炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学 (光文社新書)

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著者 : 夏井睦
  • 光文社 (2013年10月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334037666

炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学 (光文社新書)の感想・レビュー・書評

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  • あんた炭水化物になんか恨みでもあんのか、と思ったが、あるんでしょうねきっと。

    ダイエット本か、と読み飛ばしかけたが、それにしちゃ話が長いな、ダイエットにひっかけた科学本か、と思い直し、最初に戻って普通に読んだ。その価値があったかどうかは微妙だが。

    ダイエットには炭水化物や糖類が大敵、という事実から、炭水化物や糖類は人類の敵、というのは飛躍が過ぎる。炭水化物だって食い過ぎなけれは太らないだろう。だいたい太るとか太らないとか騒いでいるのは好きなものを好きなだけ食べられる金持ちだけ。それが勝手に食い過ぎて太っているのは炭水化物のせいではなく、自分のせいだ。
    糖尿病の治療は間違っており、間違ったままなのは医者が儲けるため、という主張もいまいち説得力がない。このたぐいの本はだいたいそうだけど、対立する陣営の意見を公平に取り上げて、科学的に論破するようでないと読んでいる方はしらけるばかりだ。仮説は仮説で結構だが、言いたいことを言っているだけ、という印象が最後まで残った。

  • 糖質制限についての情報は溢れているのでさておいて、炭水化物の是非については面白かった。

    医学の視点から語られる部分は説得力があると思う。米や小麦は消化が良く、肉は消化し難いという認識でいたが、全く逆であることに驚いた。肉で胃がもたれたりするのはカルビやロースのように脂身があるからかもしれない。通常肉は30分程度で消化され、胃から無くなるのだそうだ。一方、穀類は消化に時間がかかり2時間程度だと言う。食欲の無いとき、まずお粥というのは医学的に考えると間違っているようだ。もちろん、炭水化物を肯定する方がマジョリティではあるけれど。

    穀類、特に小麦や米は効率的に収穫できるという点で、人類を支えるものだった。人間の合理的な思考と穀類は相性が良かったわけだ。しかしながら、それまでに長い進化の歴史によって生み出されてきた食物連鎖に歯向かうものである。

    家畜の牛には穀類を大量に食べさせている。そもそも人間が食べれば良い穀類を、牛に与え、その肉を食べるというシステムになっている。本来牛は草食で、非常に良くできた消化の仕組みをもっている。4つの胃をもっていて、特に1〜3番目の胃には微生物が存在している。食べた草はそれら微生物の栄養となり、その微生物を第4の胃で消化することで、タンパク質や栄養を体内に取り入れるというよくできた仕組みをもつ。
    ウサギには胃は一つしか無いが、草を食べ、胃で消化し腸にいる微生物と共に排泄する。その糞を食すことで微生物を消化する。

    こういった、草から栄養を摂る仕組みがあるにもかかわらず、栄養過多の穀類を与えて育てている。

    食というと、モンサントの種や農薬、肉牛の飼育等に目を向けがちであるが、穀類に関わる事実はもっと根本的な問題であるように思える。燃料として原油に頼り過ぎているように、食物では穀類に頼り過ぎていると言えると思う。

    糖質制限云々よりもそういった点でとても興味深い本であった。

  •  今年、最高の一冊と問われれば、迷わずこれを選ぶ。
     私は太っていた。痩せているとよく言われるが、腹が出てしかたなかった。腹筋しても、何の効果もなかった。スポーツクラブにいっても、全然痩せなかった。
     だが、この本に書かれてある通りのことをした途端、4キロは減った……というか、ズボンが履けるようになった。ずっと、こっそりベルトを外していた。ズボンのボタンも外して、ベルトでそれをかくして仕事していた。居酒屋でもそうだった。忘れて立ち上がると、ズボンがずり落ちて、赤いパンツが丸見えになった。
     この本のおかげで、そんな情けない日日におさらばできた。どれだけ感謝しても感謝しきれない。
     穀物、炭水化物の歴史的意味、栄養学的疑問、生物学的分析、地球環境への深刻な影響、すべてがこの本にある。
     もちろん反論や、疑い、バッシングはあるだろう。著者も、それは大歓迎している。だが、この本のおかげでだいぶ助かった。それだけは揺るがない事実としてある。
     そしてこの著者の気持ちがよくわかる。
     この本は女性に向けて書いたもので、男性には格好良くなって欲しくないから読まないで、と、著者は冒頭に述べている。
     その通りだ。この本は男性には読んで欲しくない。スマートな体をした奴が増えすぎてしまう。
     エネルギーとかカロリーとかの問題も、そもそもの計算から問い直している。
     私は焼き肉を食いまくった。刺身も野菜も、腹一杯食う日日である。
     だが、まったく太らない。米やパンを食べていないからだ。
     糖質制限をして、朝起きられるようになった。これもありがたい。低血圧で物事を片付けていたが、べつに血圧は関係なかった。問題は、炭水化物の取り過ぎによる糖分の過剰摂取だったのだ。仕事中、気絶するほど眠かったこともなくなった。いつもしんどすぎてトイレで眠っていたが、もうそれもする必要はない。体のだるさがすべて消えた。睡眠時間をうまくコントロールできるようにもなった。
     とにかくいいことばかりが起こるので、この本を買いまくって、友人みなに配ろうかとも考えた。
     日本国民みなが読むべき、最高の本だと私は思っている。
    「現代人が悩む多くのものは、大量の穀物と砂糖の摂取が原因だったのだ。人類が神だと思って招き入れたのは、じつは悪魔だったのである」
     この事実に気付くまで、一万二千年かかった。だが、炭水化物や糖を愛してるという時も、そろそろ終わりにしないといけないと思える。
     星7つぐらいつけたいところだ。

