ケトン体が人類を救う 糖質制限でなぜ健康になるのか (光文社新書)
- 光文社 (2015年11月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334038892
感想・レビュー・書評
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いいことが書いてあると思うし、多くのヒトがこの本を読むべきだと思う。
著者の主張が世の中にちゃんと広がるためにも、既得権益層への立ち向かい方はもう少し再考の余地がある気がするが。。
・胎児や新生児、妊婦の血液にはケトン体が非常に多く含まれる
・肥満は糖質過剰摂取で起こる。脂肪が原因ではない
・胎児はケトン体を主なエネルギー源としている可能性が高い(が、「ケトン体は危険」と糖質制限食を批判する日本糖尿病学会の主張に反する)
・消化器の構造から言うと、人間は肉食動物に近い。コレステロールを日常的に摂取しており、コレステロール値を一定に保つ機構を有する
・ヒトが現在の脳の発達にいたった重要な契機は、肉食だったと言われている。農耕を始めたのはそのあと
・血糖値が上がるとインスリンが出て、インスリンが血糖値を下げるが、その過程でインスリンが「空腹要求」を出す。これにより、空腹を感じたり眠気を感じたりする
・お茶碗1杯のご飯を150gとする。糖質量は55gで、角砂糖に換算すると17個分
・糖質だけが血糖値を上げる。カロリーと血糖値には直接的な関係はない
・がん細胞にはブドウ糖が不可欠だが、ケトン体は利用できない
・アメリカ糖尿病学会は、糖質制限食を糖尿病の治療の選択肢として認めている詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
清水泰行、『「糖質過剰」症候群~あらゆる病に共通する原因』、光文社新書より案内。
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減らすべきは「白米」と「清涼飲料水」。現代では一般的になっている糖質制限に関して語られている。しかし本書で蔑まれている某学会の主張と同様に、本書の信憑性もよくわからない。事例も妊婦のみ。固定概念だけは持たないように気を付けようと思った。
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"炭水化物は人類を滅ぼす"よりもたくさんのデータに基づいて書かれていて納得感がある。
ケトン体はアシドーシス起こさないのが何故か気になる。 -
今や常識となったケトジェニック。。。。
たったの5、6年前まではキチガイ扱いだったとは!!
糖質摂取をやめ、タンパク質・脂質を中心とした食事に変化させ、ブドウ糖を使った代謝から、ケトン体(体内の脂肪の分解によって生まれる物質)代謝に変化させることで、体の状態は劇的に改善されるのです。
ケトジェニックな生き方
糖質エンジンをやめてケトン体エンジンのみを動かすという生き方です。集中力が増して、頭が冴える。やたらに居眠りなどしないで早寝、早起き、疲れを知らないなど、利点がたくさんあります。
ケトン体というのは、ヒトが糖質を摂取しなかったときに、脂肪を分解して栄養にする代謝に変わって、そのときに出てくるものです。
by 釜池豊秋 「糖質ゼロの食事術」
to 江部康二先生への答え
胎児は絨毛で作られたケトン体を、主な栄養源・熱源、エネルギー源にしています
1・ヒトが本来、糖質ではなく脂肪などを主な栄養源にしていた食物史を暗示させる
2・「ケトン体は危険である」と糖質制限を批判する、日本糖尿病学会の主張に根拠がなくなる
「脂肪を使ったエネルギー」こそ、ケトン体エンジン
ブドウ糖エンジンは、激しい運動のときや
、糖質をとっているときのエンジンであり、人体では赤血球だけが、「ブドウ糖のみ」を使える細胞です。
ケトン体はメインエンジン
コレステロールの抑制は危険!
