辞書を編む (光文社新書)

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著者 : 飯間浩明
  • 光文社 (2013年4月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334037383

辞書を編む (光文社新書)の感想・レビュー・書評

  • 飯間さんの誠実な人柄が「読ませる推進力」になり、結果、辞書編纂という作業の面白みが伝わる、とても美味しい読書。
    本書を要約すれば、生きた言葉を平易に説明、という編纂方針に尽きる。
    その具体例が膨らみを持って紹介されるのだが、細かく教えて貰えば貰えるほど興味が湧く。
    こんこんと泉のように。

  •  新聞やテレビから街中まで、ことばを「採集」して、一冊の辞書にまとめあげる辞書編纂者のドキュメンタリー。

     昆虫や草花を集めるようにして、集めた宝物のことば達から選りすぐる。その宝物を磨くように、すんなり腑に落ちる語釈を長い時間かけて考え、現代で使われている「生きたことば」だけの辞書に仕上げていく。

     「ことばだけで世界を再表現したい」と語る著者には少年のような輝いた目が想像できて、読んでるこちらもワクワク。

     文体が美しく(現代日本語として読みやすくて)、ちょっとおかしなエピソードが揃っているので、かなり楽しめました。

  • 三浦しをんの著作で『舟を編む』という小説がある。本屋大賞を受賞した人気作で映画化もされたので、知っている人も多いだろう。『舟を編む』は辞書編纂を主題とした小説だが、『辞書を編む』は、正に辞書編纂という仕事について辞書編纂者自身が著したノンフィクションだ。
    著者は『三省堂国語辞典』略して『三国』の編纂者で、本書はその第7版の編纂中に書かれたものだ。辞書編纂は、本、雑誌、テレビ番組、ウェブサイト、街中の看板などから膨大な数の言葉とその用例を集める用例採集から始まり、集めた言葉の取捨選択、語釈、従来の版の記述の手入れなどを行う。著者の語る各作業の手順や他の編纂者とのやり取りなどからは、辞書編纂についての著者の熱意と思い入れがよく伝わってくる。
     現在、複数の出版社から何種類もの国語辞典が出版されているが、それぞれに特色がある事を皆さんは知っているだろうか。例えば『岩波国語辞典』『明鏡国語辞典』は「正しい言葉と用例」を載せる規範主義の辞書だが、『三国』は「今そこにある日本語を載せるべき」という実例主義で編纂しており、新しい言葉や言い回しを積極的に採用する。「分かりやすい語釈」も『三国』の方針だ。『新明解国語辞典』は独自の語釈が特徴で、明治以前の文献も含めて調べたいときは『広辞苑』『大辞林』『日本国語大辞典』全13巻などの大型辞典が適している。図書館は何種類もの国語辞典を所蔵しているので、本書を読んで辞書の面白さに気付いたら、手元の電子辞書だけではなく色々な辞書を引き比べてみよう。辞書の面白さと日本語の奥深さを楽しむことができるだろう。

  • 国語辞典をつくる際、どのような過程でつくられているかご存知だろうか。辞書をつくるにあたり、ことばを収集したり語釈を書くために街を歩きまわっている人たちがいる。その人たちのことを「編纂者」と呼ぶ。この本は編纂者の著者が辞書をつくる際の苦労を語っている。この本を読み終わったら国語辞典を読んでみたくなります。

  • 実は有名な「船を編む」未読なのですが、こっちが気になってしまい先に手を取りました。
    辞書を作ってる人=言葉のプロ、だとずーっと思っていて、どうやって作ってるのか具体的なことは全くわからないけど、日本語の研究者達が室内でコツコツやっているんだろうなーなんて思っていました。
    この本を読んで、変化し続ける言葉を外で地道に集めてきてるのか!とびっくりしました。
    最初は楽しくてもよっぽどの根気と愛がないと、すぐ挫折しちゃいそうなくらい地道な作業なんですね、、、編纂者の方々には頭が上がりません。

    時代と共に変化する生の言葉を一つ一つ見つめながら、細やかに手を入れることで辞書が出来上がっていく、素晴らしいお仕事だと思います。

    学生時代から大分時間も過ぎ去りまして、紙の辞書を手に取る機会はめっきりと減ってしまいましたが、そんな今だからこそ新たな気持ちで紙の辞書をめくるというのも楽しいかもしれません。
    目当ての言葉の前後に載っている言葉がまた新しい出会いなる、これも紙ならではですしね。

    ところで、読書家の方は辞書を読むって本当なんでしょうかね。

  • 楽しくてためになる!

