イタリア 24の都市の物語 (光文社新書 496)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334035990

作品紹介・あらすじ

世界中の旅行者を魅了する、ヨーロッパでも屈指の人気を誇る国・イタリア。日本では、いまだに「イタリア=歌って踊って恋をする国」というイメージが強い。しかし、その魅力は、男たちや女たちが織りなしてきた数々のドラマ、芸術家たちが味わった苦悶や歓び、英雄や偉人たちの精神と行動の軌跡、民衆が繰り広げてきた何気ない日常生活の集積体であり、かつ、それらを保存してきた都市のの魅力でもある。それぞれ特色のあるイタリアの街から、24都市を厳選-。イタリア留学経験もあり、レオナルド・ダ・ヴィンチ研究でも知られる著者が、さまざまな歴史上のエピソードを紹介しながら、「イタリアを歩く楽しみ」を伝える。

感想・レビュー・書評

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  • イタリア人は最も観光客を扱うのが上手。これだけの歴史があってその中で生活をしていれば、生活の中に自分の街を訪れる人をもてなすのは当たり前なんだろうな。
    まだ訪れたことのない街がたくさん。何年かイタリアから遠ざかっているから今年はイタリアかな。

  • NHKのイタリア語テキストにて連載中に担当させていただきました。池上さんは大学の先輩でもあり、尊敬する書き手です。

  • ついつい引き込まれる、と言った文体では無いし、なんとなく物足りない感じもあるけれど、これがNHKイタリア語講座のテキストの連載だということなら納得。各回のページ数限られてただろうし。なので駆け足でイタリアの文化や歴史に触れるパンフレット的なものだと思って読むといいと思います。写真オールカラーできれいし。

  • タイトルのイメージより面白い

  • NHKラジオイタリア語講座の元ネタかと思ったら、TV講座用テキストに連載していたそうだ。現在のラジオ講座と都市のダブりはなさそう。

    1都市あたり新書で数ページ(図版こみ)なので物足りないのは仕方ないが、行ったことのある町(14都市)にはまた行きたいと思い、言ったことのない町には行きたいと思った。図版がオールカラーなのもよい。

  • この方の本は『恋する西洋美術史』に引き続き2冊目。
    全図版がカラーで、しかも魅力的。
    新書は大抵読んだらすぐ手放してしまうけど、これはとっておこうかな。

    女たちの物語の章、フェッラーラで、ルクレツィア・ボルジアが出てきたので、このあたりの物語をいつか惣領冬実さんの絵で(チェーザレ/KCモーニングコミックスのこと)読めるだろうか、とニヤニヤ。

    イザベラ・デステは塩野七生さんの本でしか読んだ事が無いから、頭の中でそちらも思い出しながら読む。

    唯一行った事のあるフィレンツェ、やっぱり一度でも行った事、実物を見た事があると、文章を読んでいてもイメージが広がる。

    以前、付き合っていた人にフィレンツェとヴェネツィアに行くのが夢なんだ、と言ったら、どこにあるか知ってるの?と返されて心底げんなりしたものだけど、斯く言う私だって、ここに出ている都市の事、知らないことばっかり。

    だから面白いんだけど、物事知った気になるものじゃないな、と反省。

    あと、学者さんの文章って、正確に書こうとして回りくどくなったり、ってありがちだけど、この本はそんなことなくて、ワクワク感を掻き立ててくれる気がする。

  • 美術史家の池上さんの作品。というかお名前初めて伺いましたが。

    タイトル通りの作品。エッセイというには内容が濃い読み物ですが、一章一章は十数分で読めてしまう気軽なものです。

    ・・・
    やはり良さというと、想像を掻き立てる、行ってみたくなるという事でしょうか。

    収録されている24の地域を挙げますと、サン・レオ、アッシジ、ヴィンチ、ティヴォリ、シラクーザ、タオルミーナ、ヴェネツィア、ルッカ、マントヴァ、フェッラーラ、カノッサ、フィレンツェ、ボマルツォ、オルヴィエート、シエナ、ヴィチェンツァ、ペルージャ、ローマ、ヴェローナ、アマルフィ、サン・ジミニャーノ、チェファルー、マテーラ、パレルモ、です。

