1勝100敗! あるキャリア官僚の転職記 大学教授公募の裏側 (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334036539

作品紹介・あらすじ

倍率数百倍の大学教員公募に落ち続けること100回強。現実に打ちのめされても立ち上がり続けた、非東大卒キャリア官僚によるトホホ転職戦記。

感想・レビュー・書評

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  • 労働省から大学教員へ「公募」で転職した筆者の実録。
    実録系はやはり生々しさがあってけっこう好きだ。その時々の感情がリアルで、自分が同じ立場にたったらそうなるんだろう、いや、そうならないんじゃないか、と想像するのは楽しい。
    仕事でもそうだが、苦境にたたされたときに大事なのは、「初心に帰ること」と「なんくるないさ」の対極にあるふたつの思いだと思う。こうなりたいからがんばれるんだ!というプラスの力と、まぁなんとかなるし、おれがいなくても世界は回るさ、という若干諦めに近い境地。このふたつで乗りきれるんじゃないかと思っている。
    いつか転職がリアルになったときには、中野さんの奮闘を思い出そう。
    あと、知識として言えば、理系研究者と文系研究者の根本的な違いを少々でもしれたのは面白かった。

  • 「就活生にもオススメ!」という煽り文句で買ってしまったけど、800円くらいする割に内容薄っ!
    結論として言われてることも、就活生向けのフリーペーパーでも読んでりゃいくらでも書いてあることだった。

    霞ヶ関の裏話も読めるのかな~と思ったけど、あまり量はなかった。ただいかにも生な感想という感じで書かれた転職のきっかけの件は、地道で過酷な労働現場を垣間見れた気がしたので、その点はよかった。

  • 冒頭から小説的な展開。自虐的、偽悪的文章。なんとなくむずむず。そのキャリアのあり方には必ずしも賛意ではない。でも、興味深く読みました。勉強にもなりました、ほんと。

  • 大学教員への、生々しい転職記。具体的な内容なので、ノンフィクションとして楽しめた。

  • 行動力がすごい。
    何でもいいから前向きに頑張ってみようという気持ちにさせてくれ、大学教授公募の裏側もよくわかる。

  • 1勝100敗! あるキャリア官僚の転職記~大学教授公募の裏側~ (光文社新書)2011/12/16

    キャリア官僚からの大学教授転身記
    2014年7月10日記述

    中野雅至さんのキャリア官僚から大学教授への転職体験記。
    1964年奈良県大和郡山市生まれ。
    1988年同志社大学英文科卒
    ミシガン大学公共政策大学院公共政策修士号
    新潟大学大学院現代社会文化研究科博士号を取得

    本人は大学落ちまくったし自分より偉い人はいっぱいいると謙遜している。
    ただ実際はアメリカ留学もするくらいだし国家公務員一種試験合格してるわけだし超優秀な人である。本書は極めてハイレベルな転職記である。

    中野雅至さんは昔たかじんのそこまで言って委員会で
    岸博幸氏と一緒に出たの見たのが初めてだ。(当時アゴとハゲと呼ばれてた)
    当時は既に兵庫県立大学教授だった。
    そんな彼もTV画面に出てくるまでに相当の苦難があったんだなと勉強になる。

    まず大学教授に転身するという人もそれほど多くないだろう。
    具体的に何をやって大学教授になっていくのか知りたい人には参考になるに違いない。

    要点をまとめると
    1 博士課程を卒業し多くの学術論文を書き実績を積むこと。
    2 なるだけ新しい学問分野を狙うこと。
    3 日本全国多くの大学を受けること。
    4 良い指導教官を持つこと(著者の場合は新潟大学の藤井隆至教授)
     →良いアドバイスを得る。アカハラを避ける意味でも。

    レポートと学術論文の違いについてなどはなるほどと眼から鱗だった。
    先行研究をどれだけ調べているかどうか・・学者の書く文章体って独特だなと思っていた原因が少しわかった気がする。
    (論文内容への検討もないまま提出した当時の自分の大学卒論は完全に単なるレポートに過ぎなかったと反省)

    大学教授というものが公募されるようになっていたというのも何だか不思議。
    ただ外部出身者を増やそうとする動きは今後も活発化しそうだ。
    本書は大学教授へのなりかたを示した(それも具体的な)貴重な本となっただろう。

    霞ヶ関での激務。論文の書き進め方。
    心理面での葛藤。

    転職しようとする人間の心の揺れを上手く書いていると思う。
    あと1人採用だとやはり本命採用になってしまい難しい。
    複数採用だと冒険心も出て違う人間にもチャンスが生まれる
    (これは民間企業でも同様だろう)
    あと就職では採用する方の意図次第。能力評価も曖昧な世界なのだから自分ばかりを責めずメンタル面を維持することも転職において大事なことだ
    と思う。落ちた理由がはっきりしない場合も多いのだと思うくらいで良い。
    もちろん気づいた点は次回以降必ず改善しといた方が良いだろうけど。

    ただ実際に面接に進んだのは5校だけ。
    100校ほど受けてほぼ書類選考落ちなので
    それだけ厳しい世界だと分かる。しかしちょっと偏りもあるように思う。
    著者の落ちた大学・学部一覧を見ていて自分の母校の大学・学部・科目が
    記載されていて驚いた。
    一歩間違えれば中野さんの授業だったのかもしれないと思うと不思議な気分。

  • 【207冊目】査読あり・なし、どちらも含めて、論文をたくさん書いて博士号を取ることが大学教員への転職の道ってことみたい。

  • 厚生労働官僚から大学教員に転職した中野雅至氏の転職までの顛末記。いわゆる「天下り」ではなく、真っ当に大学院に通い、論文を書き、公募に応募し続けて、やっと大学教員になれたいきさつが、赤裸々に面白おかしく書かれている。
    コネや大実績なしでの一公務員(サラリーマン)から大学教員への天職が不可能ではないことを教えてくれ、大学教員への転職を考えるなら、参考になること請け合いである。
    また、非常に人間味あふれる中野氏の姿には共感を覚え、一種の小説を読んでいるような気分だった。中野氏にはもともと文才があったのは間違いないだろう。

  • 厚労省の官僚から大学教員へ転職するすさまじい記録。
    全てをさらけ出して書いてくれているので、かなり参考になった。

  • 20151210

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著者プロフィール

神戸学院大学現代社会学部教授。1964年、奈良県大和郡山市生まれ。同志社大学文学部英文科卒業、The School of Public Polich, The University of Michigan 修了(公共政策修士)、新潟大学大学院現代社会文化研究科(博士後期課程)修了(経済学博士)。大和郡山市役所勤務ののち、旧労働省入省(国家公務員Ⅰ種試験行政職)。厚生省生活衛生局指導課課長補佐(法令担当)、新潟県総合政策部情報政策課長、厚生省大臣官房国際課課長補佐(ILO条約担当)を経て、2004年公募により兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科助教授、その後教授。2014年より現職。2007年官房長官主催の「官民人材交流センターの制度設計に関する懇談会」委員、2008年からは国家公務員制度改革推進本部顧問会議ワーキンググループ委員を務める。主な著書に、『天下りの研究』『公務員バッシングの研究』(明石書店)、『政治主導はなぜ失敗するのか?』(光文社新書)、『間違いだらけの公務員制度改革』(日本経済新聞社)、『財務省支配の裏側』(朝日選書)など多数。

「2018年 『没落するキャリア官僚 エリート性の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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