    ことばおたく(褒めてます)な著者の日常はことばに対するアンテナがぴんと張っていてとても素敵!本文の一文一文の重み、行間から感じられる著者の誠実で謙虚な人柄にも心惹かれました。

    そして、もっとことばに敏感になろうと思いました。まずは、辞書を隈なく読みたいです。

  • 内幕ものは、どんな世界のものも面白い。国語辞書編纂の舞台裏も、その、言葉への真摯な姿に、同じものを見ていても違うものが見えていることが感じられて、興味深い。言葉の海は、深いなぁ。最近手にしていなかった国語辞書、開いてみよう。新しいものも手にしてみたいし、読み比べもしてみたい。

  • 辞書編纂の裏側をウィットに富んで書かれていて面白かった。著者の辞書編纂という仕事に対する愛情、情熱が伝わってきた。

  • 三省堂国語辞典の編纂者による辞書作りの内幕。国語辞典なんてどれでも一緒と思っていたが、取捨される言葉、その語釈など、それぞれに持つ特徴があることを知り、早速、各辞書を立ち読みで比べてみた。結果、実用上は何冊もの辞書を持つ理由はないが、知識欲を満たす意味で複数の辞書を購入する意味はある。それだけ言葉の世界は奥深い。

  • 著者は「実例主義」の国語辞典の編纂者。実例主義とは、文学作品などの(権威ある?)文献には現れなくても、広告などで巷に溢れており、一般的言葉は積極的に載せていこうという方針。

  • 三省堂国語辞典の編纂に関わる飯間氏が、その改訂の過程を、丁寧に著した本。
    言葉に向き合う飯間氏の真摯さがひしひしと伝わってくる良著です。

    いわゆる誤用も、「誤り」とばっさり切り捨てるのではなく、日本語の変化、派生の仕方の一つととらえるなど、「今の」日本語の姿を的確にとらえようとする姿勢がよくわかります。

    辞書には、言葉の「かがみ」としての2つの役割があって、そのうちの一つは「鏡」、つまり、日本語を映し出すもの、もう一つは「鑑」、つまり、日本語の規範となるものですが、三省堂国語辞典は前者の「鏡」であることを、より強く意識している、とのこと。
    言葉は日々変化することを考えると、そのことに強い共感を覚えました。

    それにしても、現在の三省堂国語辞典の基盤を作り上げた見坊豪紀は凄い人ですね。
    この本からも、そのことがよくわかりました。

  • 三省堂国語辞典(三国)第七版に向けての編集作業についての本です。用例採集、語釈といった作業が詳細に語られます。こんなところからも言葉を集めるんだ、一つの言葉をこれほど深く考えるんだ、と著者の言葉や辞書に賭ける思いが伝わってくるいい本だと思います。たとえば右っていう言葉、当たり前のように分かっているはずですが、これを分かりやすく説明するのは難しいです。次に辞書を選ぶ時には収録語数ではなく当たり前の言葉に対する語釈を見てみたいと思うようになりました。

  • 辞書は中学生でも分かるように書く、というのが三国(三省堂国語辞典)のポリシーらしいが、この本も分かりやすい文章で書かれていてとても読みやすかった。込み入った内容もあるのに、シンプルな文章のおかげでまったく苦労を感じない。見習いたいと思った。
    辞書の編纂作業のあらまし、が主な内容だが、こぼれ話や編纂にかける思いを記述した部分に著者の温かい人柄が感じられた。

  •  国語辞典の編纂に関しては①用語の発掘・用例採集調査、②加えるべき言葉の判定会議、③語釈の文章考案、④取捨選択など手を入れる行為などの局面から詳細に説明があり、三浦しおん「舟を編む」の世界が現実であることを示してくれる。それにしても辞書の編纂者がこんな苦労を抱えているとは夢にも思わなかった。例えばキャバクラという用語の意味を実体験するために実際に店に入るなど・・・。三省堂国語辞典:通称「三国」の特徴は何よりも「中学生にも分かる説明!6万語」、新明解の特徴その他辞書にはそれぞれの強みがあり、読み比べによってその思想の違いを実感してみると実に楽しそうである。新しい言葉でなくとも洩れている盲点のような言葉も確かにあるのかも知れない。「んーん」「あーあ」などは確かに有り得る!デジタル化の時代になり、新しい悩みが出てきていることも分かる!

  • 辞書引かないよなー。そもそも最近買ってないし・・・

    辞書作りの「戦い」が書かれています。
    言葉ってのは生き物なので、次々と新しい言葉が出てくる。
    辞書に載せるか、載せないか。
    どう説明するか。大変な作業です。

  • 三浦しおん『舟を編む』の便乗タイトルだけど(「おわりに」でもご自身が触れています)、いたって真面目な「辞書のつくりかた」の本。『三省堂国語辞典』(通称「三国」)の編集委員である飯間さんが、『舟を編む』だけではわからない、現場から見た「辞書のつくりかた」を説明。ニーズに合わせたいろんな「国語辞典」があるんだということがよくわかる。

