- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334037222
作品紹介・あらすじ
すべてを失って沖縄の那覇に渡った男性から、タイのチェンマイでライフワークを見つけた女性まで。「生きづらさ」を抱えてきたそれぞれの男女たちは、新しい場所でどんな人生を歩みはじめたのだろうか。主にアジアと沖縄をフィールドに旅してきた著者が彼らの心に耳を傾けて紡ぎ出した、ちょっぴりせつなくて心温まる九つの物語。
感想・レビュー・書評
-
最後のホームレスの話がグッときた。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
メルカリ売却
-
日記集?逃げ道はある。
1.沖縄
大阪で派手に儲けてたけど不景気でダメになってしんどくなって沖縄でスローライフ。
2.シェムリアップ
英語教えに行ったけど、英語教えるだけではなどうにもならないので、儲けなしで現地人の職と言語学習機会を作るという偉業。
3.チェンマイ
カレーと布。ええもんつくるんやで。
4.上海
日本の報道機関が報じると、中国人全員で反日活動しているように見えるけど、実際はみんな暮らしがあるので一般市民にとっては反日デモより儲け話が大事。日本人は粘土、中国人は砂。
デモに出たら儲かるのか?と。
自分勝手なところが面白い。日本人はハンコみたいなのが多いからつまらない。みんなじゃないけど。
5.ビエンチャン
コンケーンのNGOの目的は「日本人が援助に入っている」という実績をつくることだった可能性がある。ホームステイ先ごとに人手が必要、不要があるけれども、援助する側の理論でミスマッチしたインターンシップとなっていた。インターンシップを受け入れた場合の協力費(お金)と、ホームステイしている人からの食費1000バーツ/月が目的なだけではないだろうか。
海外駐在員のヒエラルキー。
JICAスタッフ
ODA関連の援助プロジェクト関係者
大手商社・金融業界の民間企業社員
民間NGOスタッフ
民間人から公式な税金はとらないけども、外国企業からは法人税をとるので、小規模な個人経営のお店は痛い。
6.バンコク
パテトラオ。マクロビオティック式食生活。
7.ホーチミンシティ
統合失調症からのリスパダール、サイレース処方。薬やめたらあかん。ベトナム行って代わりにデバス処方。それもやめて何もせず日光浴で元気になり、女で治る。
デタム通りはバックパッカー街。
日本人はバナナ。
ベトナムといえども、日本人と結婚すれば妬まれ、時には呪いをかけられる(やっかみ)。人間、どこでも同じ。
8.バンコク
BOI タイ投資委員会
認可されることを「BOIがとれた」と表現。
BOI認可されると、外国人でも安く雇えるので、コールセンター事業で認可をとり、IP電話で通信費を抑え、日本人を安く現地でやとえば日本人向け低コストコールセンターの出来上がり。
タイ政府からすると、日本の会社がタイに移ってきて税金が徴収できるだけでデメリットがないので認可される。働く日本人も現地に金を落とす。コールセンター運営元も日本でやるより安くつく。日本に住みたくないorタイに住みたい日本人にとっても日本語で仕事ができるので助かる。給料安くてもタイでそこそこ生活する分には困らない。
2002年にはタイ人大卒初任給が1万バーツ。30歳で3万バーツ。それに対して駐在員は手当て含めて20万バーツ。現地採用の日本人でも5万バーツ超えだった。
それが、2012年発行の本の中では、1万バーツで現地採用されるコールセンター勤務の日本人がゴロゴロ。
薄給でもコールセンターしながらタイ語を学び、日系企業に現地採用されれば道が開けることもある。そうすれば5万バーツ出るし、住宅補助も出るとか。しかし、そのルートも狭き門となっている。それだけ日タイの経済レベルの差が縮まったということ。
著者の奥さんの言葉はすべての国・場所で通じる「バンコクって、お金がないと面白い街じゃないわね」→資本主義社会だからね!
9.チェンマイ
オーバーステイ。荷物を置いてそこから離れるという愚行。ゲストハウスに友人を訪ねるフリしてロビーのフリーバナナをパクる。前に住んでたマンスリーマンションへの侵入と無断使用。古本屋で本を「保護」する(パクる)。それでも毎日お坊さんに日本語を教えるようになる。そのうち保護した本の売りを代理で依頼する。まとまったお金でバイクを借りてBig-Cで万引き。そんなことしつつも語学生徒が30人になる。Big-Cで決済前の飲食するフリしてからのカゴ放置で食い逃げ。やりすぎて目をつけられる。最後は本屋で保護しないで立ち読みしてるときに捕まる。でも、写真撮られて100バーツわたされて解放される。ホームレス先生を継続しつつ、圧倒的な時間の空白に身を沈めている。 -
東南アジアで人生をリタイア気味に生きる人たちの話
決して幸福とは言えないが、不幸とも言い切れない。 -
読み物としては面白い。が、読み物としてまとめるための著者の強引な解釈の様に思える記述もちらほら。
-
東南アジアで暮らす日本人の生き方を追いかけた内容です。確かに、日本人は時間やお金に追われていて、閉塞感はあります。本書で出てきた人物のように、日本を離れ、ほどほどに生きる、という生き方もありかなーと思いました。ただ、自分自身は、旅行者や仕事の一環としていくのはよいけど、家庭のことを考えると、彼らのような生き方は難しいかなと思ってしまいます・・・。東南アジアに一度行ってみたい!という思いには駆られました!
