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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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メディアの「暴走」というのは、別にとりわけ邪悪なジャーナリストがいるとか、悪辣なデマゴーグにメディアが翻弄されているとかいうことではありません。そこで語られることについて、最終的な責任を引き受ける生身の個人がいない、「自立した個人による制御が及んでいない」ことの帰結だと思います。
― 94ページ -
これまで繰り返し書いてきたように、どのような事態も、それを「贈り物」だと考える人間の前では脅威的なものにはなりえません。みずからを非贈与者であると思いなす人間の前では、どのような「わけのわからない状況」も、そこから最大限の「価値」を引き出そうとする人間的努力を起動することができるからです。
― 207ページ -
僕が言いたかったことは、人間たちの世界を成立させているのは、「ありがとう」という言葉を発する人間が存在するという原事実です。価値の生成はそれより前には遡ることができません。「ありがとう」という贈与に対する返礼の言葉、それだけが品物の価値を創造するのです。
― 183ページ
みんなの感想・レビュー・書評
発言に対する責任について考えさせられた。
どこかの誰かが言った言葉を、よく考えずにさも自分の言葉のように使ってしまうことの怖さ。
主体性を持って考えることを常に続けていくことが重要だと思った。
世論=誰でも言いそうなこと(=自分が黙っていても誰かが言うから、自分も言う/自分は言わない)←→自分の生身を差しだしてまで主張しなければならないほど切実な真実。
蔵書を残すことを紙の本の価値にしているのはよくわからない。
「これは自分宛ての贈り物だ」という錯覚が価値を生む。
TV、新聞、出版などのメディアに関する本質的な問題が記されていた。ところどころに克服していくヒントが散りばめられていた。レヴィストロースを読もう。
「将来やりたいことがないんだけど、私ってダメな人間なんだろうか。」こんな悩みを持っている人、君は全然ダメではない。
この本を読みなさい。
現代の社会の問題の根本がよーくわかるぞ。
メディアとは何か、メディアの存在意義とは…等、非常に興味深いトピックのオンパレードであっという間に読ませていただいた。特にキャリアとは何かの章は、ちょうど悩んでいることと深く関わっていたので、読んですっきりし、改めて自身のキャリアの構築について考えようと思った。また、贈与に関する話は非常に奥深く、コミュニケーションの本質を言い当てているように思う。電子書籍と紙媒体の対比に関する話で、本棚に本を並べる楽しみに非常に強く共感した。
能力は環境によって開発されるもの。そのときそのひとしか言わないことを表現するのに意味がある。自分に何ができるかではなく、その場にいる自分が何をできるか。
ブログ等で有名な内田樹の一冊。 メディア論を軸としながらも、若干取り止めなく内田教授の考えを述べていく。 大学の講義を下敷きにしているため、語り口はわかりやすく、ときに情緒的。 大学受験で内田樹の文章が使われることが多いという話が本書の中に書いてあるけど、 確かに大学受験の現国っぽい。 気になった文章はいくつもあったけど、なるほどなあと感じたのは、 『メディアの「暴走」というのは・・・... 続きを読む »
価値の創造を原始にさかのぼり、それをメディア論に当てはめているのが面白い。ビジネスとしての理解で説明できない部分があるということをそれにより解決が図られている。
日本人の多くがクレーマーになり、まず被害者のポジションになってから物事を言っているのではないかと言う考えに凄く共感しなるほどと思いました。会社や組織でもこのようなスタンスで仕事をしている人が多くいるのではと思いました。贈り物の考え方も私はとても共感しました。
(以下引用) 与えられた条件のもとで最高のパフォーマンスを発揮するよう、自分辞任の潜在能力を選択的に開花させること。それがキャリア教育のめざす目標だと僕は考えています。(中略)自分のほうから「私にはこれこれができます」とアピールするんじゃない。今しなければならない仕事に合わせて、自分の脳力を選択的に開発するんです。(P.21) 僕も桑原武夫に倣って、「あのメディアとなら一緒に革命がやれると... 続きを読む »
出版、新聞やテレビといったマスメディアの問題点をコミュニケーション論の観点から分かりやすく説明してくれている好著です。 著者は大学教授であり、マスメディア志望の学生を対象にした大学の講義内容を一冊の本にまとめられています。第一講の働くとはどういうことかから講義は始まり、マスメディアの問題点へ進み、そもそもコミュニケーションとは何かについて話が展開され、コミュニケーションの本質の観点から将... 続きを読む »
現代をマクロな視点で見ると、日本は思考停止、もっといえば「思考放棄」状態になっていると思われる。
常日頃から己の専門だけでなく多くの分野において思考を行わなければならない。
内田樹がメディアについて、日本社会の諸問題に敷衍して論じた本。
前半は、現代のテレビ、新聞といったマスメディアが抱える問題と、それがいかに日本社会、更には私たちのイデオロギーにまで影響を与えているかについて書かれている。マスメディアが世論を形成する過程や、常に「変化」を求めつづけてしまう構造的な体質を知ることは、私たちのリテラシーを健全に維持するために必須であると感じた。
後半は、コピーライトの問題について。ここでは、交易の始まり、さらには人と人とのコミュニケーション論にまで話を広げて、本を「あらかじめ価値を内包するもの」として扱う考え方を批判している。それを説明するために挙げられている、経済活動の起源と目的、そして「贈与を受けたと思いなす」能力は、私たちが今後「わけのわからない」状況を乗り越え生きていく上でとても大切な考え方だと感じた。
読みやすいし、面白い。著者の本を読むのは初めてだけど、「日本辺境論」が売れたのも分かる気がする。 情報源がたくさんある今日において、メディアの存在意義や、出版業界のあり方に疑問を呈している。一つにはメディアが定型的な報道に陥っていないかということ。それは「被害者・弱者=正義」であったり、「物事は変わるべきだ」という捉え方だったりする。もちろんそうであるときもあるが、そうでないときもある。そし... 続きを読む »
内田さんの持論全てに納得できたわけではありませんが、とても面白かったです。
特に、教育、医療に市場原理を適用してしまったことで
受け手が「最小限の負担で最大の利益を得ようとする」消費者に、もっと言うとクレーマーになってしまい、
教育現場や医療現場は崩壊しつつあるという話はなるほどと思いました。
それを、メディアの報道の仕方が助長しているということも。
逆にそうかなぁ?と思ったのは電子書籍のお話です。
平均的な読書量の私からすると、本棚にまつわる話は
相当な読書家の内田さんだから当てはまるのであって、
いまいちぴんと来なかったです。
話し言葉でとても読みやすかったので、他の「街場」シリーズも気になります。

現代メディア(特にテレビ、新聞、電子書籍)に対してのお小言集。
しかし決して愚痴っぽくはなく、問題提起の理由や現状をわかりやすい言葉で解説してくれる。
もともとは大学での講義を書籍にまとめたも...





