ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334035709

作品紹介・あらすじ

2008年2月、日本で10年ぶりとなる宇宙飛行士の募集が、日本の宇宙研究・開発を担うJAXAによって発表された。応募総数は史上最多。そして、選抜試験自体も最難関で熾烈を極めるものとなった。本書は、この選抜試験の取材を日本で初めて許され、さらに候補者10人に絞られた最終試験では一部始終に密着することに成功した、NHKの番組スタッフによるドキュメンタリー。その10人がおかれた閉鎖環境という特殊な状況下で、彼らは何を考え、語り、行動したのかをつぶさに追ってゆく。宇宙という極限の環境において自らの命を賭け、かつ他の乗組員の命をも預かる宇宙飛行士とはどういう職業なのか。その資質と人間力に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 1000人近い応募者の中から「宇宙飛行士」最終選抜に進んだ10名のドキュメントです。
    飛行機の事故率が100万分の1。一方でスペースシャトルの事故率は66分の1。
    誰もが憧れるに違いない宇宙飛行士の厳しい現実。
    2週間にわたる最終選抜が極限のプレッシャーの中で行われます。
    選びに選び抜かれたそうそうたる10名がいかに考え、いかに行動するのかが興味をひきます。
    「宇宙兄弟」を愛読していた私にとって、まさにマンガの世界が展開されているのに驚きました。
    閉鎖環境施設での一週間の試験、その後のNASAでの試験。極限の状態とも言えるなかでの人間ドラマに夢中で読み進めました。
    ここまで来ると、自分を取り繕っても意味がないとの境地にいたり「自然体」で臨むと口々にのべています。ギリギリの状況でも冷静に自分の役割を見いだし他人を思いやる姿に、人間としての強さを感じました。出来ることなら10人全員合格してほしい。そんな人たちでした。
    最後、無情の落選の際にも「挑戦して、失敗して自分の人生はこの繰り返しですから」「夢を忘れずに全力投球できたことはそれだけで幸せ」など人間性の素晴らしさを感じさせます。
    どんな難しい試験でも、結局は自分との戦いであって、自分の積み上げてきたものを全て置いてくるだけというメンタルになることが一番強みを出せるのだと思います。だから、あれほど努力してなお夢叶わぬときにも、涼やかな行動が出来てしまうのだと思います。でも試験勉強の時はまだよくて、結果を待つだけの時って本当に苦しいですよね。手持ちぶさたになって、でももうできることもなくて……。何か昔の自分の経験を思い出しちゃいました。
    また、最終選抜には残れなかったけど54歳に至るまで諦めず試験を受け続けている福山さんのエピソードにも感動しました。自分が年老いてもそうありたいなと思えました。
    ちゃろちゃすさん、素敵なレビューありがとうございます(^o^)/素敵な本に出会えました。

    • ちゃろちゃすさん
      ちゃたさん
      こんにちは!
      素敵な感想で、また読みたくなっちゃいます。
      夢が叶わなかった人たちの涼やかな振る舞いの分析、納得です。
      私だったら...
      ちゃたさん
      こんにちは!
      素敵な感想で、また読みたくなっちゃいます。
      夢が叶わなかった人たちの涼やかな振る舞いの分析、納得です。
      私だったら、おめでとうと祝福しつつも、やはり悔しさが残ってしまいそう。ふふ。
      ファイナリストたちと自分のレベルの違いをこれでもかー!と感じつつも、夢と清々しさをもらえる本ですよね。
      2023/02/13
    • ちゃたさん
      ちゃろちゃすさん、ありがとうございます!スゴく面白かった
      です。自分なら夢破れたら未練たらしく幾日も号泣します。「俺の敵はたいてい俺です」と...
      ちゃろちゃすさん、ありがとうございます!スゴく面白かった
      です。自分なら夢破れたら未練たらしく幾日も号泣します。「俺の敵はたいてい俺です」とは宇宙兄弟の主人公の言葉。自分の小ささを感じました(^-^;
      2023/02/13
  • 【まとめ】
    0 まえがき
    「宇宙飛行士」という職業に就く人間は、世界でも数える程しかいない、いわば「人類代表」である。そうした、天才とも超人とも思われる宇宙飛行士が選ばれるプロセスそのものへの興味と、想像を絶する激しい競争が見られるのではないかという大きな期待があった。
    しかし、およそ1年がかりで追い続けた宇宙飛行士選抜試験で我々が目にしたものは、超人が華々しくその天才ぶりを発揮する姿でも、凡人には理解できない難解な試験が繰り広げられる光景でもなかった。
    あえて短い言葉で表現するなら……
    どんなに苦しい局面でも決してあきらめず、他人を思いやり、その言葉と行動で人を動かす力があるか。
    その「人間力」を徹底的に調べ上げる試験だったのである。