「医者に行くと、コレステロール220以上で以上だといってコレステロール降下薬を飲まされる。すると、まずいことに鬱になるんですね。非常に多弁だった人が無口になる。そういう人が電車に飛び込むんだと言う話をしていたら、実際に帝京大学の精神科の先生とJR東日本が協力して、JR中央線で自殺した人を調べたんです。その結果、9割が55〜60歳で、ほとんどが男だった。それが見事に全員、コレステロール降下薬を飲んでいたという」
ココナッツオイルは、炭素数12の中の中鎖脂肪酸である「ラウリン酸」を主体としています。
中鎖脂肪酸は、長鎖脂肪酸と異なり、小腸から門脈を経由して直接肝臓に入り、そこで代謝されてケトン体になります。長鎖脂肪酸と比べて約5倍も早く分解されてエネルギーになるのです。
不適切な治療をして病気を悪化させ、医療費を無駄にするよりも、適切な食事で箒を直して、余ったお金で新しい命を育むフォローしたほうが、国にとってもそれぞれの人たちにとっても、ずっといいに決まってますよね。 -
信じるものは救われる・・医学の進歩って試行錯誤の繰り返しで、その時代にマッチした学説が様々な背景をもって出現する。何を信じるかは、あなた次第。こういえば、身もふたもないが、50 年前の食生活と今とでは違うし、その人の体質などでも考え方は変わってくる。
様々な情報にあふれているがゆえに我々が悩むように、専門であるはずの医者たちでさえも喧々諤々な状態のようですので安心してください。
そこで、最初の言葉、(何を)信じるかによってあなたは救われる(はず)。
まず、本書のケトン体って何?、これは体内の脂肪分解によって生じる物質のことで人間(特に赤ちゃん)のエネルギー源。従来から、人間のエネルギー源はぶどう糖とされているものの、糖質の過剰摂取からくる糖尿病や肥満と言った現代病を誘発してしまいます。筆者は産婦人科医で妊婦の妊婦糖尿病と長年格闘して発見したのが、ケトン体代謝の優秀さです。簡単に言えば、食事の糖質制限を行うということですが、具体的にはMEC(肉、卵、チーズ)をメインとし、一口30回噛むということ。メインのごはん、パン、麺類、イモ類、果物などを極力控える。(あくまでも、カロリー制限ではなく糖質制限です)例えば白米ごはん1杯(150g)は252kcalで糖質55.3gで食後の血糖値が166mg上昇するのに対して、サーロインステーキ(200g)は1000kcalで糖質は1g以下、血糖値の上昇は3mgというデータは注目すべきです。
武漢ウィルス席巻で外食しづらい状況ですので、この時期に食生活を全面的に見直すのもありだと思います。免疫力が罹患後の生死を分ける可能性も高いようなので、逆に今だからこそ気軽に(手始めに3食のうち2食だけでも)チャレンジできる環境なのかもしれません。信じるものはきっと救われる。 -
産婦人科医の著書。自身の糖尿病の体験談や糖尿病妊婦のケーススタディ等、色々なデータを元に書かれているため説得力があり勉強になった。
最後の方はケーススタディの内容でやや飽きる。敢えてそうしているのだろうが、攻撃的な言い方が散見していた。
食事によって病気にも健康にもなる。人類はここ数十年で豊かになり、食べ物が溢れかえっている。その中で自信が取捨選択をして、食べることがいかに大切であるかを再確認した本だった。
糖質はマイルドドラッグだ。確かにパンも米も食べ始めるとなかなか止められない。私はパンが大好きだが、食べ過ぎて後悔する日々があった。そのため今ではパンは買わないようにしている。
以前は製薬会社に勤め、現在は病院で看護師として働いている身である。本の内容は、色々なことが納得のできた内容だった。
糖質制限を悪として排除しようとする背景や裏側には様々な思惑が潜んでいることであろう。
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糖質オフでダイエットはもはや当たり前になりつつあるので、すごい発見とまではいかないが、なかなか興味深い内容だった。食事をすることを、ごはんを食べるという日本人には白米、米を否定するのはなかなか出来ることではないが、きちんとエビデンスとともに説明されているのは、わかりやすい。もはや、お酒やタバコみたいに嗜好品として嗜むくらいがよいんだろうな。砂糖税みたいなもんで。
既存権益を持つ方々への恨み節がところどころあったり、どうしても糖質は悪、ケトン体は正みたいな二項対立なので、偏ってみえてしまうので、糖質のメリットやケトン体のデメリットまでカバーしてたらより説得力がでると、個人的には感じた。でもすぐにでも実践できそうだし、この本に励まされたり、恩恵を受ける人も多いんだろうな、と思う。 -
◆ケトン体で生きることこそ、本来の人間の姿!?◆
著者は、赤ちゃんや胎児の臍帯血などのケトン体の濃度を多数測定し、基準値の20~30倍になることを世界で初めて明らかにしました。これはヒトが本来、ケトン体をエネルギー源としていたことの証です。ケトン食は糖尿病や肥満だけでなく、認知症にも有効として研究が進んでいます。学会からの激しい非難に対する反証の場面も「おいしく」味わえます。
ヒトが本来あるべき姿を、栄養学の新しい常識として「おいしく」語っている、目からうろこの一冊です。