  • 二日酔いは酒量ではなく、糖質を食べたかどうかで決まる。



    肉、魚等のタンパク質の胃滞留時間は数十分。



    食べてはいけないもの

    米、玄米、小麦(うどん、パスタ、パン等)、蕎麦、砂糖が味付けに使われているもの、お菓子、ジュース、炭酸飲料、無糖以外の缶コーヒー、スポーツドリンク、醸造酒(日本酒、ビール、マッコリ)、コーン、ジャイアントコーン



    食べないほうがよいもの

    根菜類、果物



    食べてよいもの

    肉、魚、卵、大豆(豆腐、納得、枝豆等)、葉物野菜、アボカド、マヨネーズ、バター、ナッツ、チーズ、ヨーグルト、牛乳、フライ、から揚げ、蒸留酒(焼酎、ウイスキー、ウォッカ、テキーラ)、甘くない赤ワイン



    日本人一人当たりの米消費量は、1962年がピークで118キロ。2010年には58キロ。この50年で半分に減った。



    糖質制限に体が慣れるとエンゲル係数は減少する。豆腐等の安い大豆製品がご飯代わりになるのと、量を食べなくても満足するようになるから。



    糖質制限で花粉症が軽くなる。



    世界で生産されている穀物の1/2、コーンの2/3が家畜用飼料。米国では、コーンの8割、オーツ麦の9割以上。



    海底に住むチューブワームは口も消化管も肛門もないが、卵から孵った幼生は成体と異なり、最初の3日前後は口があり、この3日間で海水中の硫黄バクテリアを取り込んでいる。このバクテリアが硫化水素を取り込み、硫黄バクテリアの作り出す栄養素とエネルギーの一部を分けてもらい生きている。



    人体の消化管を眺めると、胃も結腸も盲腸も拡大している部分はなく、一般的に言えばベジタリアン生活には適さない構造である。



    草食動物は複雑な構造の巨大な消化管が必要だが、自前で作らないといけない消化酵素は少数で済む。肉食動物は、消化管の構造は単純だが、獲物を捕らえる為の強力な運動器を備える必要がある。雑食動物は、環境の変化に対応できるが、食物の種類が増えるに従い、消化管の構造は肉食動物より複雑になり、自前で準備しなければならない消化酵素の数も増える。



    出生直後の腸内フローラは大腸菌などの好気性代謝を行う細菌が主体だが、母乳栄養児の場合は、 母乳内のオリゴ糖により、1週間程度でビフィズス菌主体へと変化する。新生児の大腸内に入ったオリゴ糖は、ビフィズス菌やその他の細菌の発酵作用により、有機酸(乳酸)や短鎖脂肪酸(酢酸、酪酸、プロピオン酸)に変化する。





    母乳にはブドウ糖もデンプンも含まれていない。脳が必要とするブドウ糖は経口摂取した糖質とは無関係である。



    母乳の成分比についても、「母乳、新生児、腸内フローラ」という、共生体全体から新生児が獲得するエネルギー量・栄養素量として捉える事。



    人体でブドウ糖を主に使うのは、脳、眼の網膜、赤血球であり、筋肉は脂肪酸をエネルギー源とし、激しい運動の時のみブドウ糖を取り込む。



    我々人間を含む真核生物は、古細菌のメタン生成菌が真正細菌のαプロテオバクテリアを飲み込み、後者を細胞内共生体とした事から誕生したと考えられる。このプロテオバクテリアが我々のあらゆる細胞に存在するミトコンドリアの祖先。



    やがて地球上に酸素ができ、好気性代謝ができる真核細胞にとって絶好の環境となったが、真核細胞はそれまでずっと好気性代謝の経路を無駄なエネルギーをかけてまで温存していた。また、真核細胞誕生のタイミングが、全球凍結終了後、酸素を生み出すシアノバクテリアが大繁殖する前であれば真核細胞は生き延びられなかったろう。



