検証 東日本大震災の流言・デマ (光文社新書)

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著者 : 荻上チキ
  • 光文社 (2011年5月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334036218

検証 東日本大震災の流言・デマ (光文社新書)の感想・レビュー・書評

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  • 東日本大震災にまつわる、流言・デマの検証本。当時Twitterは相当見ていたので、大体知ってるけど、見なかったらデマにかかることもないのかなと。まあ、少なくとも無闇に拡散することだけは避けようと思う。

  • 当たり前のことだけど、なかなかできていないことが書いてある実用書。

    震災のときとか非日常はもちろん普段から情報のソースはちゃんと確認しないといけないなと改めて思う。

    萩上チキさんはほんとちゃんとした仕事をしているなぁ。誠意があるってこういうこと。

  • 東日本大震災でネット上で観測されたデマについて解説。デマに対処するには、ソースをきちんと調べることが重要と認識した。

  • 実用的な良書。「コスモ石油の黒い雨」に始まり、東日本大震災で流れたデマが、どのようなメカニズムで流れたのかを検証した一冊。要は、「情報に飛びつかずに、ウラを取ろう」という話だが、以下の側面によりとても面白かった。
    (1)【拡散希望】とか「○○から聞きました」のようなデマの典型を示してくれているので、情報のウソホントを見分けるためのちょっとしたマニュアルのようになっていること
    (2)ツイッターという新しいメディアが浸透してから起こった大震災におけるデマの特徴を描いていること

    著者はこの本を「流言ワクチン」と表現しているが、確かに、これを読んでおくことでデマを真に受けない・自ら拡散させないという耐性が前よりはできた気がする。

  • デマに踊らされないために、情報を丸呑みしない心構えが大切。
    世の中のことを斜めから眺めるくらいの方が、これからの時代、いいのかも…さみしいけど。

  • 積んどいた本でした。流言・デマはこれからも増える一方でしょうから、受けるサイドがうまく対応するしかないでしょうね。限界あるとは思いますが

  • 前に受けたとある論述試験で、災害時の情報提供がテーマになっていた。その時は全然知識なんてなくて、ただ思い付いたアイデアなんかを書きつづって終わったけど(もちろん落ちた…)、今の情報社会に生きてる一人として、知っておきたい分野だなと思って読んでみました。
    流言についてケース別に構成・説明されている。社会心理学とかヒトの行動心理の分析も合わせてなされていて最後まで興味深く読めた。
    デマを頭から信じない、「流言ワクチン」を持つこと。こういう考え方を学校とかで教えていかなきゃいけない時代なのかもしれない。

  • 【目次】
    目次 [003-005]

    序章――なぜ、今、流言研究か 007
    災害時における「情報」の重要さ/流言・デマは人を殺す/流言・デマに応答するということ/流言とデマの違い/個人のリテラシーだけに頼らない/流言ワクチン

    1章 注意喚起として広まる流言・デマ 021
    東日本大震災の流言・デマの特徴/三時間後に最大の揺れが来る?/有害物質の雨が降る?/コスモ石油流言の分析より見えてくるもの/インサイダーからの密告/デマの中和の重要さ/流言中和ラグと流言中和ギャップ/また出てしまった、外国人犯罪流言/外国人という「災害弱者」/「石巻の友人からのSOS」/強姦が激増?/埼玉県の水を飲むな?/東京電力を装った男?/放射性物質にはうがい薬が効く?/避難所で子どもが餓死?/関係者から「東京から家族を逃がせ」と言われた

    2章 救援を促すための流言・デマ 091
    情報ボランティアたちの「災害カーニバル」/有名人の行動/ニセのSOS情報/通報したら怒られた/関西電力の節電よびかけチェーンメール/防衛省・自衛隊が救援物資を募集というチェーンメール/みんなで献血をするべき?/放射性物質にはヒマワリが効く?/寄付をよびかけるチェーンメール/善意(のつもり)の行動に要注意

    3章 救援を誇張する流言・デマ 129
    「ソースロンダリング」の危険性/オバマの演説?/「天皇陛下が京都に避難した?」「天皇陛下が立派にも避難要請を拒んだ?」/消火に当たった消防隊総括隊長のコメント?/海外のニュースサイトを経由する流言/政敵を攻撃するためのデマ/蓮肪がコンビニ規制を提案?/辻元清美が自衛隊や米軍に抗議?/ピースボートが物資横流し?/日本では物資の空中投下が認められていない?/「行方不明」の東電職員は、逃亡して酒を飲んでいた?/節電したのに先月と同額請求?/被災地から避難した子どもには教科書を配布してはいけない?