    1 選び抜かれたプロフェッショナル
    JAXAが2008年2月27日に行った発表に、日本中にいる多くの人たちが心を躍らせた。
    『ISS(国際宇宙ステーション)長期滞在に対応可能な日本人宇宙飛行士の候補者を新規に募集・選抜する』
    NASAの場合、宇宙飛行士の選抜試験は毎年のように行われ、これまで30人あまりの宇宙飛行士が誕生している。しかし日本の場合、試験はそう頻繁には行われない。今回を含め、ここ5年間で5回しか行われておらず、日本人宇宙飛行士は通算で8人しかいない。日本の総人口がおよそ1億2800万人(2005年現在)であるから、宇宙飛行士になれる確率は、1600万人に1人だ。

    応募書類を送ったのは963人。職種は会社員が5割と一番多く、みな、それぞれの組織の第一線で活躍している人材ばかりであった。

    ただし、実際宇宙飛行士に選ばれると、大きなリスクを背負うことにもなる。宇宙へ行くということは、今も命を落とす危険と隣り合わせであるからだ。アメリカのスペースシャトルは、これまで2回の事故を起こしている。1986年の「チャレンジャー号」の爆発事故と、2003年の「コロンビア号」の空中分解事故だ。あわせて4人の宇宙飛行士が、一瞬にして命を奪われた。
    また、それまでに積み上げてきたキャリアも捨てなければならない。そして、一人前の宇宙飛行士として認められるためには、最低でも2年間の訓練が必要だと言われており、その2年の訓練を順調に終えたとしても、宇宙に行けるようになるためにはさらに2年の訓練が必要だ。しかし、他にも宇宙飛行士はいる。このため宇宙飛行の機会は、そう簡単には巡ってこない。10年以上待たされることも珍しくない。
    さらに、生活は激変する。日本の宇宙飛行士は、主にNASAで訓練を受けることになる。このため、アメリカに移り住まなければならない。家族を連れていくのであれば、子どもたちの教育環境も一変する。収入に関しては、大卒30歳で約30万円と、公務員とあまり変わらない。

    JAXAは、今回の選抜試験にこれまでにない大きな意味を持たせていた。
    資質審査委員長を務めたJAXAの長谷川氏は、次のように野心を語っていた。「国際宇宙ステーションに、乗組員の1人として長期滞在するだけでは物足りない。船長になって、他国の宇宙飛行士を率いることができるような優秀な人材を選び出したい」
    世界のリーダーになれる人材の獲得。その目的を達成すべく、JAXAは今回の試験を、これまでの採用試験の中で最も厳密なものにしようとしていた。

    候補者は、宇宙飛行士の主な任務である「宇宙科学実験」「宇宙ステーションの整備」が行えるスキルを備えつつ、船長として、宇宙飛行士同士の人間関係を円滑に育むといった「ソフト面」の能力も持ち合わせなければならない。

    そうしたスキルの検査と、極めて綿密な健康面の検査が行われた結果、最終候補者は10人に絞られた。


    2 極限のストレス環境
    文化や習慣、それに価値観の差は、完全には埋められないものだ。
    どれほど仲の良い、気心の知れた関係であっても、長い間、朝、昼、晩と一緒に生活していると、普段は気にならないようなクセや言動が気になるようになってくる。食べ方や仕草、話し方など実に他愛のないことが見過ごせなくなり、ストレスの原因に変わる。忙しかったり、疲れていたりして心に余裕がなくなるとなおさらである。同じ日本人でもそうなのだから、国籍や文化も違う者同士だと、軋轢は一層大きくなる。
    さらに宇宙特有のストレスもある。そのうち2つを挙げてみよう。

