はじめての不倫学 「社会問題」として考える (光文社新書)

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著者 : 坂爪真吾
  • 光文社 (2015年8月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334038731

はじめての不倫学 「社会問題」として考える (光文社新書)の感想・レビュー・書評

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  • 同じ著者の「性風俗のいびつな現場」がなかなか良かったので、買ったのだが、こちらは中々に酷かった。
    両書とも基本的には様々な角度、手法から特定の問題にアプローチする感じなので、一冊の本としては散漫になるし、内容的にも深いものにはならないのだが、この本ではそれがマイナスの作用しかもたらしていない。

    性風俗が不倫ワクチンとはなりえない、と前半部分で書いておきながら、結論的には条件付き婚外セックスを受け入れるべき、とし、その例示として自身のNPOの活動を紹介しているのだが、正直それが風俗と寸分違わないもので、論理破綻している。

    記述の多くは何を元に書かれているものなのかもよく分からず、かといって、体験談的なものとするには余りに表面的で、大凡お粗末としか言いようの無い本であった。

    不倫に対しては防げない、というのは分かるが、それを社会問題として捉えるならば、最終的には一夫一妻制の家制度以外の制度を取った場合にどのような社会を構築出来るのか、が一番大切な問題な気がする。
    DNA検査で父子関係がほぼ確実に確定出来る現代において、一夫一妻制を厳守する必要性は低くなってきてるのではないか。
    そうした中で両者の合意(お互い浮気をしないのであれ、するのであれ、そうした合意)に基づく関係の構築というのが、一番重要なものになっていき、その結果として、どのような社会制度が構築出来るのか、維持できるのか、という考察が一番必要なのではないかな、と感じた。

    とりあえず、本書については、散漫で浅い内容で、論理性も脆弱としか言いようがなく、作文、としかいえないような出来の本であった。

  • この本は大きく分けると2種類のコンテンツがある。
    1つは不倫の文化史。不倫は古今東西様々な形で行われてきたことについて丁寧に説明。
    もう1つは不倫の必要性を認めたうえで、それをどのような形で害なく実行できる体制を社会が整えるべきかを説いている。
    1つ目のテーマは面白い。著者がよく勉強しているであろうこともわかる。
    けど、2つ目のテーマに関しては著者が何を言わんとしているのかよくわからなかった。
    「不倫ウイルス」という言葉を定義づけをきちんと行わずに導入し、それをいかに根絶するかを説いているのだが、そもそも対象がきちんと定義づけされていないから何を言わんとしているのかよくわからない。
    1つ目のテーマについては充実しているだけに、残念である。

    ■自立とは、多くの依存先を確保している状態を指す
    ■生物学的に見れば、一夫一妻制はガラス細工のように壊れやすい代物
    ■人類が狩猟型生活を行っていた時代には、階級が生じにくいことから一夫一妻制が多数派だと考えられている
    ■一夫多妻制の社会で複数の妻を持つのは5~10%程度の裕福な男性のみ
    ■18世紀までのヨーロッパでは、性に関して自由主義的な考え方が普通だった。が、アメリカに渡ったピューリタンは極めて性に厳格
    ■不倫によって得られる強烈な性的快感は人生の充実に影響を与えない。覚せい剤の使用と同じようなもの
    ■近代以前の社会には、「リスクの少ない、制度化された婚外セックス」が存在していた

  • 読了。今の自分にとって、
    不倫したりされたりする心配は、遠いので、途中から自分の心のテンションが下がった。交際クラブの話は、ドキドキした。不倫は、やはり子供がいたらアウトと思う。それだけと思う。
    この考えが、はじめからあったわけではない。やはり子供ができて、育児に少しだけ関わったからと思う。子供が生まれてきたとき嬉しかったが、父親の自覚は1ミリもなかったと思う。それが、一緒にいると変わりはじめたと思う。子供が自分を母親の次の存在と認識してもらったとき、自分に自信が生まれた。
    将来、奥さんが、どんなすばらしい素敵な男の人をつれてきて、今度からこの人が新しいお父さんよと言っても、私が承認しなければ、ありえないと思った。揺るぎない信頼をもらったと思う。だから裏切ったら駄目だと考える。でも思春期になるとお父さん臭いと言われるのだろうな。もう言われてるし、覚悟はできたので、乗り越えれるだろう。子供にとって大事なのは、お母さん、お父さんが仲良くしてることが、一番大事なことと思う。それをするにはどうするかを話し合うことなのだろう。