  • 勉強になりました。

  • 『舟を編む』(三浦しをん)の本物バージョン

  • 辞書をどうやって作っているのかがわかる。辞書は読者層を想定して作られてる。
    見坊豪紀は1943に独りで明解国語辞典を編纂した。
    辞書の改訂は、用例採集、新規項目の追加・語釈を考える、既存項目の手入れ、削除などを行う。
    「愛」「右」など簡単な言葉の各辞書の語釈が面白い。
    ウィキペディアで言葉を調べると結局意味がよくわからないのは説明が多いからなのだとわかった。
    その言葉が正しいかどうか知りたい時→「岩波」「明鏡」
    いつ頃から使われてるか知りたい時→「新潮現代国語辞典」
    明治以前の文献も知りたい時→「新潮国語辞典」「広辞苑」「大辞林」「大辞泉」「日本国語大辞典」
    その辞書なりの解釈を知りたい時→「新明解」
    今広く使われているのか知りたい時→「三国」

  • 著者が辞書の世界から手招きしているイメージがありありと浮かぶ。ただ私が普段ひくことばと本文中に挙げられた収録語が殆ど被らない。惜しい。
    時期的に臨場感。今読んでよかった

  • 「右」「愛」「萌え」「キャバクラ」・・・。あなたなら、これらのことばをどう定義するだろうか。国語辞典を引くと、語釈の特徴が辞書によってそれぞれ違う。われらが『三省堂国語辞典(サンコク)』は、他の辞書とは違った視点で集めたことばに、誰にもまねのできない語釈をつけたい。でも、どうやって?―『サンコク』の改訂作業に追われる辞書編纂者が、辞書作りの実際を惜しみなく公開、「感動する辞書を作りたい」という情熱を語る。街なかでの用例採集、語釈をめぐる他辞書との競争など、知られざるエピソードを通じて、国語辞典がいかに魅力に満ちた書物であるかを伝える。

    『三省堂国語辞典第7版』(2013年末発行予定)の編纂者の一人、飯間浩明さんが辞書作りの実態を教えてくれます。「編集方針」「用例採集」「取捨選択」「語釈」「手入れ」の各ステップごとに、どんな作業をしているのか、どうやって新たな言葉を選び、既存の言葉を見直し、不要となった言葉を削除しているのかが、小説のようにドキドキするようなストーリーになっています。電子辞書、インターネット辞書、アプリ辞書など現代の状況も踏まえて、紙の国語辞典の未来について著者の思いも語られます。僕は未読ですが、三浦しをんの『舟を編む』を意識したタイトルでもあり、本編に『舟を編む』の一節が引用されたり、三浦しをんも帯文に感想を寄せています。国語辞典の魅力がふんだんに詰まった素敵な一冊でした。
    ちなみに僕の愛用辞書も『三省堂国語辞典』・・・なのですが、日本に置いてきてしまって、今はすっかりインターネット辞書の生活です。やっぱり紙の辞書をパラパラめくりながら言葉の知識を増やすことも大事だと思います。

  •  飯間浩明 著「辞書を編む」を読みました。

     著者は、「三省堂国語辞典」の辞書編纂者。2013年末に発売予定の第7版の改訂作業をめぐる知られざるエピソードを通じて辞書の魅力を伝えてくれる。

     たまたま新聞で紹介されていたので、手にとってみたのですが、読み出したら止まりませんでした。

     辞書の改訂にこんな人たちの苦労やドラマがあったとは、想像もできませんでした。

     街中での言葉の用例採集など、少なからず言葉に関する仕事についている自分にとって、とても興味をもそそられました。

     また、普段は実用的にしか辞書を扱うことはなかったのですが、この本を読んだことで、辞書の物語を想像してしまいそうです。

     文庫化を待ち望んでいる、三浦しをんの「船を編む」はまだ未読なので、この本を読んだことで、一層読むのが楽しみになりました。

     辞書によってその特色や魅力があることもこの本を通じて改めて考えさせられました。

     そして、もちろん年末発売予定の第7版は絶対買おうと心に決めました。

  •  辞典編纂の内側を知れる本。予想を超える地道な作業。
    以前「新解さんのなぞ」という本を読み、この辞書のマニアックな語釈が話題になったが、三省堂の辞書も「中学生にも理解できる」視点で工夫されたものになっているとのこと。新解さんでは、「右」は時計の文字盤の1~5のある側、と定義されていて、「左」は右の逆とあり、感動した。その手のネタもちゃんと本書にあったのでうれしい。特に言葉そのものには興味がなかったのが、この本のおかげで俄然興味が湧いたことを思い出す。で、本書を10年ほど時を経て読み、つい辞書も買ってしまった。電子辞書でもいいのかもしれないが、自分には紙媒体で「ひく」というのがいい。
     見坊さんという辞書界の神的存在の人も知ることもでき、雑学マニアとして非常に意義のある本でした。

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