    ①騒音
    完全な密閉空間である国際宇宙ステーションは、様々な「音」がこもってしまう。
    宇宙ステーションの中では、多くの装置が絶えず動いている。空気を循環させる換気扇、実験装置の駆動音、冷却水を回すポンプ。こうした装置が出す音はすべて、ステーション内に充満する。これら一つ一つの音が重なり合ってまさに「騒音」となり、乗組員にストレスを与えるのである。実際、過去に国際宇宙ステーションに滞在した宇宙飛行士の中には、騒音で耳をやられ、難聴になった人もいるという。このため、日頃から耳栓をつけて作業に当たっている宇宙飛行士もいたほどだ。

    ②臭い
    「音」と同様に「臭い」も、そのまま滞留する。いわゆる体臭や汗、それに洗面所の臭いである。ちなみに、国際宇宙ステーションにはシャワーなどの入浴設備がない。専用のウェットタオルで体を拭くなどしかできない。つまり長期滞在の宇宙飛行士は、6か月間、風呂に入れないのだ。どんなに清潔に保とうとしても、体臭や汗の臭いが出てくるのは当然のことで、関係者によると宇宙ステーションの中は、体臭、汗、機械の臭いなどが混ぜ合わさり、独特な臭いが充満しているという。

    しかし、何よりも忘れてはならないのが、国際宇宙ステーションの壁を一枚隔てた外は、空気もない「死」の世界だということだ。
    ストレスが原因でミスや事故が起きれば、任務をこなすことが困難になったり、最悪の場合、乗組員全員の生死や健康に影響したりすることもあり得る。旧ソ連が1986年から2001年まで運用していた別の宇宙ステーション「ミール」では、長期滞在に耐えられず、同僚の乗組員と不仲になり、うつ病になってしまった宇宙飛行士もいた。つまり、単なる「我慢」では乗り越えられないストレスフルな生活であり、それに打ち克つためには、「強い精神力」と、長期間の共同生活への「適応力」が必要不可欠なのである。

    JAXAに作られた『閉鎖環境施設』は、地上に宇宙ステーションを模した環境を作り、その中で訓練して長期滞在に備えさせるのが目的であった。10人の候補者は、ここで1週間に渡って共同生活を送り、体調、素行、精神、心理状態を、数台のカメラで24時間監視され続ける。その上で「最終合格者」が決まるのだ。

    ここで、閉鎖環境試験の2日目を追ってみよう。
    朝6時に起床。6時45分から体温測定、問診票記入。7時30分朝食。8時30分から第1の課題、「ボードゲームの制作」。10時から第2の課題、「ディベート」。12時に昼食を挟み、13時から第3の課題、「グループディスカッション」。15時に第4の課題、「FCC」。19時30分、夕食。20時30分以降は、コンピューターを使った「疲労度を測るための検査」や、筆記式の心理テスト」、日記の記入、掃除など1日を締めくくる課題や作業が多く用意されている。そして、24時に就寝。
    また、夜22時までは休憩はなく、次から次へと課題をこなすことが求められる。そして課題内容は、そのときにならないと知らされない。候補者たちはこの生活をおよそ1週間続ける。
    多忙と密室というストレスに耐えられるか。そして、ストレス環境下であっても、チームワークを発揮できるか。リーダーシップとフォロワーシップもJAXAは見ているのだ。


    3 危機を乗り越える力
    宇宙飛行士に求められる資質とは何か。
    「ストレスに耐える力」
    「リーダーシップとフォロワーシップ」
    「チームを盛り上げるユーモア」
    そして———「危機を乗り越える力」が備わってなければならない。

    宇宙での危機対応は、一刻一秒を争う。対応が遅れたり、適切でなかったりすれば、自らの命をはじめ、宇宙施設そのものが失われる恐れがある。国の代表として宇宙に滞在している以上、宇宙飛行士は危機を迅速かつ正確に認識し、最適な対応を素早く、効率的に遂行することが当然のこととしてできなければならない。
    たからこそ、候補者の「危機を乗り越える力」も、絶対に見極められなければならない資質なのである。そして試験では、その資質を試す課題が用意されていた。

    「危機を乗り越える力」。これを発揮する上で、最も大切なものは何か。
    それは「どんなときも折れない心」である。
    宇宙飛行士は、どのような絶望的な状況であっても、同僚の宇宙飛行士はもちろん、地上にいる仲間に全幅の信頼を置き、冷静さを決して失ってはならない。そして、地上にいる仲間を逆にいたわるような余裕を見せ、彼らが力を最大限に引き出してくれるよう、出来る限りのすべてのことを、迅速に、そして正確に行わなければならない。最も危機的な状況にある宇宙飛行士こそが、率先して自らの平常心を保ち、どのような状況にあろうとも決してあきらめないという、折れない心を持っていなければならないのだ。

