないし、国まで違うアンリも出てきて「あなたはどちらのアンリ様?」となる(笑)シャルルもそうだし、マリーもわんさか。これはひとえに私の勉強不足に尽きる。が、多少曖昧でも知りたいことをピンポイントに書いてくれるのがこの著者のすごいところ。特に逸話が多いので面白く、歴史上の人物がより身近に思える。そんなわけで今回も終始楽しく読めた。西洋史をちゃんと知ってたらもっと堪能できたかも。勉強しなおそうかな。 -
マルクスを読んでの感想が、オルレアン家のルイ・フィリップとは誰ぞや、だったので読みました。ルイ14世の弟の家族なんですね。
ロシアの時より、他の国との絡みが多くて面白かったです。当事者でないから言えるけれど。
そしてヴィジェ・ルブランの描く絵の繊細で美しいこと。本人も可愛いし。
全然美女が出てこねえなあと思っていたら突然のポンパドゥール夫人。綺麗ですねえ。
ブルボンの封印は14世でいいんだっけ?鉄仮面も少し期待してました。
絵本みたいにあっという間に読めてしまうので高いけど、他も読みます。本屋行かなきゃ。