    おそらく多くの普通の日本人は、この中でご存じな町は精々4つか5つくらいなのではないでしょうか。でも、これだけ多くの世界遺産、素敵な町、その背後にある芳醇なストーリーがあるのに、日本人に知られていないのは実に残念な話です。

    一例を申し上げましょう。
    難攻不落のカリオストロ牢獄に幽閉された自称カリオストロ伯爵は詐欺師だったとか(サン・レオ)、レオナルド・ダ・ヴィンチはフィレンツェ上流階級の非嫡男と生まれ農村で育てられたとか(ヴィンチ)、教皇アレクサンデル6世の子として生まれ3回の結婚を経て世を去ったルクレツィアの話(フェッラーラ)など。あと、当時絶世の美女とうたわれたシモネッタの肖像画各種(フィレンツェ)とか。

    こういう話を聞いたらちょっと行ってみたくなりませんか?
    ま、これらにピンと来る方ならば、イタリアに行こうが行くまいが読んで損はないでしょう。

    ・・・
    逆に言うと、行く予定もなく、イタリア好きでもない方にはうまく刺さらない可能性があります。

    普通の一般的日本人は上記のなかでローマ、フィレンツェ、ヴェネツィアあたり知っていると思います。世界史を頑張った方は、シラクーザ、パレルモ、カノッサあたりは名前は憶えていると思います。サッカー好きはペルージャはご存じでしょう。

    でもこれ以上は厳しい(良く知らない)のが実情だと思います。
    そうした意味では、やはり一種目的のある方向けの作品だと思います。

    ・・・
    ということで美術史家池上氏による、エッセイ調で肩の凝らないイタリア小噺集でした。

    イタリアに興味のあるかた、近々旅行に行く方、あるいは丁度帰ってきた方にはお勧めできる作品です。

  • ぐっと心に迫る都市の燦然と輝く物語。気軽にひとくちパクリと読める物語は、読む者を夢想の郷に誘う。著者自身が撮影した写真たちは、物語の中にある力を解き放ち、息吹を得た時を想像させる。物語と写真は絡み合い、神秘的な影が伸びて絵が浮かんでくる。その絵に似た特有の旅をしたい、そう思わされる。知っている物語を、一語一語噛みしめて、一つ一つ自分の目と心で確かめたい。同じ所にいると、思想が静止の状態で持続する、慣性がつく。だから人は、エキゾチックな場所に、すーっと飛んで行き、そこで新鮮な時を想像し、新しい日常に帰る。

  • イタリアの都市を、歴史や逸話をもとに紹介している。
    イタリアに行ったことはなくても、
    世界史の本で通り過ぎた都市が魅力いっぱいである。

  • 小さいころから何故かイタリアが好きで、興味があったから読んでみた。

    歴史はあんまり得意じゃないから難しくてちょくちょく読み進めたけど、イタリアの美しい街並みはたくさんの英雄や偉人たちの日々の軌跡によって作り上げられたものなんだなーと思った。ますます行ってみたくなった。

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著者プロフィール

池上 英洋(いけがみ・ひでひろ):1967年、広島県生まれ。東京藝術大学卒業、同大学院修士課程修了。現在、東京造形大学教授。専門はイタリアンルネサンスを中心とする西洋美術史、文化史。『レオナルド・ダ・ヴィンチ―生涯と芸術のすべて』(筑摩書房)で第4回フォスコ・マライーニ賞を受賞、2007年に開催された「レオナルド・ダ・ヴィンチ―天才の実像」では日本側の監修者となった。『錬金術の歴史』(創元社)、『「失われた名画」の展覧会』(大和書房)、『西洋美術史入門』、『西洋美術史入門〈実践編〉』、『死と復活――「狂気の母」の図像から読むキリスト教』(筑摩書房)、『レオナルド・ダ・ヴィンチの世界』(東京堂出版)など著書多数。


「2024年 『パリ 華の都の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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