    それを図るべく、候補者10人に「ロボット作り」の課題が示された。「宇宙船の雰囲気を和ませるためのロボットを作れ」という指令に対して、候補者たちはたった3時間で形になるロボットを作ったのだが、審査員たちに「宇宙環境を考えていない」「まったく面白くない」と(わざと)酷評されてしまった。

    柳川氏は言う。
    「難癖をつけられたとき、なぜそのように評価されたのかをまず分析し、次にそれをどうやってリカバーするか。課された問題をどのように乗り越えるのかを見たいのです」

    指摘を受け固まる候補者たち。その中でいち早く動き出したのは、航空自衛隊のパイロット、油井だった。
    「できることとできないことを整理して、対策を考えよう!」
    自分は今、何を求められているのか。油井は現状を的確に分析し、リーダーシップを発揮しながら積極的に判断を下していった。
    油井「ああいう時は本当にリーダーシップが大事だと思います。制限時間が迫り、状況が錯綜してきて何をすればいいかわからないようになると、全員の役割分担が不明確になって、作業に非効率な部分が必ず生まれてきます。そこはリーダーがしっかりと、明確な指示を直接出してあげて、目標達成に導くことが非常に大事だと考えています」

    また、もう一人頭角を表したのが、全日空の副操縦士である大西だった。酷評を受けて班の意見が「ロボットの機能を削減して、審査員が求める要件まで単純化する」とまとまりかけていたとき、「そこをなくしたらこのロボットのセールスポイントが無くなる」と、大西が油井に進言したのだ。

    このときの油井と大西のやりとりは、危機的な状況においてリーダーシップとフォロワーシップが見事に発揮された好例である。
    油井は、限られた時間の中、チームとして取り組むべき課題の取捨選択を先導した。どれほど重要なことであっても、捨てるべきものは捨てなくてはならない。自衛隊での経験に裏打ちされた明確な姿勢が、最終的に全員の意識を1つの方向に向かわせ、議論をより建設的にしていた。その一方で大西は、油井の整理した論点に基づき、この課題においてチームとして何が重要で選択すべきものなのかについて、自分なりに分析し、焦点を定めていた。そして、たとえ自らの主張が全体の流れに反するものであったとしても、それを主張するタイミングを間違うことなく、確実に進言している。

    油井は「リーダー」としてチームの最終的な決断を、大西は「フォロワー」としてチームにとって必要な進言を、それぞれ確実に実行した。自らの役割と立場を正確に認識し、期待される働きをしっかりと果たしていたのである。

    閉鎖環境施設での任務終了後、NASAでの面接を経て合格者が決定した。油井、大西、金井の3人だった。ここから3人はNASAで2年にわたる訓練を受ける。
    訓練では、常にトップから最下位まで成績の順位がつけられ、宇宙飛行士としての資質が見極められていく。コマンダー候補となるためには、当然トップクラスでなければならない。トップクラスの成績を収めれば、宇宙に飛び立つ日も早く訪れる。彼らにとって、試験はまだ終わっていない。これからの2年間は、長く厳しい競争の日々なのである。

    その訓練内容は多岐にわたる。国際宇宙ステーションの運用に必要な技能から、実験をこなすための科学的・技術的な知識、そして英語とともに、国際宇宙ステーションの公用語であるロシア語の習得と、幅広い。そして、危機的な状況における対応能力を鍛えるための、ジェット機を使った操縦訓練もある。今回のJAXAの選抜試験でも重視されたが、緊急事態に対応する力は、宇宙飛行士に常に求められ続ける資質である。
    夢の宇宙に至るまでに、3人に残された道のりはまだ険しい。

  • ブクログレビューを拝見して知った本。
    書籍化(文章化)したNHKのお2人の文章と構成もわかりやすいので、夢中で読了した。

    本書に氏名が出てくるある方と、選抜試験当時を挟んで今から11年程前までの数年間、年に2度程の親交があった。
    当時この試験があったことを情報解禁後に聞いていたが、こちらもほとんど突っ込むことなく、他の話題だけで楽しく会食していたと思う。
    本書を読んだ今、実にもったいないことをしたと思う。