-
#151
-
日本とアジアの格差が縮まってきた近年、現地で低レベルの暮らしをしている日本人がいる。
他人から見ると理解しがたい生活だが、それなりに落ち着いた暮らしをしている人々の物語と、タイの日本人ホームレスの番外編。
「海外で暮らす」という積極的な決断とは裏腹に、アジアで生活ができるだけの収入でほどほどに、はたから見ると消極的に生きる人々。日本では一般的には許されなさそうなこの生き方は少しずつ増えているそうだ。
良い・悪い、共感できる・できないなどの判断がしづらい、何とも言えない読後感でした。 -
なぜか購入から三年以上かかって読了。
沖縄から始まって最後はタイのホームレスまで。三年前より腑に落ちた。やるせない。 -
アジアには月給5万円で働く日本人が存在する。
日本国内で就職できないので語学を学び、或いは現地で学びながら現地法人に就職しようとする日本人。
志をもって現地で充実した仕事をしている日本人。
夢や計画を描いていたわけではなくて、ふらっとアジアに赴いたら・・・結局現地で生活をつづけることにした日本人。。
・・・なるほど、それで本のタイトルがこれなのか。 -
日本を捨てて亜細亜にいきる日本人の話。全体的に非常に軽いので一瞬で読める。まあ、世の中生き辛いですなあ。
-
まず、タイトルが素晴らしい。本書は、日本を出て、アジア(沖縄を含む)諸国で暮らしている日本人の生の声を取材したノンフィクション。成功した人を取り上げていないという著者の視点も共感できる。生きづらい日本を出ても、決して楽になったわけではなく、現地で苦労しながらも自分らしく生活している人々の思いが詰まっている。
実際、日本は生きづらいと感じている人は少なくないと思う。私もその一人だ。周りの空気を読み、人と同調し、みんなと同じように考え、同じ行動を取ることが良しとされる風潮の日本。大学を出て、仕事に就いて、結婚して、子供をもうけ、定年まで働く。そのパターンにはまらない人にとっては「生きづらい」。それでも、私はここで頑張るつもりだけれど、生きづらい日本を出て、他国で頑張っている人も応援したい。
日本に生きづらさを感じている人にとっては、本書は心に響くものがあるのではと思う。 -
個人的な体験談をこれまた主観と偏見のフィルターを通して書いている違和感
-
日本に見切りをつけアジアの地に生を見出した日本人たちのルポルタージュ。中国、ベトナム、タイ、ラオス・・・・国々には独自の文化があり生活様式があり、その一つひとつに興を誘われる。100%の満足が得られているわけでもないが、日本にはなかった幸福と希望を胸に描ける新天地となっている。日本がアジアの中で突出して豊かだった時代とは大きく様変わりしているのが現実。日本人だからといった特別性は微塵もない。純粋に郷に入りては郷に従えを実践するのみ。日本人として新しいアジアの国々との向き合い方を考えさせられた。
-
アジアで生きていくほうが大変なのではないかと個人的には感じるのだが、本書に登場する、日本を捨てた人たちは、少なくとも日本にいる頃に比べて、ストレスが緩和あれているようだ。水が合う、ということなのだろうか。
私自身も日本生きやすくて好きだ、という気持ちを持っているわけではないけれど、特にアジアへ逃げ出したいと感じたことはない。けれど、「ほんのちょっとしたきっかけ」で変わってしまうということはあるのかもしれない。そんな気にさせられる内容だった。 -
貧しい日本人、がよくわかる。
-
今ひとつ。何となく様子が分かるが、主張やメッセージめいたものは、何もなかった。
-
日本で生きていくことの閉塞感から逃れるためにアジアへ行く人たち。アジアに行けばすべて解決する訳ではない。日本と同じような問題に加え、外国特有の問題が起こる。アジアは決して生きやすいところではない。ただ日本に戻るよりまし。それはアジアという価値観の違う国に移ることで今までの人生をリセットしているように思えた。
-
那覇・上海を含んでいるが、バンコクやビエンチャン等、基本的に東南アジアの各都市に暮らす、日本で暮らしにくくなった日本人を取り上げた本。
この本に出てくる人達は、割と一般的な人達であるような気がするし、何よりも「日本人であることを捨てた」わけでもなく、どうしてこういう題名をつけたのか、理解に苦しむ。 -
アジアの各地に流れ着いた9人の日本人たちの物語。
日本の暮らしから離れて暮らすようになった各人各様のいきさつ、それぞれの土地での暮らしなど。
彼等・彼女達も決して日本の不景気から逃れて楽園のような癒しの暮らしをしている訳ではなく、それなりに努力や運、仕方のない事情などで現地での生活を営んでいます。現地の人々からは日本人は金持ちと思われている一方、実態は凋落していく日本経済というギャップ。しかし、その実態も徐々に現地で知られるところとなりつつあるのが現在の様であります。
日本が不景気ならどこか外国にでも、とぼんやりと思っていたこともありましたが、グローバル化した現在では、そういう逃げ場もなかなか無い様です。
どうせ同じ苦労をするなら、生きづらい日本よりはアジアの空気の中で暮らしたほうがマシ、と感じた人々の物語。どこか、共感できるところがありました。日本での豊かさや幸福とは少し違う尺度で生き直す事は、これはこれで良いことなんじゃないかな、と思います。