    4章 流言・デマの悪影響を最小化するために 171
    海外での日本の著名人死亡説/海外での原発流言/日本が地震兵器で攻撃された可能性?ほか/見えない敵との闘い/内在的チェックと外在的チェック/「うわさ屋」と「検証屋」/検証屋の憂鯵?/流言拡散を認めない人/NGワードに注意する/止める・調べる・注意する/技術的にうわさを抑制




    【抜き書き】
    * 東日本大震災の流言・デマの特徴
     東日本大震災後の混乱の中、数々の流言やデマが拡散しました。その内容自体は、これまでの災害時の流言と非常に似かよっている面が多くあります。ただ、いくつかの理由により、東日本大震災ならではの特徴というのも多く見受けられました。
     東日本大震災の大きな特徴として、①被害範囲が甚大であったこと、②情報技術が浸透して以降の大震災であったこと、③原発事故という要素があったこと、の三つがひとまず挙げられます.これらの特徴は、次のような理由で、流言やデマの広がる理由となりました。
     まずは①です。被害範囲が大きかったということは、不安を抱く人、情報が不足する人が多くいたということです。それは言い換えれば、潜在的な「流言拡散者」もまた、増えてしまうということです。そして被害の大きさにより、なかなか被害の全貌がつかめない状態が続き、根拠不確かな情報が拡散しやすい状況が続きました。
     続いて②です。これまでの災害流言の多くは、被災地などに広がっていたものが中心でした。しかしインターネットを通じて、時間や場所を超えて瞬間的に共有されるようになったことで、災害流言の拡散速度や規模が変化しました。また、被災地以外に住んでいる人であっても、圧倒的な情報不足から、憶測に基づく流言などを多く拡散してしまいました。そのため、流言やデマへの対処の仕方も、大きく変わらざるをえなくなりました。
     そして③です.通常の震災であれば、救命の段階が終われば避難生活を支える段階に移り、そして復興の段階へと移っていくわけですが、原発の問題があったために、いつまでも復興段階に移行できず、不安感情が残り続けました。また、原発についての流言も多く広がりましたが、その多くは専門知識がなければ否定しにくく、また事態も刻一刻と変化していったので、「これこそが正解だ」という情報を共有しにくい状態が続きました。
     流言研究の始祖、オルポートとポストマンはその著書『デマの心理学』にて、流言の広がりについて、「R=i×a」という公式で説明をしています。つまり、流言(Rumor)=重要さ(importance)×曖昧さ(ambiguity)、という掛け算で、流言の広がりについて説明できるということです。

     多くの人が情報に飢えているにもかかわらず、正確な情報が不足している状況では、ニセ情報である流言が広がりやすい.その一方で、多くの人が重要でないと思っている事柄については流言が広がりにくいですし、多くの人が確かな情報を持っている場合もまた、流言は広がりにくい、というわけです。
     この公式は掛け算ですから、どちらかの値がゼロに近づけば、その広がりも小さくなるというのがポイントです。
     たとえば「○○小学校の××くんが、昨日テストで0点をとった」という情報は、全国で広がることはないでしょう。××くんが普通の小学生である限り、多くの人はまったく興味を示さないため、重要さが限りなくゼロに近いからです。また、「昨日、築地でマグロが二本足で走っているのを見た」という流言もまた、現代の日本では広がりにくい。マグロが走るなんてことはありえないと多くの現代日本人が知っていて、暖昧さが限りなくゼロに近いからです。
     流言が発生しにくい環境を作るためには、重要さか、暖昧さを減らさなくてはなりません。
     多くの人が興味を失えば、流言の拡散は収まりますし、多くの人が確かな情報を共有すれば、
     やはり流言の拡散は収まります。災害時に重要になるのは主に後者、つまり「情報の適切な共有」を速やかに行い、暖昧さを減らすことです。
     清水幾太郎〔しみずいくたろう〕は著書『流言輩語』において、Aという事実とCという事実が既に知られているが、その間に何かしらの矛盾がある場合に、その両者を結びつけるためにBの部分に流言が作られる、と説明しています。
     また、廣井脩〔ひろいおさむ〕は著書『うわさと誤報の社会心理』において、災害時には情報の需要が増加するのに、情報の供給が減少してしまうので、その需要と供給のギャップを埋めるために、憶測を含む流言が人びとの間に広がる、と指摘しています。
     清水の指摘を受ければ、流言対策には「確かな情報Bを提供すること」、そして廣井の指摘を受ければ、「情報の需給ギャップを正しい情報によって埋めること」が必要になります。逆に、そうした対応をしないと、「おかしな情報B(流言・デマ)」によって人びとが情報需要を埋め合わせてしまうことになります。
     では、確かな情報は、誰がどのようにして埋めればいいのか。「みんなで協力して埋める」というのは一つの答えですが、特に重要になるのは、行政、メディア、専門家、非営利団体、関連企業などの役割です。こうした人びとが、「流言の拡散は、自分たちの情報提供不足によるもの」という意識を持ちながら、常に確かな情報発信を心がけること〔……〕

  •  奇しくも熊本地震が起こった時に読んでいたのがこの本。
     東日本大震災が発生したときに巻き起こった流言・デマの類いをTwitterを中心に分析、類型別にまとめた本です。

     関東大震災や阪神大震災のときに起こった流言・デマも参考にし、混乱時に出やすいものを提示していますが、今回の熊本地震でもやはり同様の流言飛語が出回っていました。
     人間は成長しないというか、混乱時には不安な心理などからそうなってしまうものなのでしょうね。

     この本は、情報リテラシーの相対的向上を狙ったもので、一人でも多くの方がこの本を手に取り、「この情報は流言かな?」と考えられる環境が整えばと思います。

  • 東日本大震災で流れたデマがどのようなメカニズムで流れたのかを検証した本。
    何事も可能な限り自分で検証し、反射的に情報を流すなどで結果的にデマに加担しないようにする態度が大切だということ。

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