    この時の選抜試験で合格したのが大西さんと油井さんであるということと、お2人の職業だけは覚えていたので、本書を読み始めてどの方が合格者かはわかっていた。
    しかし、このお2人だけでなく、若田さん野口さん山崎さん含め、どの方のも実際の宇宙へのミッションのニュースやドキュメント番組なども観たことも気にしたこともなかった。
    (本書の採用以来14年ぶりに、先月末に採用発表があったことすら今初めて知った。だから本書のレビューも上がってきていたのかと合点がいく。)

    本書を読んで感銘を受けた。
    本書の最終試験に残った10名全員が素晴らしい。
    今後、日本人宇宙飛行士関係の他の書籍等も(あれば)遅ればせながら読んでみたい。

  • ファイナリスト内山崇さんの『宇宙飛行士選抜試験』を読んだあとにこちらを手に取る。
    結果は分かっているけど、宇宙飛行士への夢を叶えようとする10人と一緒にドキドキワクワク。
    内山さんの本の夢への熱量とはまた違った、審査する側の評価や解説が冷静でありながらやはり宇宙への夢を持つ人がもつ熱さが感じられ、興味深く読めた。

    とんでもない技術と能力、努力に裏打ちされた経験を持つ、強くて魅力たっぷりの誇らしいファイナリストなのに、自分と同じ人間なんだ!と感じられるのが不思議。
    リーダーシップ、フォロワーシップなど仕事に活かせそうだなと恐れ多くも参考になった。

    どんな時も諦めず、自分と仲間を信じる人間力、私も欲しい。

    夢や宇宙っていいなぁ。
    今日も夜空を眺めよう!

    • ちゃたさん
      ちゃろちゃすさん、こんばんは。

      レビューを拝見しとてもワクワクしました。私は「宇宙兄弟」やNHKのドキュメントで見ましたが、すごいの一言で...
      ちゃろちゃすさん、こんばんは。

      レビューを拝見しとてもワクワクしました。私は「宇宙兄弟」やNHKのドキュメントで見ましたが、すごいの一言でした。自分もあんな試験うけれるひとになれたらなぁと思った日々を思い出しました。読んでみたいです。
      2023/02/07
    • ちゃろちゃすさん
      ちゃたさん こんばんは!
      本当に、すごい!の一言ですよね。
      なのにメディアに登場する宇宙飛行士の方々は穏やかで賢そうで、試験や訓練の厳し...
      ちゃたさん こんばんは!
      本当に、すごい!の一言ですよね。
      なのにメディアに登場する宇宙飛行士の方々は穏やかで賢そうで、試験や訓練の厳しさを感じさせないあたり、まさに能ある鷹はという感じがします。
      読んだらぜひ感想を聞かせてください!
      私はこの本を読み終わってから、宇宙兄弟が気になって気になって...
      2023/02/07
  • 久々の大ヒット本である。宇宙に対して特に興味はなかったのだが、これは宇宙の話ではない。夢を持ち続ける大人たちの情熱の話だ。まず登場人物の経歴が豪華で、同じ人間なのにどうしてこうも違うのだろうと心の底から尊敬する。その中でも、「冷静すぎて怖い」と周りから言われるという大西卓哉氏が個人的に一番好きだ。如何なる状況下でも冷静にいられるように私もなりたい。 特に凄いと思ったのは、油井亀美也氏。試験官からのダメだしをすべてメモしていた唯一の人物である。そのメモを元に、問題を改善するためにはどうすればよいかと考えて行動している。本書を読んだ後の爽快感が気持ち良い。何度も読み直したい。

  • 2008年2月、日本で10年ぶりとなる宇宙飛行士の募集がJAXAで行われた。
    NHK取材班はJAXAに粘り強い交渉を行い、最終候補者10名の完全ドキュメンタリー取材の許可を得た。

    この宇宙飛行士募集に対しての応募者は20代から50代まで総数963名だった。
    子供のころから宇宙飛行士を夢見続けてきた者、自分の研究を生かしたい者、宇宙飛行士選抜試験のたびに応募し続けて「宇宙飛行士を目指し続けないと自分が自分でなくなります」という心意気を持つ強者まで。