    全球凍結時、様々な試行錯誤の結果、ブドウ糖を難容性多糖体に変換して溜め込む方式(現在の植物)と中性脂肪を溜め込む方式が選ばれたと考えられる。



    人間の場合、緊急時には、すぐにブドウ糖に変換できるグリコーゲンが使われる。肝臓に100グラム、筋肉に300グラムほどで、激しい運動をすると1時間で枯渇する。

  •  この本については最初から「トンデモ本」と決め付けず、まず「食事の糖質制限」を実践してから評価すべし。自分の場合は「ご飯は茶碗半分以下で一杯だけ」「飲み物は全て無糖、コーヒーもブラック、晩酌は焼酎」「おやつは砂糖入り・スナック類からナッツ類へ」を一週間実践。なんと腹の膨らみが数センチ減少、昼食後の”強烈な眠気”もなくなり、背中や腕の不可解なカユミも減った。どうやら事実のようなので、今後も糖質制限は続けていこうと思う。もっと早く読んでおくべきだったな。

  • いいねぇ。題名が。
    このパワフルな 題名こそが 意味があるのかもしれない。
    『糖質制限』というより 『糖質 ノー』と言う感じ。

    なぜ 糖質制限しなければならないかを
    外科医である 著者が 自ら実践し、
    スマートになり、二日酔いがなくなり、よくねむれる。
    そこから
    糖質制限とは どんな意味があり、
    なぜ間違った糖質への理解があるのかを追求する。
    糖質は 栄養素ではなく まさに嗜好品だとさえ言い切ってしまう。
    バランスのとれた食事とは 平均値から生み出された経験値であり
    科学的根拠があるわけではないと言い切ってしまう。
    現在の 栄養学会 カロリーの考え方 糖尿病患者への対処
    などを 徹底的に たたきのめす。

    そこから さらに 生命の誕生から 農耕の発達による人類史にまで
    切り込んでいく。その中には じつに多くの仮説がある。
    これだけの仮説を立てるチカラを持っているのは なみなみではない。
    常日頃 なぜだろうと 思考をしている継続したチカラが
    このなかに どっぷりと 組み入れられている。
    まさに 『強力な仮説力のある人』である。

    パンダは肉食だったがなぜタケだけ食べるようになったのか?
    牛は 草を食べるだけで 500kgをこえる 体重となったか。?
    1日青汁いっぱいで 生きている人がいるがなぜか?
    母乳をなぜ ほ乳類は与え オリゴ糖が入っているのか?
    子供はなぜ小さいのか?
    草食動物は なぜ草食か?そして、子供は 草食になるのか?
    アポクリン腺とエクリン汗腺のやくわりとは?
    消化器官の身体の構造を考てみると。
    微生物との共存がなぜ行なわれるのか?

    脳はなぜブドウ糖を欲しがるのか?
    脂肪酸が エネルギーを得るには効率がいいが、脳はなぜそれを採用しなかったのか?
    動物の血糖値は 草食も肉食も差異がないのはなぜか?
    全球凍結によって、進化した。

    なぜ穀物だったのか?
    動物は 巣を持つものと 巣を持たないもの。
    赤ん坊はおむつをするが イヌ ネコは ウンチする場所をわかるのか?
    うさぎはなぜ糞を食べるのか?
    ピスタチオが 人類の食べ物だった。そしてドングリ 小麦となった。

    甘味は人類を虜にした。
    大脳の能力は 穀物により 開花した。

    それにしても、最後は 端折りすぎだ。
    穀物の危機というのが 検証されていないね。

  • 食事が快楽になっている人間は病気になる。自己責任で病気になって滅ぶのは構わないのだが、問題は医療費に増大による国民負担の増大だ。食事の快楽を貪る人間のために税金負担するのはゴメンだ。一刻も早く、外食税、肥満税等々の食事快楽税の導入が必要だろう。

  • 最初はストイックな糖質ダイエット本だと思ってたんですよ。それが、途中からやけにスケールでかくなって、宇宙とか。もう全然違う本になっちゃうんだけど、その部分がとても読んでいて楽しいという不思議な本でした。それで、俺も糖質ダイエットしたら体重減ったよ。

  • こういう本を待っていました。

     いろいろな本を読み、どうやら炭水化物は人間にとって変な栄養素らしい、ということがうすうす解ってきていました。自分自身、脱炭水化物食を経験してみましたが、体は却って楽です。

     ではどうしてヒトは炭水化物に執着するのだろうか…

     必須アミノ酸という外部から摂取しないと生きていけない成分があること、人間の胃腸がウシや馬のように草食用にできていないこと、から肉食動物起源であることは間違いない。

     生物学的、社会学的、歴史学的に、ヒトと炭水化物とは?に切り込んだ名著です。

     著者の本業は外科医です。

  • 話の内容が生化学から発生学、人類の発達史となり、いつの間にか文化人類学まで絡めて分かりやすく炭水化物の功罪を解説している。快書。

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