  • う~ん・・・なんかモヤモヤしています。

    「不倫ワクチン」を手に入れを!開発しろ!という割には、最後は「エイズも不倫を止められない」となり、結局「浮気(不倫)は仕方がないもの?」な感じでした。

  • ○引用

    かつては倫理や道徳の問題だったが、現在の心理学的アプローチにおいては不倫を「夫婦の関係性の問題+本人の成育歴の問題」として捉える視点が主流である。

    自立とは、多くの依存先を確保している状態

    「自分の感情を自力で腑分けできる」ようになる。これによってメンタル面でのトラブルの解決速度が上がる。

    できる唯一のことは気持ちを伝えることだけであり、それができた時点で恋愛や不倫は「成功」であり、かつ「必要十分」なのではないか

  • このところ多忙につき、読感を書いている時間がない。
    とりあえず、読みましたということで、読了日と評価のみ記載。

    2016/5/25

  • 名著だと思う。

    結婚とは何か
    夫婦とは何か
    恋愛とは何か
    セックスとは何か

    誰も教えてくれないこれらのことが
    考えやすくなるように
    情報を整理してくれている。

    生活と恋愛とセックスと
    3本の柱がすべて
    安定的に立っていることはほとんどない。

    絶望を受け入れて
    前向きに自分の道を行くしかないことを
    この本は教えてくれる。

  • 性欲と性愛欲、つまり婚外セックスと婚外恋愛の問題がぐちゃっとしている
    不倫で問題なのは婚外恋愛じゃないかな
    そっちの問題があまり検討されていないように思う

  • 借りたもの。
    何故、不倫をしてしまうのか――?
    男の本能説など、言い訳に過ぎない。
    もっと丁寧に現代社会から歴史などの観点から「不倫」を読み解いてゆく。
    未熟な個人の問題としてだけでなく、「社会問題」として考えるという。
    そしてこの本の目標は、「不倫ワクチン」なるものを手に入れるため、様々な愛の形――人間関係について模索する。
    ただ、この「不倫ワクチン」、要は「ハームリダクション」のようだ。

    一口で“不倫”と言っても、様々なタイプがあること、パートナーとのコミュニケーションの不足や、盲信して社会的・人間的な破滅のリスクがあることなど挙げていく。破滅的な不倫の場合には、私には性虐待の傷を垣間見る……

    不倫が起こるのは、コミュニティ、人間の交わるところ何処にでも起こりうるという。
    「不倫」をしない絶対的な予防策もない。ならば、(自他どちらも)「不倫」によって破滅するのではなく、自分も、パートナーも、家庭も壊さない「不倫」はあるのか――?
    パラドックスである。著者はそれらを「不倫ワクチン」として、様々な性愛のカタチを挙げてゆく。

    しかし、「ワクチン」の例えが使われるように、副作用がある。
    バランスを崩してしまえば破滅してしまうこと、また社会的なロールモデルが存在しない(存在できない)という、またしてもパラドックスになった。

    結局のところ、「不倫」ができるのは、精神的にも肉体的にも健康で、経済的・時間的余裕を持ち、夫婦関係や家族関係が安定している人間でなければ務まらない。
    それこそ、紫式部『源氏物語』の光源氏のように……

    副題にある通り、「社会問題」として考える本だが、男性寄りすぎる印象を受けるのは、結局のところ今まで女性に苦渋を舐めさせた、アンフェアな分野だったからだ。
    ジェンダー論や男女性差を強く意識させる……
    男が“絶倫(肯定的意味合いが強い)”で女が“淫乱(否定的意味合いが強い)”と評されてしまう点からも……
    斎藤環『関係する女 所有する男』( http://booklog.jp/item/1/4062880083 )にあるように、関わり合い方の根本発想が異なる。
    所有原理(タテ)が原動力である男(この本では”性欲ベースの動機”)と、繋がり・関係性(ヨコ)を重視する女――この2つがきちんとバランスよく交わる(✚)ことが大切なのだが……

    生物学的に人間は多夫多妻、と言い出すのかと思ったら、結局人間は一対一の関係性しか築けない事を仄めかしている。
    それは夏目祭子『知られざる最強の創造エネルギー なぜ性の真実『セクシャルパワー』は封印され続けるのか』( http://booklog.jp/item/1/490502742X )でも言及されていたけど……
    結局、人間は一筋縄ではいかないのだ。
    多様である……ラース・フォン・トリアー監督『ニンフォマニアック』は極端だけど……

    不倫「する」「しない」「させる」「させない」の本ではなかった。良かった。

  • 不倫を一種のウイルスにたとえて、それを予防し回避するための「ワクチン」や「処方箋」を提示することを試みる。

    「不倫は防げない」という現実から目を背けることなく、現実的に可能な解決を探っていく。
    結論としては、次善の策として、 婚外性交渉を社会的に条件付きで受容し、不倫によるリスクを低減させることを提案する。

    センシティヴな領域であり、皆が納得する結論を得るのは極めて困難と思われるが、考えるきっかけを与えることが本書の妙とも言える。

    人間である以上、「性」の問題からは逃れられない。
    その中で、いかに善く生きていくかを考えるヒントが盛り込まれた、「(真面目な)性の教科書」と言える。

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