    ドキュメンタリーの対象である最終候補者10名は、職業も研究者、パイロット、医者、実業家、自衛官などなど多岐にわたっている。
    本書で宇宙飛行士に求められる資質とは何か、として挙げられているのが以下。
     「ストレスに耐える力」
     「リーダーシップとフォロワーシップ」
     「チームを盛り上げるユーモア」
     「危機を乗り越える力」

    試験ではそれらが試され、そして候補者たちは良い素質を見せたり、たまに失敗したり、それを取り戻そうとしたり…。

    彼らはもし宇宙飛行士に選ばれたら、それまでの仕事を変え、キャリアを捨て、家族との生活も大きく変わる。
    そこまでしても宇宙に必ず行けるとは限らない。宇宙飛行士は待つのが仕事だという。だから宇宙飛行士の主な仕事は健康でいつづけるための訓練となる。
    さらに宇宙研究・開発は国を挙げて行われているため、宇宙飛行士はまさに生きた広告塔。そのため日常訓練だけではなく、マスコミ対策の訓練も行わなければならない。

    「夢」として追い続けてきた宇宙飛行士と、現実の宇宙飛行士の仕事は違うかもしれないが、それでも続けたい思うのか。
    宇宙飛行士に選ばれる最後のポイントは、彼らが本当にそこまでして宇宙飛行士を選ぶのかという覚悟を問います。
    そしてそれらは、宇宙飛行士だけではなくすべての職業でも必要とされる資質でもあります。

  • 候補者とその家族の想いに触れて、感動した。

    試験内容もかなり過酷ではあるけど、いろいろと考えさせられることが多くて面白かった。

    心に残ったのはNASAの面接官の言葉。「誰にも人生の物語がある。その物語を聞くことで、候補者が成長してきた背景を理解し、また、どのような選択をしてきたのかを質問することで、その人の本質を理解することができます。」と。
    今までなんとなく生きてきた私には、ドキッとする言葉でした。

  • 『宇宙兄弟』に全力ではまって約2カ月。
    同僚の先生が勧めていた新書を読んでみました。

    読んでみた感想は、
    選ばれし人物は本当に「いい人」だということ。
    仕事の面でもずば抜けて優れていることはもちろんでしょうが、
    とにかく人間性が優れている。すごい。

    今、教えている生徒たち。
    将来、社会に出て、きっと仕事はできると思う。
    持っている能力は本当に高いから。
    でも、教師としての本音は、
    《人間》として社会に貢献できる人物になってほしい。
    時にはリーダーとして、時にはフォロワーとして。
    そのためには、身近な大人である私たちが、
    それを実践していかなくちゃいけないんだよねぇ

  • 2008年に行われた宇宙飛行士選抜試験の様子が描かれているノンフィクション!
    試験内容は、閉鎖環境でいろいろな課題をこなすというもので、アニメ『宇宙兄弟』で見た選抜試験と同じような内容だった。
    宇宙飛行士には、ストレスに耐える力やリーダーシップ・フォロワーシップ、チームを盛り上げるユーモア、危機を乗り越える力など、ありとあらゆる力が求められる。まさに、人類の代表を決める試験だと感じた。
    13年ぶりに(2021年11月19日から)宇宙飛行士の募集が始まった。今後の選抜試験の動向が楽しみだ。

  • 10年ぶりに日本で行われた宇宙飛行士選抜試験。その模様に密着したNHKのドキュメンタリーを書籍化したもの。

    宇宙飛行士という特殊な職業に選ばれるような人は、どこか突出した能力が備わっていると思っていました。しかし募集には年齢の制限も設けられていなく、目指そうとする心意気があれば誰もが挑戦できる、随分と門戸の開かれた世界だという事実に驚かされます。
    もちろん宇宙飛行士という仕事柄、語学力や自然科学系の知識は欠かせません。しかしそれ以上にここで要求されるのは「人間力」でした。学習し続ける力、蓄えた知識を適時適切に活用できる力、周囲と円滑なコミュニケーションを取れる力…。夢に向かって奮闘する「かっこいい大人」たちの姿は、子供はもちろん大人でも背筋が伸び、チャレンジ精神が刺激されます。

    2017年の最初の一冊は前向きになれそうな本を選んでみたところ大正解でした。続編もあるのでぜひ読みたい。

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